兼ねてよりXRの運動性能を最大限引き出せるようライディングポジションを改善出来るボルトオンキットが

1996年 A−LOOP社から発売された。

メインはXR400R用だが 発売当時輸入すると9万ほどになる高価なキットでした。

1996年XR400R発売間もなく US誌「Motocross Action」に紹介されていた、

ただただカッコイイの一言 もうこれはXRでは無いじゃん。

タンクの低重心化 シートのスリム&フラットポジション化の改善が非常に魅力的だ。

しかし金額が・・・ 3ヶ月ほど悩んだ末 購入を決断。

市販品だけに何処かのレース場で同じ仕様をちょくちょく見るのは忍びない、しかし この金額

ならそうそう見かける事は無いだろうと言う逆転の発想からであった。特に4サイクルモトクロスの

シリーズ戦が始まり そのレースに参戦していたのが大きな理由だった。周りはほとんど4stモトクロッサー

の中で XRを極めれば“レーサーより速いXR”が出来る事を証明したかったのです。

それが我がRVS250・400R INTERCEPTER TYPE-Rのカタチになったのです。



しかし USモノだけに壊れた時の保守が心配だ、コケた時に真っ先に割れたりするのがシュラウドだ。

コレはアシャルビスのCR用が入っていたので最悪国内の純正パーツで治せる。

シートはベースさえ生きていれば作り変え修正が出来る、その他は壊れる心配は無さそうだ。


その当時でもキットをただ付けるのではなく ひとつひとつのパーツをみるとそのまま付ける気には

なれなかった。使っているうちに不具合が出ないよう純正レベルにまでパーツを入替え 

取り付け位置や形状の改善を大幅に実施。特にシート形状は昔から今に至るまで変わらず

ハムスターのケツのようなブコツさだ、コレには真っ先に改善が必要だ。

今更ながらこのA-LOOPの良さを体感してもらう為に当店試乗車“シュラウド佐西号”に装着する事にした。

これは随分前から考えていた事ですが 今回たまたま手に入れる事が出来たので。

しかし 当店ではもうA-LOOPキットは販売する予定は無い、今は簡単に個人輸入が出来るので自力で

購入して欲しい。これから永くXRを楽しんでいく為にも「他のXRと差別化出来る」お勧めのアイテムです。


MD30だけでなくME08は勿論XR400RにA-LOOPキットを付けるに当たり ただ付けるのではなく

ウチの手法をココで出来るだけ詳細に紹介してみようと思います。

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以前 雑誌の取材に協力していた折 File本にショップが作ったA-LOOP付きのXR400Rが多く載っていた。

勿論その中のウチのRVS400Rも載っていた、ある時電話がかかってきて「あの本に載っているヴァイタルの

RVSは他のA-LOOP付きのXR400Rと どうしてあんなに雰囲気が違うのか」と言う質問を受けた。

私はこのユーザーさん なかなか良い感性をしていると感心した。“探究心と好奇心”コレを持ったユーザーさん

が主力のウチのお客さんだけに口に出して聞かれたのは初めてだった。ノーマルXRにA-LOOPを装着した

ものが多く その雰囲気はズングリしていてレーサー雰囲気には程遠い。事細かくそのことなりの違いを

説明すると納得してくれました。その手法を紹介してみよう。



CR系のシュラウドを使うので
赤○の部分をカットすれば取り付け可能


A-LOOPは逆輸入車の“XR”用のキットですので上映像↑のパーツを新たに用意しなければならない。


キットの付属ボルトは頭10mm×6が入っているが出っ張りを気にしたいので頭が丸いモノに入替える。
また上映像↑のステーの四隅がタンクを傷付けそうなので角を丸く加工した。


タンクステーもプレスで切り落とされいる為 バリを落とし研磨仕上げをした。



付属のT字パイプも長く内径が細い キャブ周りのスペースが無いので短く太いモノに変更した。


ノーマルとA-LOOPのタンクを取り付けた状態で比較してみよう。


白い線がフレームの背骨のライン 容量比較ノーマルタンク:9.5g A-LOOP:7.5g
その7.5gタンクの構造も重心を極力下げる為かなり下方に下げられたつくりとなっている。



コックの取り付けボルトも頭8mm×6に変更 


タンクステーも市販品を改良し 作り直そうと思ったが良い事を思いついた。

ノーマルMD30にボルトオン出来ないものだろうか。早速ジグ取りをし作ってみた。
折角 タンク本体で低重心化出来るので極力取り付け位置を低く出来るよう位置決めをする。

