=思い出した実話=

お世話になっていたクルマ屋にアイドリング不調で見せに言った時の話、

冷却向上の為ノーマル7枚ファンを8枚ファンに入替えて使っていた。

この8枚ファンは前側にオフセットされていたタイプで ラヂエターとのクリアランスが2cmほどしかなかった。

しかしそのファンに入替えて1万キロは走っていてまったく問題は出なかった。

そこの大将(以降おっさん)は「ココが近いと エンジンは動くのでファンとラヂエターが当たりラヂエターを

ファンが引っかいて液漏れを起こす」と言っていた。

ただ私はファンを入替えて随分乗っていてトラぶっていないので大丈夫だと思っていた。

アイドリング不調もあって おっさんのいつもの悪い癖で やたらエンジンを吹かし上げるのだ。

するとエンジン下から緑色の液が流れ出した。

おっさんが言っていた通り ファンがラヂエターに当たり円形に引っかいていたのだ。

逆に言えば 私の運転は実に大人しい事が分かった。

勿論弁償してもらったが・・・

結局メインのアイドリング不調は デスビのシャフトのガタが原因だった。

手で触っても微妙なガタ これだけでもアイドリング不調になると シビアさを感じた。

おっさんはもうデスビも生廃なので修理できないと言う。

当時は今と違ってネットやリプロ品もなく 暗礁に乗り上げてしまった。

おっさんも横のつながりや中古を探す気配もなく知らん振り

そこでそのデスビを外してもらってバラしてみると ハウジングの上下にメタルが圧入されていて

シャフトと共にメタルも痩せていたのだ。

メーカーに問い合わせると♯2208はあったので注文。

上下メタルは外せそうなのでメタルを旋盤で作ろうかと思っていたところに

ボーリング屋が来たので現物を見てもらった。

すると今油脂を含んだ材料が少しだけ残っていると言うので 作ってもらうことにした。

そこはプロなのでクリアランスもばっちり

早々に仕上げてくれたので デスビをオッサンのところに持っていって取り付けてもらった。

しかし1日も耐たず またアイドリング不調に陥った。

やはり作ったものが耐たなかったのかと外してみると

な な なんとデスビの取り付けが違っていたのだ。

コレはL型エンジンに限らず「いろはのい」


取り付けを間違わないように センターがオフセットされていて 逆には付かないようになっている。

そこに無理やり締め付けたようでシャフトのセンターが回転と共に振って 作ったばかりの下のメタルがボロボロになっていた。

すぐにデスビを外し ボーリング屋に同じものが作れるかと聞くと 作れるがこの前作ったばかりなのに何で?

取り付けをクルマ屋が間違えたと言うと 「そんなクルマ屋 居るんだ」と呆れ顔。

即日治って来たので自分で取り付けたという経緯があるのだ。


このクルマ屋は始めの対応は実に親切だったが 慣れてくると本性を出してきた。

S130Zを車検に出すたびに 「こんな古いクルマいつまで乗っているんだ 早く捨ててしまえ」と言い出す始末。

ろくに修理も出来ないくせにプライドだけは 誰よりも高かった。

私自身も始めの対応が良かった為 ウチのお客さんも多く紹介したが

ボロが出ても 誤らないし とりあえず“金”に汚かった。

どんどん紹介したお客を引き上げていったが 最後サニトラだけは責任を持ってもらうべく

車検だけは出していた。

車検だけなら何も問題は起こらないだろうと 思っていたからだ。

しかし エンジン2基壊されたのだ。

それも前から気になっていた「異常なカラ吹かし」が原因で バルブを突いたのだ。

車両を渡して1ヶ月 帰ってこないので 何か問題があるのかと聞くと「調子が悪い」と言うでは無いか。

いやいや絶好調で渡したのにそれはおかしい

その後しばらく経って「調子悪いで」といって持ってきた。

いやいや調子良くして〜な と思いながらどんなものかと乗ってみると まったくパワーが無い。

バキューム計が上がらない状態。

コンプレッションを計ってみると 1番:0 2番:0 3番:6キロ 4番:12キロ・・・

そこでピンと来た あの「異常なカラ吹かし」

そうしているうちに「カラカラ」といってエンジンが止まった。

1番のプラグを外したらバルブが割れて落ちているのが見えた。

スペアエンジンを持っていたので すぐにオーバーホールして乗せ変えてくれと持ち込んだ。

積み替え後 また「調子が悪い」と言う。

車両を引き上げヘッドを開けてみるとピストンヘッドに「三日月」形の傷が4ヶ共、

もう縁を切る覚悟でクレームを言うと 電気周りばかり見ているので

違う いつも無意味なカラ吹かしばかりやっているのが原因でバルブを突いたのだというと

何も答えなかった。

数日後請求書を持ってきた。

ろくに仕事も出来ないくせに請求書は持ってくるんだ と呆れてしまった。

請求金額¥3万円

エンジン2基積み替えて 同時にミッションも 有り得ない請求額。

S130Zのエンジンオーバーホールも日産の基準工賃で15万のところ25万請求された。

それもサニトラと同じく「調子悪いで」と言って持ってきて 自分で治したのだ。

ろくに仕事も出来ていないが時間や設備を使ったのでタダでは気が済まなかったのだろう。

勿論 支払いもするわけもなく 事実上“縁切り”だ。

アレから二十年以上経つが 未だに店を続けられているのが信じられん。

似たような商売をやっていれば分かる事だが 本来全部自分で出来る事ばかりだったが

本業があるので お金を出してやってもらっていたのだ。

勿論 信頼があっての話。

クルマ屋である限り 出来ないということをよく言わない性格 ソレをプライドと勘違いしている。

やった事も無いL型エンジンも「出来るか」と聞くと「良く遊んだものだ」と言うので出したのだ。

フタを開けてみると 周りの見ていた常連が「あの人 おそらくやっとこと無いよ、僕らが見ていても

段取りが悪すぎる」と言ってきた。不安になって純正マニュアルを持っていったら

「要らん 全部知っとる 持って帰れ」と拒絶した。

誰でも初めてのことはあるのでソコは言わない。

絞め付けトルクや そのエンジンならではの段取りがある。

マニュアルを見る事がそのオッサンのプライドが許せないようだ。

クルマ屋だけにクルマ好きだと思っていたが 私とまったく趣向が違ったようだ。

特にコレが好きはなく いろんなクルマをとっかえひっかえ乗れれば良いようだ。


まぁ プラスに考えると コレを機会に自分で出来る事は自分でやろうと切り替えた事。

多くの修理屋は信用しなくなったのでした。

いい加減なところ 多いわぁ〜

クルマ屋も セカンドオピニオン サードオピニオン フォースオピニオン 〜 が必要な時代。

自分で出来ないユーザーは せいぜいボッタクられる事は覚悟しておいた方が良い。

今では評判が良いところも フタを開けてみれば・・・


PS.二十年ぐらい前に今の仕事から「ハコスカ屋」をやろうと思い立ち

様子見でこのホームページを立ち上げたのだが 時期が遅すぎたので断念。

L型やS20型エンジンをチューンして旧車レースで成績が出せるかやってみたかった。

人様のクルマはやらないが 自分のは創意工夫で隅々まで気が済むまでやっていこうと思う。


=END=