よくよく考えれば“Z432R”はコスト度外視で製作されたレースに特化した車両であった。

今となっては前例の無い非常に貴重なマシンだ。

特筆はモノコックボディ鋼板の素材が0.2mm薄いもので作られていて

Z432と比べると総重量:150kgも軽い。

PGC10 1969 2月発売

Z432 1969 11月発売(1978 6月まで生産)

KPGC10 1970 10月発売

時の流れからいってKPGC10にも同様の車両があって良いものが

30台足らずのZ432Rも売れ残ったせいで日産側としても失敗の教訓として

以降そのような仕様のクルマは製作されなかったのだと思う。


桜井さんや青地さんの頭の中にもこの“軽いGTR”構想は無かったのだろうか

KPGC10の公認重量:1.020kgだから 同様の仕様なら870kg

実際最終ワークスKPGC10は935kgまで軽量したが規定の10%までの軽量は達成出来ていない。

この車両があれば新たな展開があったに違いない。

あらためて考えると当時の日産の本気度が伺える。

私的にはTOYOTA2000GTよりも価値が高いマシンに位置づけされる。


Z432専用レース用マグホイル


=Fairlady Z432R 構想= (1969年当時)







以上の記述は 日産自動車 第一設計部次長 田辺邦行氏

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=発売後の現車仕様= (Webより)

















日産自動車スポーツ相談室


Z432 1969 11月発売

1970 1月18日 全日本鈴鹿300km


Z432Rレース用バケット


MachФ38ステアリング&ホーンボタン(black)

レース用シフトノブ

ウェーバーキャブ

1970 4月12日 レース・ド・ニッポン6時間

1970 5月24日 鈴鹿1000km


横山達選手


ワークスGT-R同様ルーカスフューエルインジェクション

1970 6月7日 全日本富士1000km




Porsche のテールエンドと同様

1970 6月7日 全日本富士300マイル

Z432R&とっぺいちゃん ペースカー

1970 7月26日 全日本富士1000km


キャブ仕様に戻っている

1970 10月10日 日本オールスター

Zの柳田選手

1970 11月3日 鈴鹿全日本レース

カラスZ 桑島選手

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Z432搭載のS20型エンジンの純正エキゾーストマニホールドはGT-Rとは異なり3in1の距離が短い。





日産自動車スポーツ相談室 レース用エキゾーストマニホールド


ワークスZ432Rエキゾーストマニホールド

------------ Talk on behalf -----------

私のハコスカには紆余曲折あって現在GT-R純正マフラーを付けている。

社外品のマフラーの太鼓部分はほとんどがストレートに抜けているタイプで“煩い”。

日常で使っていると段々嫌になってきた、しかし今のクルマのようにエンジンが掛かっているか

分からないのも嫌だ。そのエンジンの独特の音でソコソコの心地良い音が良い。

GT-Rの純正を改めて見てみると太鼓までは外品と変わらず太い。

テールエンドだけが絞られている。

決定打は太鼓の構造だ、左図の純正構造でないと音は効率良く消せない。


FairladyZS30Z系のユーザーでも同様の仕様を選んで組んでいる人は居るのだろうか。

Z432RもZ432とマフラーは共通を使っている。

おそらくマフラーを構成するФ数や太鼓構造も純正GT-Rと同じだと思う。





ソレタコデュアルの爆音でさぞ速いかと思いきや なかなか姿が消えて行かない旧車が多い中

そこそこいい音させながら さりげなく速いクルマがかっこいいと思います。

------------ Icing on the cake -----------

フェアレディのパーツリストを見ていると 意外な事に気が付いた。

L20型エンジンとL24型エンジンのカムシャフトが共通だった事・・・


=END=