=乗って楽しいオフロードバイク=

今もYou TubeでUSなどのモトクロスを見ることが出来る良い時代です。

私の場合 1985〜のSXを良く見ますが 素朴にオフロードバイクはなんてすばらしいのだろうと思います。

未整地をあんなスピードで走れるなんて


人工的なコースでは見せる為のレイアウト 2連や3連の高いジャンプやエグいフープス、

アウトドアではあり得ないスピード ジャンプの飛距離 それらを走破するマシンは素晴らしい。

速く走る為の装備やディメンション 無駄なものは一つも無い。

クルマでもバイクでも機能に特化したものは機能美からくるカッコ良さ。


一般市販車でもかつては保安部品を外し タイヤを変えれば そのままレースに出られたものです。

それもノーマルクラスでは結構良いペースで気持ち良く走れました。

時代は変わりました、格好はオフのカタチをしていながら 当時と同じようには走れないのが現状です。

景色を見ながらの林道ツーリングなら現行でも走れますが 攻め込むとなればちょっと厳しい。

“羊の皮をかぶった子羊”状態です。


バイクの性能を比較するのに簡単な目安となるのがパワーウェイトレシオです。

目ぼしい車種をピックアップして比較して見ました。

 メーカー 車種 年式  出力 PS / 装備重量 kg  パワーウェイトレシオ kg/PS
 H XLR250R (1995)  28/125  4.46 
 H XR250R ME06 (1995)  30/116  3.87 
 H XR250 MD30 (2007)  28/133  4.75 
 H XR250R ME08 (2004)  30/112  3.73 
 H CRF250L (2022)  24/141  5.88 
 K KLX250 (2016)  24/136  5.67 
 Y TT-R250R (2007)  20/129  6.45 
 Y WR250 (2017)  31/134  4.32 
 Y セロー250 (旧)  18/130  7.22 
 Y セロー250 (新)   20/133  6.65 
 H XR400M (2008)  30/145  4.83 
 S DR−Z400SM  40/145  3.62 
 H XR400R (2004)  40/121  3.03 
※こう見ればXR400Rの数値は群を抜いている優秀性を物語っている。

私の経験上 実際使えるトレールの基準となる目安

出力:28〜30PS 車重(装備重量):120kg パワーウェイトレシオ:4.00〜4.28kg/PS

アンダーラインは4.5未満ぐらいかと思います。

この数値よりも大きな車種は実質オフロードには不向きと考えます。

ただし パワーウェイトレシオが良いといっても 実質の車重が130kg台以上のバイクは

軽い車重のバイクと同じと言うわけにはいきませんし 長い時間軽快には走れません。

実質ギャップだらけの下りやジャンプ タイトターン ウォッシュボードでそのデメリットが現れます。

「位置のエネルギー」はパワーで補えない部分で “軽さ”は武器です。

またサスのセッティングは“乗り心地”重視で 走破性には劣っています。

レーサーだけはその二つが両立していますが 未だ一般市販車はその域に遠く及ばないのが現状です。

スピードが上がれば危険度も増します。

そして致命的なのが1996年から排ガス対策に対応する為の装置、クルマ業界は昭和五十年代に規制され

十年間は今のバイクと同じように重くて走らない・価格が高い時代がありました。

本来はパワーを上げる為の装置インジェクションを排ガスの規制に使わざるを得なくなったのです。

唯一のメリットは燃費が良い事 今のユーザーにはドンピシャ。

こうやって見れば 一昔前のバイクに現行機種が悲しいかな遠く及んでない事が一目瞭然ですし 現実なのです。

特にサスペンション(ノーマルレベル)は1980年代のモトクロッサーにも遠く及びません。

オフの衣を身に纏ったオンロード車と化しています。

まさか“天下のホンダ”が他国産のバイクを輸入してラベルを張替え販売する時代が来るなんて・・・

宗一郎も草葉の陰で泣いているだろう。

最近のユーザーを見るとそんな車輌で何の不満も感じず 充分満足しているようです。

オフロードを本来の走りで楽しめるバイクはXLR250R(MD22)・XR250R(ME06・08)迄でしょう。

また今後十年 ダートを本格的に走れる面白いバイクは出てこないでしょう。

重く パワーが無い 値段が高い ものしか出てこないでしょう。(十年以上前から言っています)

これらに気が付かないユーザーが増えるようであれば(すでに多いですが)「オフ車の終わりの始まり」です。(もう始まっています)


以前何処かで書きましたが 当時のCR125RとXR250R(ME06)の”通勤特急”仕様が

同等の性能があります。ダート上で俗に言う「0→400m」を何度比較してもスタートからまったく同じ結果でした。

CR125Rは42PS 車重88kg パワーウェイトレシオ2.09

対しXR250R(ME06)は35PS 車重116kg パワーウェイトレシオ3.31

参考:RVF250R Mk.U 36PS 車重98kg パワーウェイトレシオ2.72
軽量化を念頭に製作100kgを切る事が出来ました。Mk.Tは101kg

数値では遠く及ばない現状ですが↑上記車種とは比較になりませんが なぜ同じ加速性能を持つのか。

それはXRのパワー特性とフラットトルクがなせる業です。

リアタイヤが路面をカッポジリながらもトラクションするからなのです。


私が言いたいのは実際使えるマシンは悲しいかな最新機種ではなく チョッと前のモデルなのです。

機能美を極めたマシンはオーラを放つ。

新型より旧型の方が性能が良い、年々性能が落ちてゆく現実、これらを見抜く感性を持って欲しい。

新型をイジっても旧型のチューニングマシンには勝てない事、悟って欲しい。

また人より速く走りたい 優れたマシンに乗ってみたい と言う好奇心や向上心をもって欲しいと

切に望むものであります。

------------ Bonus -----------

今や言ってもしょうがないですがCRF250Fを見てみよう。

=公表カタログ数値より=
 メーカー 車種 年式  出力 PS / 装備重量 kg  パワーウェイトレシオ kg/PS
 H CRF250F(2024)  22.2 / 120  5.41

USで現車のパワーチェック記事があった。


リアで20.1hp(20.38PS)と言う事はエンジン出力換算でダイノジェットの場合 29.11PS

実測値からパワーウェイトレシオは4.122

ただこのUS仕様の排気口は

小指ほどの径

メーカー数値と実測の違いはPGM-FI(成長型プログラム)が成せる技です。

このレシオは↑上記機種の中でもかなり優秀です。

ヴァイタル仕様はノーマルでも少なくとも2PS+αは出ています、

そして重量も最低3kg+αは軽い筈です。

仮想値ですが 31/117 として レシオ:3.77

250クラスでトップクラス:ME08に並ぶ数値です。

強みはレーサー同様の車体レイアウト かなり軽快に振り回せます。

今後はエンジンに手を入れ(300化)レシオ:3を切るマシンを目指します。


=END=