強化ロアアームに変えて以来 路面のギャップに取られるようになった。(以前記載済み)
アライメントのトーインが狂ったものと思っていたが 車検時のサイドスリップ検査には引っかからなかった。
と言う事は基準値内と言う事になる。
ネガキャンアダプターを入れた時のフィーリングが忘れられないが ハンドルを右に切って
段差があると タイヤの腹がフェンダーに摺って折り返しが曲がるのですぐに外した。
ストラットの下に入れるネガキャンアダプターをやめて ピロアッパーであれば摺らない可能性が大きい。
しかし ど〜もピロは好きではない、以前付けていた頃のギャップを拾う度にノイズが出るのが嫌だった。
それと純正アッパーマウントにはダンパー機能が付いているので フレームにダイレクトな衝撃を緩和する。
ショックがあるとはいえ 直にアッパーを付ける事に抵抗があるのだ。
当時の日産ワークスでさえ最後まで純正のまま。
とりあえずコストも安い事から タイヤも劣化していたのでサイズをひとつ落として新品に入替えてみた。
あれから3週間以上になるが嘘のように「ハンドルの取られ」症状は消えた。
それどころかハンドリングが全般的にニュートラルでまったく癖が無い。
タイヤを変える前は蛇角が大きくなるほどステアリングが急激に重くなったが
今は重くはなるがその重さも半減したような感覚だ。
今のフィーリングならあえてネガキャンも必要は無さそうだ。
「ハンドルの取られ」は意外にもタイヤの変磨耗が原因だったようだ。
下回りをイジっている時にテンションロッドのゴムブッシュにオゾンクラックが入っているのを見て
入替えをするためパーツの準備を考えた。
そこでノーマルゴムをやめてウレタンにするべきか・・・
はたまたピロテンションロッドと言う手もある。
ココには伸びや縮みの圧力が掛かる、へたに固めるとボディ側のマウントに負荷が掛かる。
ココはワークスGT-Rと同じ仕様にする事にした。
ほぼワークス仕様の正谷栄邦車
また最後の日産スポーツコーナー製作の渡邉車
いずれにしてもノーマルで使用されている。
ただし当時のワークスGT-Rはロアアームのブッシュはウレタンが採用されている。
ノーマルフロントサスのアライメント数値
基本に忠実な足回りを実現したい。
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今までGT-Rのレース画像は各雑誌などで数多く出ている。
その画像を見てスカイラインとロータリーの足周りの違いに気が付いた人は少ないと思う。
しかし現在は動画と言うコンテンツがあり レースシーンを見る事が出来る。
GT-Rとロータリーの性能が顕著に見て取れるのが
ワークスGT-Rのラストラン
‘72 富士マスターズ250km
You Tubeで動画がアップされているので 是非見て欲しい。
マツダは自ら「鈴鹿では勝ち目が無い」と言っていたぐらいなので 勝負は富士6kmコースに絞られた。
コーナーの多いコースは分が悪い事を充分承知していたからだ。
S字を抜け260R付近の両車のコーナリング比較
一目瞭然 マツダはロールが大きいのが分かる。
(この時のワークス黒沢車は従来より柔らかいセッティングにしている)
レース全般の展開を見て欲しいのだが 上映像↑のようにロールが大きい足回りは
ド・アンダーでコーナー コーナーで大きく膨らんでしまうし クイックなライン変更が難しい。
インに切れ込むようなラインをとるとなれば充分なブレーキングで車速を落とさなければならない、
しかし立ち上がりで加速に時間が掛かって離されてしまう。
唯一得意なのが「直線番長」
マツダ勢はストレート以外の30度バンクから須走り落とし S字 ヘアピン 最終コーナーまで
編隊を組みGT-Rを押さえ込み 直線で引き離す作戦。
■ロータリーが優位な領域
GT-Rはスタートはお約束で出遅れる、第一コーナーに入ってから挽回が始まる。
レース終盤まで直線以外のGT-Rの動きを見て欲しい。
スピードが乗る30度バンク内でもイン・アウト自在にライン変更している、
S字やヘアピンなど中低速域でもインにアウトにライン変更は自由自在。
対しロータリー勢はスピードを落とさないラインを走る為 インが甘くなりがち、
各コーナーで大きく車体がロールを起しており ど・アンダーのおっとっと的なコーナリングが見て取れる。
GT-Rの足回りが良い象徴的なシーンがその30度バンクでのクイックな動き。
アウトから被せて抜く事が何を意味しているか分かると思う。
最高速に近いスピード域に強烈なGが掛かった中で あの動きは相当“足”が良くないと出来ない。
GT-R1台に対しロータリー勢4台を相手に あざ笑うかのようにインにアウトにかわしていく様は
痛快なシーンだ。
しかしロータリーはこの時点でストレートではスリップにも入らなくてもGT-Rを楽々パス出来るまでになっている。
GT-Rはストレートで引き離されないようロータリーのスリップに付き食らいつく。
おそらくこの時ストレートでは10.000rpm以上は回していたと思われる。
レースでは勝てなかったが GT-Rのトータルバランス・優秀性が各周見て分かるレースだった。
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