ユーザーさんからちょくちょく電話での問い合わせで「PJ36ありませんか?」もしくは「PJ36はもう無いんですよね」

と 問い合わせがある。勿論すでに生廃で無くなってしまいましたが「まだPJ34はありますよ」と言うと

それには興味を示さないユーザーさんが多い、「それならいいです」と言わんばかりに。

私的には「ん?」と首を傾げる。

ほかにいいキャブがあるのだろうか と思うぐらい。

雰囲気的に「自分はPJ36を捜していてPJ34には興味が無い 違う方法で捜してみよう」的な。

いやいやもうとっくに生廃なのだからある訳が無いのに・・・

中古品があってもオーバーホールパーツやらセッティングパーツやら車体にボルトオンする為の

アタッチメント加工やら 専用スロットルまわりのパーツやら手間とお金が掛かる。

それにPJ34はPJ36や他の種類のキャブよりかなり性能的に落ちると思っている節がある。

確かにPJキャブが始まったのはPJ34から始まりPJ36(真円ベンチュリー)に移行、

そして改良型のPJ36OF:オーバルフラット(オーバルベンチュリー&フロート内の圧力抜き増設)が

出来た経緯はある。

当初PJ34は仕上げの精度が悪く「スロットルの引っ掛かり」が出るものは出た。

しかし現在のPJ34は最終PJ36OFと同様のかなり精度を上げたつくりであり「引っ掛かり」はまず出ない。

性能は確かにPJ36に分があるがトータルで言えば1割も満たない差だと私は認識している。

勿論 レスポンス・加速性能で言えばPWKやFCRの比ではない、それらが良いのであれば使っている。

PJ36OFが10とすればPJ34は9強、FCRは8 PWKは7 ノーマルVMが5ぐらいかな。

負圧キャブはそれ以下です。

おそらくベンチュリー径が小さくなるのがイヤな主な原因だと思うがよくよく考えて欲しい。

強制開閉VMが付いたMD30より2PS大きいME08のノーマルベンチュリーがФ26 

それにPJキャブはVMに比べるとФ2mmアップに吸入効率が相当する。

これらを知っていれば・・・

結局 PJ36を捜しあぐねて諦めるか 他のキャブを選ぶユーザーが多いと聞く。

モノを正しく認識しておかないと自分の思う道を踏み外してしまう。

主力の3種類のキャブを購入し比較試すユーザーはかなり少ない(というかまず居ないと思う)、

多くは雑誌やネットからの情報で選び 装着すればそれなりにノーマルよりかは良くなるだろう。

そしてその選んだキャブが一番であって欲しいかのごとく ネットへの書き込み。

もとを正せばキャブの構造を把握していればPJが良いか○○が良いかは論争には当たらない。

掲示板などの書き込みなどを見ていると 例えばサッカーをやっているのにルールを知らずにやっているような論争・・・

話にならない。

“知らない事”は恐ろしい事 “知らない事”は恥ずかしい事という時代は過ぎ 

“知らない事”は無敵な時代になっている。

“恥”が何かと言う事をもう一度考え直すいい機会ではないだろうか。

でも私が二輪を見る限りネットは誤った情報や嘘のオンパレード イチユーザーが育つわけも無く

雑誌もダメ、自分で判断するにも基礎を得る場所が無いのが可哀想だ。


でもPJ34も残り僅かなので誰にでもとは思わない やる気のあるユーザーさんにだけ提供したいのが本音です。

------------ 蛇足 -----------

=嘘のような本当の話=

昔 某モト○ンテという雑誌の依頼でキャブ特集の原稿を書いた事がある(雑誌冒頭5ページ特集だったかな)。

ウチで用意したキャブはCV、VM、PWK、FCR そしてPJキャブ・・・

それぞれのキャブレターの特徴 メリット&デメリットを解説。

そして加速&レスポンス性能面で順位をつけて原稿を渡した。

CV ⇒ VM ⇒ PWK ≒ FCR ⇒ PJ

一ヵ月後 雑誌が発売され手元に来て驚いた。

雑誌には

CV ⇒ VM ⇒ PWK ⇒ PJ ⇒ FCR

に変わっていたのだ。

即 どういう事なのかと編集部に問い合わせると

「こちらの方がウケが良いから」と言う回答であった。

「はぁ〜?!」

次号で訂正して欲しいと言うと「訂正することは無い」と言う事だったので

雑誌の中でも最後の砦と思った某モト○ンテとも手を切り 以降雑誌には一切協力はしないと決めたのです。

こう言うのが雑誌業界の現実なのです。

あちこちのサイトを聞きかじるより

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