バイク暦が永いユーザーさんには好きなモデルがあると思います。

それは人や時期によって機種は違ってくるのは当然です。

私の場合は丁度二十歳の時 ‘81のXR(輸出向け)が発表されて

それまではリアサスが2本構造が通例で 1本サスに変わった丁度節目でもありました。

You Tube 1981 US XR200・250・500Rプロモーションビデオ 

https://www.youtube.com/watch?v=yj_RwrTmcWI




この時からサスストロークが二十センチ台に入りました。

フェンダーとタイヤの間に頭が入るなんてモトクロッサー以外あり得ない

それだけサスストロークが延びたという証だったのです。

またがって足が付き難い事が逆に嬉しい事でした。

デザインも一新され それはもう衝撃的な変貌でした。

当時軽四の新車が買えるような金額でしたが“若さ”の勢いで購入。

しかし250は高過ぎて断念 初体験の排気量200でした。

それまでは国内トレールとモトクロッサー(どれも型落ち)を所有し 使用用途に使い分けていましたが

このXRが来て以来 その2台を処分し XRオンリーの生活が始まったのです。

国内トレールと逆輸入車の差は
 
 
これほどの差がありました
(現在もそうです)


当時はオフロード車は2ストが主流で4ストはそれ比べ性能的に劣るというのが通例の認識でした。

重い・パワーが無いと言うので・・・

しかしXRの出現でその考えは一変されたのでした。

トレールとモトクロッサーを掛け合わせたようなバイク

実際走りはモトクロッサーのように派手ではありませんが

コース1周のタイムは決して劣るものでは無かったのでした。

当時国際B級125ccクラスにXR200Rで参戦し2位に入った実績もありました。

XR乗りには“夢”が持てる話でした。

そんなポテンシャルでありながらロングツーリングや普段の足として普通に使えるバイクだったのです。

それ故XR1台あればすべての用途に使えた、

コレがXR最大の強みなのです。


そして夢中になったスーパークロス

私の時代はDavid Bailey・Johnny O'Maraが全盛の時代 後にRick Johnson





↑:David Bailey



↑:Johnny O'Mara

オフロードの醍醐味 ジャンプとギャップ 未整地をいかに速く走るか

全日本モトクロスを始めて目の前で見た時は衝撃的でした。

ジャンプの高さ・飛距離、大きくうねるギャップの頂点をものすごいスピードで駆け抜けるテクニックは

一長一短に真似できるものではなく まさに“神業”

私はスプリントにドンドン嵌って行くのでした。


そして最近当時の動画がいつでも見れるようになって‘84〜86のUSモトクロスを見て

やっぱりこの時代が面白かったと思うのです。

125のJohnny O'Mara 250のRick Johnson 500のDavid Bailey

特に86のデナシオン(国別対抗MX)

You Tube https://www.youtube.com/watch?v=nfqhKtBg6SA

125cc:♯3Johnny O'Mara 250cc:♯2Rick Johnson 500cc:♯1David Bailey

500・125混走クラスで125で参戦のJohnny O'Mara

ヨーロッパの並みいるワークス500を追い上げ2位に入ったレースは圧巻。
500&125混走レース 13分頃〜

まさに「下克上」 このかっこよさを見せ付けたレースだった。

この偉業は世界共通で伝説のレースとして語り継がれている。


社会人になり私の漠然とした夢は「モトクロッサーにXRエンジン搭載されたようなマシン」

私に限らず4スト好きなら誰しもが思っていたはずでしょう。

そんなチャンスがこのヴァイタル スピリットになり実現する事となった。

XRベースでいくら良いサスやショックを移植してもモトクロッサーには遠く及ばない。

そのモトクロッサーベースでも125の小振りな車体でないと意味が無い。

試行錯誤の末 完成。



開発兼テストとして自分で乗ってきた。

走り込めば改善事項が見えてくる そして足らないところも見えてくる、

それを日々繰り返す事で完成の域に達してゆく。

完成した頃には次のビジョンが生まれている。

マシン開発はMkU MkV と引き継がれたところでレギュレーションが変更になり

モトクロッサーフレームベースの車両は出られなくなった。

RVF250Rの終焉となった。


XRフレームベースのRVS250Rへと移行する事となりました。

最終当初の目的であったスプリントレースに集中する事になり

4サイクルだけの「サウンド オブ フォー」というレースが誕生した。

XRフレームベースのRVS300R RVS400Rが4ストモトクロッサー参加の中

各クラスでどれだけの足跡が残せるか・・・



RVS250改 300R INTERCEPTER TYPE-R


↓:XR400R“改”

RVS400R INTERCEPTER TYPE-R

幸いにも両クラス共に何度か優勝を飾る事が出来た。

国内外4サイクルモトクロッサー相手に勝てるポテンシャルがある事を証明出来ました。
You Tube DVDダイジェスト版 https://www.youtube.com/watch?v=KVoWNsMMVCg
※興味がある方はRVSレースDVDあります。


