Maintenance and general maintenance
=XRを末永く乗っていく為のメンテナンス=
このコーナーを仮に立ち上げて すでに6年経ってしまいました。
申し訳有りません。
当店の試乗車“シュラウド佐西号”MD30ですが普段はほとんどノーメンテ状態です。
(“シュラウド佐西号”:ニイナナ”通勤特急”+ヴァイタルエキゾーストシステム)
使用頻度が高い割には何の不具合も無く“絶好調!”
オーバーホールをしようと思う事もしばしばですが いかんせん圧縮がまったく落ちていないので今に至ります。
ベースは2003年MD30、もう19年経ったのですね〜。
それまでプラスティックモノの劣化(メーターパネル、エアクリーナーBOX、ハイスロカバー、テールランプ、
ウィンカー&セルスイッチなど) 表面がカスカスになってきていて入替えました。
普段使っていても常に綺麗にしておきたい、見た目が汚いと愛着も薄れてゆくものです。
しかし最近リアブレーキの効きが甘くなりチェックしたところエア噛みが判明。
リザーブタンクも経年劣化でプラスティックも朽ちてきていた。
そこで“シュラウド佐西号”をメンテがてら 要注意事項ややり方、ウンチクを踏まえ 各ブロックに分けて
解説していく事にしました。より良きバイクライフ 永く付き合うパートナーとして愛情込めて接するよう
やって行きたいと思います。
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=ブレーキ周り=
バイクのブレーキフルードはDOT4で基本的には2年毎に交換となっています。
フロントマスターの覗き窓が茶色くなっていませんか?
熱や空気に触れて酸化し劣化するのです。
何もなければ気を使って定期的に入替えるユーザーは少ないようです。
良く「ブレーキフルードが減ったので液を足して欲しい」と言うユーザーが居ます。
マスター内のレベルが下がる多くの原因はブレーキパットが減っている事です。
フルードを足しているものは新品パットを入れるとマスターからフルードが溢れます、コレは普通の事です。
永年使っていますとブレーキのタッチが“フニャフニャ グニャグニャ”してきます。
コレはエア噛み以外であればインナーがヘタって来ているからです。
これはリペアパーツがありますので要交換です。
またフロントブレーキのタッチを上げる為にステンメッシュやケブラーホースがあります。
注)メーカーでも採用がステンメッシュからケブラーホースに移行しています。
コントロール性が飛躍的にアップします。
ディスクプレートですがパットと共に減ってくるとホイルの脱着が難しくなってきます。
すんなり外れないようであれば そろそろ交換を考えておいた方が良いでしょう。
旧マスターシリンダー
↓
新型マスターシリンダー
私の場合 フロントには“バキッ”と効くブレーキシステムを装着していますが
旧タイプは黒いボディのマスターでリペアパーツがいろいろと生廃になってきているので
先を考えて新型に入替えました、ただホースも変えなければいけないので多少コストが掛かりました。
新型はいろいろ多機能で良く考えられています。(遊び調整機能やレバーの長さなど)
またリアはサブタンクのプラスティックが“カスカス”に劣化していましたので入替えようと
タンクを用意していました。
しかし整備性や今後の事を考え一体型のマスターに入替えることにしました。
なおリアキャリパーのピストンもオーバーホールがてら軽量ピストンに入替えました。
※フロントキャリパーは軽量タイプなのですでに入っています。
フロント:19inch ノーマル径 エッヂが多いディスク板 軽量キャリパー
リアビッグローター試作品(フロント同様エッヂが多いディスク板)
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=エアエレメント=
当店でお勧めしているエアエレメントは2種類 ツインエアとK&Nです。
オフロードを走るユーザーさんにはツインエア
ロードオンリーのユーザーさんにはK&N です。
やはりオフの場合はホコリの進入がエンジンの寿命を一気に縮めるので
いわゆる湿式 オイルを含ませホコリをフィルターに付着させます。
ME08のノーマルでも構いませんが 少しでも吸入抵抗が少ない方が
アクセルレスポンスが良いのでツインエアを使ってきました。
昔から2ストや4ストレーサーに使っている 糸を引くようなオイルは厳禁です。
レーサーは構造上 表面積を大きく取れるので良いですが XRはまだ大きい方ですが
一般市販車はスペースの制限があり比較的小さいのです。
その糸を引くようなオイルはスポンジの目を詰めてしまって抵抗が大きくなります。
当店のやり方は まず汚れたフィルターをガソリンで洗い 硬く絞ります。
そして掌に乗る程度の4サイクルオイルを
フィルターにまんべんなく揉んで広げます。
その後 乾いたウェスでフィルターの汁気を吸い取らせます。
指でスポンジを触ると薄くオイルが付着する程度が良いと考えます。
K&Nはロード使用中心のユーザーさんにお勧めしますが
新品の状態ですでに粘度が高いオイルが付着させてあります。
コレが結構な抵抗になるのでガソリンや脱脂材で洗い流します。
エアガンで内側から吹き乾燥させます。