厚手のジュラ板を切り出しノーマルタンクラバーにクランプ出来るようになったが大変な作業だ。
量産なんてとんでもない話だ、フライス屋に相談してみよう。

タンクをフレームに仮付けしてみた。

A-LOOPタンクはフレームを跨ぎ大きく両サイドに下がっている為 左右にコックがある。
右のコックがクラッチワイヤーに干渉する為コックを180度反転 出口を反対に付け直す。

これでタンク周りは一通りOK

------------ On the other hand -----------

次は冒頭にも触れましたシートです、付属のシートは昔からブコツで太い。

そのまま付けるとエアクリーナーBOXよりも幅があるのでニーグリップし辛い、全般的に修正が必要だ。


↑:ノーマルシート


↑:未修正A-LOOPシート


↑:スリム修正したシート


↑:シート修正前                           ↑:シート修正後



上:未修正シート 下:スリム加工シート


奥:未修正シート 手前:スリム加工シート


右:未修正シート 左:スリム加工シート

タンク配管



例の薄型Ф12クランプとL型ヒューエルホースを使い無理が無いように配管
左右コックは右を常にリザーブにしておき 左をオンで通常使う。


ひとまずは仮組みしてみた、今後は各部熱対策だ。

その後デカール作り RVS‐RにA-LOOPを使い始めた頃より付属のタンクデカールを使った事が無い。

と言うのもいずれ各地でA-LOOPを付けている車両を見る時が来るだろう その時に見た目が同じ仕様で

ある事が嫌だからだ。RVS250・400Rもオリジナル感を出す為に全部手切りのワンオフで作ったものです。

------------ and -----------

久々の佐西号 ユーザーインプレのご紹介

こんばんは、本日の午後にお邪魔しました大阪府の○○と申します。

突然お邪魔したにもかかわらず、丁寧にご説明していただき大変勉強になりました。

ありがとうございました。

『シュラウド佐西号』、びっくりしました。

過去に数台のバイクを乗り継いできましたが、ド・ノーマル車よりも断然乗り易いなんて経験は初めてでしたし、

とても同じ(基が?)MD30とは思えません。

ノーマルとは比較にならないパワーがあるのに非常に滑らかなエンジン、ちゃんとシフトできるクラッチ&ミッション、

バキッと止まる(?)ブレーキ、落ち着いたサスペンション・・・ヴァイタルスピリットさんでは当たり前なのかもしれませんが、

『是非、欲しい!』と思いました(実際は予算に制約があるんですが。)。

『私の中の通常・常識』ではチューニング=取り扱いに気を使うものでしたので、正に目からウロコ、です。

さて本題、今回お願いしたい組み込み内容です。

※申し訳ありませんが、本日伺ったお見積り以上であればご一報いただきたく(予算の都合です。)。

〜 中略 〜

次回お邪魔した際、自分のMD30がどんなバイクへと変貌しているのか非常に楽しみです。

ところで、予算が無いとか言っておきながら大変恐縮なのですが、ヴァイタルオリジナルヘッダースと

試作Powerd Muffler Mk.V、非常に興味があります・・・。

------------ next -----------

MD30とA-LOOPのシュラウドを比べてみた


↑:MD30                             ↑:A-LOOP


↑:MD30                             ↑:A-LOOP

A-LOOPはいかにもエンジンに向けてエアを書き込んでいるかは一目瞭然



------------ At a later date -----------

A-LOOPに付けたMD30用タンクブラケットの厚みがC.D.I配線と干渉しているので限定量産型と入替えた。

そしてエンジンヘッドにタンクが近くなるので念の為 市販の断熱材をタンク裏に張っておいた。

燃料が温まると狙った出力が出難くなるからだ。

A-LOOPのタンクは純正ポリタンクの材質とは異なりおそらくプラスティック系の材質のようだ。

純正と異なる特徴はタンクが膨張しないのでシュラウド取り付け穴がずれない、ガソリンが

樹脂を通り抜けないようでステッカーを貼っても剥がれ難い。破損時はプラリペアで補修可能。

あとはシュラウドのデカールを残すのみ

------------ and -----------

限定数ではありますがタンクブラケットに合わせ左右のシュラウドステーも数だけ製作致しました。




IMS用シュラウドボルト同様ジュラ材削り出しのカラー&ボルトもセット致しました。


To be continued.