XR250(MD30)のオーバーホール状況のお知らせ

=XR250(MD30)・XR250R(ME08)のオーバーホール=


XR250R(ME08)は最終2004年、XR250(MD30)は2007年でモデル終了となりました。

MD30でもう16年経ちます。

ホンダも保守パーツの保有義務期間はとっくに過ぎていて生廃の雨嵐です。

=カムシャフト=

 いずれ個体差はありますが必ず出てくるカムの巣、

当店の経験上メーカー推奨の10W−40オイルを使っている場合

早くて7.000km 遅くても1万超えたものの多くが この巣が出てきます。

昔から良くある話でO/H依頼のユーザーさんにカムの巣が心配だと言った時に

「いやいや 私はレースやオフロードなどの激しい使い方をしていないので・・・」
(私のは大丈夫的な)

と言うユーザーさんが本当に多いです。

レースやオフロードの使っている車両は論外でもっと早いです。

そんなレベルの話をしている訳では無く 極一般ユーザーの使い方での話です。

そうなった時にすでに純正カムシャフトや流用可能なものはありません。

しかし当店持込のオーバーホールの場合のみ 使えるカムシャフトを確保出来ました。

コンペカムレベルのプロフィールです。

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MD30系のオーバーホール告知から いよいよ最初の1台に着手します。

=バラした結果=

↑上記のMD30のカムを確認しました。


やはりカム山4個中 1箇所に“巣”が・・・

もう1箇所は“巣”が出かけ。

しかもこのMD30 3型の走行距離は

1万キロにも満たない極上車

ね! 言ったとおりでしょ

カム交換に伴いロッカーアームも入替えますが

ロッカーアームの支持部分に凹みが必ず付いています。

ロッカーアームとシャフトはセットで変えるのが通例です。
(スプロケットとチェーンを同時に変えるのと同じ)

しかしMD30(ME08)のロッカーアームシャフトはすでに生廃

さぁ どうする?

ご心配無く 代替品があります。


=ピストン=

MD30の場合 オーバーサイズの設定はありませんので 通常は新品のシリンダー、

ピストンに入れ替えますがコレもすでにシリンダーは生廃です。

昔から2万キロ以上のオーバーホールの作業でピストン&リングのみ交換で

オーバーホールというショップを聞きますが ソコは止めた方がいいでしょう。

よくあるME08のオーバーサイズピストンを使ってO/Hするのが定番でしたが

コレも生廃になりました。

外品のボアアップピストンがありますが(T・・・・・・・)ほとんどが鍛造製でオイル消費やライフが短く

過去多くのエンジントラブルの原因になった事から 当店では使いません。

また最近250ccベースでMD30と同じ圧縮のピストンと(9.3:1)

ME08と同じ圧縮(10.2:1)のオーバーサイズピストンを

確保する事が出来ました。(勿論270ccもOKです)


しかし ノーマルカムがダメで代替コンペカムに入替えた場合と 圧縮がノーマルよりも高くなる場合

ノーマルキャブではセッティングが出ない場合があります。
(ノーマルキャブはニードルが固定構造だからです)

その場合キャブレター交換が前提になります。

MD30がかったるく、燃費が悪い原因の半分はノーマルキャブにある事から 

このキャブは外しPJキャブに入れ替えます。

アクセルレスポンスや加速が見違えるほど改善され 本来の“XR”に相応しい走りが体感出来ます。


MD30オーナーはこの事をご理解ください。

ホンダ直営店HONDA DreamにXRのオーバーホールを聞いてみて欲しい。

おそらく「パーツが無いので出来ません」という答えが返ってくるでしょう。

通常オーバーホールはピストンリングを変えるだけでなく

・ピストン(オーバーサイズ)&ボーリング ・バルブすり合わせ ・カムチェーン&スプロケット

・カムがダメな場合はカム交換&ロッカーアーム・シャフト ・クラッチは個人差アリ

最低これ等は行うのが普通です。

O/Hが出来ない、乗り換えたらと言うショップは止めといた方が良いでしょう。

少なくともXRを気に入っているので永く乗りたいというユーザーさんには

お力になれると思います。

※当店のパーツのストックは車輌持ち込みのみに使いますので

※パーツのみの販売は致しません。


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