このレースでスカイラインGTRがロータリーに惨敗したと大々的に報じられた。

確かに王者GTRは総合で1位を取らなければプライドが許せない存在になっていたが

戦うクラスが違うのだ。







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=クラス区分=

TS-a (T) カローラ・チェリー 〜1.300cc

TS-a (U)セリカ1600GT 1.301〜1.600cc

TS−b (T)GTR 1.601〜2.000 1.989cc

TS−b (U)ロータリー 2.001〜 2.292cc

GTS (U) 240z 2.393cc

TS−b (T)





TS−b (U)


GTS (U)

TS-a (T)

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=クラス区分=

TS-a (T) カローラ・チェリー 〜1.300cc

TS-a (U)セリカ1600GT 1.301〜1.600cc

TS−b (T)GTR 1.601〜2.000 1.989cc

TS−b (U)RX−3 2.001〜 2.292cc

GTS (U) 240z 2.393cc

予選のラップタイムを比べてみよう。


同じクラスのロータリー10Aは予選4位


ロータリー10AはTS-a (U)1600クラスと同タイム



フェアレディ240Z(2.393cc) 1:31.540

RX−3 12A(2.292cc相当) 1:31.920

GTR(1.989cc) 1:33.220

RX−3 10A(1.964cc相当) 1:33.530

カローラレビン(1.588cc) 1:33.530


ロータリー12Aは2.292cc相当 GTS (U) 240z 2.393ccクラスに近い(101cc差)

車重は遥かにロータリーが軽いところを見ると この時点でのトータル性能は?

GTRとRX-3の排気量差は303cc

GTRはどうみても不利

以前にも言った事があるが この時の各メーカーの流れを見ると

日産は終盤排気量アップの構想もあったが 結局原点に戻り 排気量を変えず何処まで馬力を伸ばせるかに挑戦した、

開発室は「動く実験室」なので技術開発のノウハウを得るところ。

得られたモノを市販車にフィードバックする。

本来メーカーがレースに費用や労力を裂くのは技術開発の為だ。

対し 東洋工業は10Aを磨き上げる事を諦め 安易な排気量アップに走った。

要はレースに勝つ事が目的になっていたのだ。

果たして胸を張って“勝った”と言えるのか。

レースによっては2000cc以上と同じクラス分けの場合もあるが・・・


このレースの展開は4.3kmという短い距離と言うのもあるが いつものようにGTRはミッションレシオのせいで出遅れる。

また周回遅れが邪魔をする作戦

正当に評価するには突っ込みどころが多い。

前項に青地さんが述べていたように

=青地康雄 回顧録=

時期的には通算50勝以降の話

「正直言ってロータリーは戦力を向上させていくのに GTRの方は苦しくなる一方だった。

特に富士スピードウェイの左回り4.3kmコースでは コーナーの立ち上がりの速さが

ラップタイムに与える影響が大きく 車体の大きいGTRは不利となった。

エンジンだけでなくサスペンション性能を向上させることによって 高速で走らなくてはならない

30度バンクでの安定した速さが得られる事がGTRの強みだった。」







=END=