今はもう無き激レアパーツ “幻の310cckit”

300〜310ccの製作工程


キットに付属しているマニュアル

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まずシリンダーの製作
 ノーマルシリンダーの断面

 スリーブを抜き取ります

 310用のスリーブに合わせシリンダー内壁をボーリング
スタッドの兼ね合いで上部の段付き溝加工も実施

 ↑上図の段付き溝に合わせスリーブを切削

 加工済みのシリンダーにスリーブを圧入

 300・310のピストンに合わせボーリング

 スリーブの沈み込み及び圧漏れ防止の余地を残し上部を面研

 クランクウェブの逃げを切削加工

以上の工程を経て310cc用のシリンダーは完成


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しかしコレだけでは済みません。

310のスリーブはワンサイズ外径が大きく クランクケースに入りません。


そのスリーブ外径に合わせクランクケース側もボーリング加工を施します。

切削時に金属片が出ますのでケース内のパーツおよびベアリング類をすべて抜き取っておきます。

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当店の最大のアイテム

普通にキットを組むと ノーマルピストン周りより重量が増す為ノーマルクランクとのバランスが崩れ

すごい振動が出ます。

発想の転換で「メーカーが310を設計したなら」という原点に戻り

310ピストンがノーマルのようにクランクとのバランスが同じになるよう

軽量を兼ねた重心移動が可能になりました。

無論センター出しも必須

詳しくお見せ出来ないのが残念です。

------------ next -----------

クランクケースを新しいスリーブ用に加工する為 ベアリングすべてを外します。

ケースボーリング加工を終え切削粉を掃除します。

排気量増大に伴い内圧も増加します、回転の妨げになったりオイル上がりの症状が出たりするので

ブリーザー面積を拡大加工を施します。



新しいベアリングを入替えますが
○赤ベアリング ⇒ ゴソウダンパーツ 
○黄ベアリング ⇒ キック仕様はベアリングがザラつくので交換をお勧め
L側ケースも同様 ベアリングを挿入


このRFVCエンジンはドライブシャフトシールが内嵌めなので 必ずケースを開けた際は交換をお勧め。


クランクとバランサーの合いマークをピッタリ合わせる。


ミッション・フォーク・ドラム・シフターを組み込み


新しい強化カムチェーン 進角型パルサーを組み込み
シフトカム キックアイドルギアもセット


クラッチも組み込み(FCCクラッチディスク)


オイルフィルター交換の後 クラッチカバー側完成


クランクのセンター コンロッドのセンターが出ている事を確認

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ヘッドの準備をしておきます。

このヘッドはエキゾーストバルブが大きいビッグバルブ仕様です。


カーボン落しをはじめ バルブすり合わせ ヘッドポーティング


310cc 81mmピストン コンプレッション&サイドスリット加工


310ccに合わせベースパッキンを製作


シリンダーにリングを組んだピストンを仮組みしておきます。


ピストン挿入&シリンダー組み付け


シリンダー組み付け後 本当の上死点を測定


310cc用のヘッドガスケット製作


ヘッド組みつけ後 対策の6o軽量スチールボルトを組み付け


ヘッドまで組み付け完了

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ロッカーアームのフェイス面の荒れを確認し ME06系の弱点EXサブロッカーの

ウェーブワッシャのヘタりも確認。



コレがヴァイタルオリジナル“ハードカムシャフト”

クロモリ材からの削り出しで作ったハイカムです。

フェイス面をチェックしておきます。


ノーマルカムスプロケット:103.4g        軽量カムスプロケット:76.4g

摺動部分は軽いに越した事が無いので軽量タイプを組み込みます。


組み付ける前にヘッド各部をチェックします。



ピストンの真の上死点を出した上で カムスプロケット両端の合いマークを面に合わせます。

取り付けボルトについても新型を使います。


カム取り付け完了


バルタイが合っているか確認します。


ヘッドカバーを取り付けにあたり カムに組み付けグリスを塗付します。


旧ヘッドカバーボルトは5mmヘキサフランジボルトを8mmフランジボルトに変更


タペットクリアランス調整


オイルライン&セルモーター取り付け


タペットキャップ取り付け


エンジン完成

あとは車体に乗せ換えると同時に左側セル&フライホイル周りの移植作業が残っています。

あと一息です。


To be continued.


順次あまり間をおかずにアップしていきます。