何故XR400Rに惚れ込んだかと言うと車体のコンセプトも有りますが

良く考えられたエンジンの造りも大きな要素でした。

前述にもXR400Rのエンジン構成はXRシリーズの中でも特異なものです。

基本設計ベースはME06系で高出力に耐え得る必要な部分のみが専用設計となっています。

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詳細に解説してみよう。


エンジンの大きさはやはり600と250の中間的なサイズですが

潤滑するオイル量は600と同じ容量を誇ります。(全容量:2.2g)

これによりオイルグレードの劣化を延命出来ます。

ドライサンプ採用は大幅な潤滑安定とオイル冷却に寄与するシステムでチューニングする上でも

安全マージンが格段に上がります。

ブン回しても壊れないエンジンの必須アイテムです。


このスーパーXRモデルに先駆けて400はシリンダー後部にカムチェーンテンショナーを配しました。

これにより整備性がかなり良くなりました。

ただテンショナーがボケる事象が多くはありませんが出てきています。 ⇒ 対策パーツ有り

カムチェーン(ボルグワーナー製)も細いタイプに統一され 同時にカムスプロケットも薄く軽量化されています。


クラッチディスク&プレートをオイルをこぼさずに通常工具のみで交換出来るよう

クラッチカバーを2分割化し 本来の整備性が向上しました。


↑上記の造りに準じてクラッチセンター&プレッシャープレートが従来の250と逆になりました。

クラッチディスク・プレートは250と同サイズですが1枚づつ多く容量をアップしています。

一般市販車と異なりジャダースプリングは入らず クラッチハウジングの表側を1枚位相差させて

対策しています。また250の4本スプリングと異なり 5本のスプリングで押さえられています。


ヘッドを締め付けるスタッドボルトは上からの差込ボルトではなく より強度がある植込み式が

採用されているのは400だけです。強度もさることながら度重なるオーバーホールでも

ネジボケがありません。


ロッカーアーム自体が250よりも小さく軽量でアジャストボルト&ナットが250同様の

軽量タイプが採用されています。バルブも旧250と同様の首径で細く軽量化に貢献しています。

バルブスプリング&リテーナーは旧250に近いですが専用設計です。

サブロッカーアームは旧250を流用。


RFVCエンジン特有のプラグの後ろに左右空気が流れるようエアポートがあり ヘッドの冷却を意識した造りです。
(この構造は型にコストが掛かりますが ヘッドの肉厚を均一に出来 熱の偏りが無いメリットが有ります)


400特有の配慮された造りのひとつ カムシャフトがシングルの中でも長い為

“よじれ防止”に□赤部分にメタルホルダーが追加されています。(コレは400のみです)


250のヘッドカバー6oボルトは13本ですが400は12本と簡素化

そのうち2本がシリンダーまで貫通され 250で使われている6oロングスタッドボルト4本分を

削除出来ている構造です。タペットキャップは250と共通。


キックラインの構成は変わりませんが 整備性向上の為リターンスプリングを止める方式が400特有になっています。

XR400Rのエンジンはホンダの最高傑作だと思います。

SOHCはトルクは太いが回らない、DOHCは良く回るが低中速のトルクが薄い。

RFVCエンジンはOHCの低速からの太いトルクはそのままに

DOHC並みに?いやそれ以上に回るエンジンです。

まさに良いとこ取りされた“宝石”のようなエンジンです。

以上のように細かく軽量化や効率を極限にまで配慮された造りという事は

充分伝わったと思います。


またエンジン搭載方式がスィングアーム勘合式になっていて キャブ下のスペース確保や

大幅な軽量化に寄与した造りです。


以上


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