そして現在 国内トレールは「羊の皮を被った子羊」と成り下がっている中

思いもよらぬ心そそられるベースが出て来た。


元のコンセプトやレイアウトがRVF−RのようなマシンがCRF250Fだった。

それに加えノーマルで”通勤快足”を組んだようなレスポンス

従来のXRノーマルとはヒトランク上の性能を持っています。

このベースをよりスプリント特性を特化させるようレイアウトを寄せていこうと思います。


今もDavid Bailey仕様のCRF-Rがあります。


現在フロントフォークに正立Ф41カートリッジフォーク(バイブリッド)に変更済みですが

剛性アップやストロークアップに正立Ф43カートリッジフォーク(バイブリッド)に変更。

リアホイルには18インチから19インチに変更を予定しています。

また小物類の軽量化は随分進んでいますがマフラー変更などでより一層軽量化が見込めます。

スプリントレイアウトに変えたとしてもXRコンセプト同様 オールマイティ−に

使える事には変わりありません。

また初心に戻れ 夢が見れそうなマシンが出てきた事は実に喜ばしい事です。

ただ今は現車が入って来ないのが残念です。


順次このホームページにて報告させて頂きます。

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牛歩状態ですがリアホイル19インチ化が少し進みました。

以前から捜していたレーサーのホイルがなかなか見つからずこの案件は暗礁に乗り上げていましたが

遂にGet出来ました。

レーサーのホイルは重量が軽く剛性が強い 大きな負荷にも耐久性が高いのでうってつけです。

CRF250Fにはリムサイズ1.85がベストなのでコレだけは拘りたい。


仮に現車に合わせてみたところ いろんな部分が干渉して簡単には付きそうに無い。

旋盤加工を駆使してなんとかハブはボルトオン状態になった。

レーサーのリアハブにはスプロケット側にダブルでベアリングが入っているのでそうそうガタは出ない、

またディスタンスカラーは標準でアルミが使われている。

スポークは一般市販車よりワンサイズ太い。

故に軽くて丈夫。

------------ Wait a little time -----------

リムが上がってきた、ホイルセンターを現車に合わせ組み上げる。

パワー的にはシングルビートストッパーでOK

タイヤには信頼のIRC VEを選択



サイズ:100/90‐19


次はフロント

どうせ組むなら少しでも強度や軽さを優先したい。

昔よく使った裏技ですがこのハブを使います。





従来のハブは上映像↑になっています、今回使うハブはその上↑のハブで一目瞭然

左右のスポークの間隔が広いタイプです。

スポーク間が広いと言う事は“たわみ”に強く剛性があります。

------------ Wait a little time -----------


化粧直しやベアリング・オイルシール交換

ディスタンスカラーはアルミに入替え。


フロントホイル組み上げ リム幅:1.60


リアにも実施したがスポークのクロス部分にタイラップで縛る。

共振を防止しスポークの“ゆるみ止め”になる。

金属のツメが使われているタイラップなら外れる事は無い。


ダートを走る時空気圧を低圧に設定するのでリムとタイヤがずれないようビードストッパーは必須。

リムバンドにはニップルのゆるみ止めにもなる「リムバンドテープ」を使用。




こうやってフロントホイル完成


ビードストッパーをつけたホイルにはチューブのバルブ部分にダストラバーを取り付ける事で

チューブとタイヤがずれた時に見えるバルブの角度が変わるので一目瞭然。

リアには「虫抜き」がついたバルブキャップを付けておけば現地での対応も早い。

------------ Now finally -----------

一通り完成 (新旧比較)





フロントフォークにはXR400R(国内限定仕様)を選びました。
Ф41からФ43にサイズアップ 車重が軽いので海外モノと違い国内限定400Rのバネレートが丁度良い(ソフト)。
伸び縮みのダンパーを調整可能。
ノーマルの三つ又はアンダーが鍛造 トップが鋳造性です。
鍛造は鋳造に比べると剛性 強度がある。
本来ならばよじれ止めのフォークスタビライザーを装備するところですが

トップブリッヂをビレットタイプを採用することで強化する。
アクスルシャフトもФ15からФ17にサイズアップ。


19インチ化の意味はすでに言うまでも無いでしょう。
このリアホイルは非常に軽いのとタイヤサイズと相まって路面の追従性が非常に軽快になります。

本来の目的装備は無事達成したので あとは細かいまとめです。

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1台のマシンを作り上げるのに拘りたい部分がある。



上映像↑は HONDA RC ワークスマシンです。

このワークスに共通して装備されていたディスクカバー、

当時でも一般的にはあまり目にする事が無かった

コレがカッコイイのだ。



このディスクカバーは当時モノ

今改めて捜してみてもこのようなカタチや色のモノは無かった。

しかし流石US ありました。

文化の違いというか 何でもあるねぇ〜

装着が楽しみだ。



To be continued.