我が“シュラウド佐西号”はメインは試乗車 そしてエアチャージャーを装着していますので
K&Nを使っています。
抵抗面だけを比較すると脱脂したK&Nが抜群に良いです。
------------ Icing on the cake -----------
FTR250Gやロード仕様でエアクリーナーBOXを外し パワーフィルターで走っているのを
良く見ます。エアクリーナーBOXはフィルターを収める役割だけでなく
低中速のトルクを太らせる役割があります。(チャンバー効果)
BOX有りの方が加速も速くグイグイ引っ張ってくれるのです。
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まずはやはりオイル交換周期
メーカー指定の10W−40を使っているユーザーは論外で15W−50を標準のオイルとして
使う事をお勧めします。
未だ10W−40でも「早め早めに変えているから大丈夫」と言うガラパゴスユーザーが居ますが
信じられません。
例えで耐火スーツがあります、耐熱300度と500度の2種類があり 当然500度の方が値が高いです。
常温400度の部屋があり通過しなければなりません どちらが大丈夫かアホでも分かる話です。
上値40は50の仕事はしないのです。
MD30から排気ガス対策で意図的に希薄燃焼で燃焼温度を高くして有害物質を抑えるシステムです。
その希薄燃焼で従来のモデルよりもヘッドの温度が高く カム&ロッカーアームの
油膜が耐たず1万キロ前後でカムが減り巣が出ている事例が多く見受けられます。
今までには(MD30以前のモデル)この距離でこの症状が出るのは有り得ない事です。
規定オイル量を入れ 定期的にオイルレベルをチェックする事をお勧めします。
ご自分のバイクのオイル消費ベースを把握する為です。
※
オイルは多かれ少なかれ減るものと認識しておいてください。
15W−50を使用しているとして 3.000km毎交換
エンジン側フレーム側それぞれのドレンを外しオイルを落とします。
オイルフィルターはオイル交換2回に1回のペースで充分です。
出来ればオイルフィルターは社外品でなく純正をお勧めします。
ユーザーの中にすべてのオイルを出したくてオイルを落とした後
エンジンをクランキングする人が居るようですがコレは止めてください。
オイルポンプにエア噛みする可能性があるからです。
ドレンはしっかりと取り付けてください、エンジン側のパッキンはアルミですので
3回に1回は交換する事をお勧めします。
MD30の場合 ドライサンプですのでメーカー推奨のオイル注入は2回に分けて
フレーム側の注入口から入れるとありますが 当店ではフレームに1L、
エンジンのタペットキャップから700cc入れれば一度で終わります。
※フレームからのオイル注入は1.2L以上入れると溢れます。
当店の推奨オイルはモチュール4Tオフロード15W−60です。
このオイルは通常の使い方では5.000kmまで使えます。
また不測の事態に至っても非常に油膜が強いので 高温時の油膜切れはほとんど見られず
エンジン保護には非常に役に立ちます。
また5.000km耐てばコスト的にも割安です。
XR系のドライサンプ車はフレーム側にストレーナーがあります、
年1度は掃除するよう心掛けてください。
=オイルの劣化は見て判断出来るように=
生きているオイルは新品時の粘度と劣化しているオイル粘度は冷間時良く分かります。
オイルの汚れは勿論の事 臭いも「すっぱい」鼻をつく刺激臭に変わります。
劣化が進むと常温時は新品時に比べ「とろみ」が増してきます。
またエンジン停止後すぐにオイルを落とすとトレイに落ちたオイルは“泡立ち”症状が出ます。
------------ Icing on the cake -----------
未だに「♯60って硬くないですか」という言葉を耳にする。
ショップや用品屋でオイルを買いに行くと「そんな硬いオイル 止めとき」と言われたなど。
勿論シングルのオイルではなくマルチグレードの○W−60を言っているのです。
逆に「シングルグレードの♯60を見たり使った事があるのか」と聞くと100%「無い」と言う。
シングル♯60は常温でも飴油 蜂蜜のようにドロドロで 冬に使うとエンジンが温まるまで
アクセルをもっていないとエンジンが止まってしまうほど抵抗が大きいです。
この事はこのバイク屋を始めて今に至るまでずぅ〜っと変わる事はありません。
(チューニングに対する意識も同様)
個人のユーザーさんは意識を変えて頂くとして バイク屋や用品屋が同様の事を言うとすれば
ソコは止めといた方が良いでしょう、オイルをまったく理解していない証です。
それとお勧めオイルの銘柄がころころ変わるところ。
当店ではレースで長い間使ってきてエンジン内の消耗度を確認して「良し」「悪し」と
判断し より良きものをお勧めしています。
オイルは血液でエンジンの命です また保険のようなものです。
いまだ「グレードが低くても早め早に変えているから大丈夫」と言うユーザーが少なくないのが
残念です。○W−40は○W−50や60の仕事はしないのです。
To be continued.
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