※コレは実際に起こった本当の話しです。
=人生を考える=
義理の兄が先日亡くなった 享年52歳 若過ぎる死だった。
体育会系のお兄さんが最後はガリガリに痩せて おそらく全盛期の体重の半分ぐらいでは無かっただろうか。
普段会わない親戚の方などは お棺の中の兄を見たらガンで亡くなったと思うに違いない。
恋愛結婚で嫁の希望で400km離れた県外に住んだ。
当初は順風満帆で楽しい結婚生活を送っていただろう。
お盆や正月には二人揃って里帰りしていたが数年後には兄一人で帰ってくるようになった。
嫁が来ない理由はどうのこうの言っていたが こちら側(兄の家族系)にヒト腹持っていたような気がした。
仕事も社長の信頼を受け後継者として見込まれるぐらいの人材だった。
しかしよくある話しで社員同士の派閥があり お兄さんは真っすぐな人柄のせいで孤立化して行ったようだ。
その苦悩もたまに口にしていた。
そんな中 中古だが家を購入、私たち夫婦も一度だけ泊まりに行ったりもしたこともある。
時は景気も低迷が続いている中 給料も下がりローンの支払もきつくなっていった。
兄嫁も仕事をしており 時折嫁の財布から補填せざるを得ない状況もあったようだ。
結婚当初から兄の稼ぎですべてを賄い 嫁の稼ぎは嫁のものと言う事を容認していたようだ。
そんな事が続くと嫁からもっと良い稼ぎの仕事に変わってくれと再三言われるようになった。
実家のお母さんにも頻繁に「オタクの息子の稼ぎが悪いから私が食わせている」的な電話を入れていた。
私は夫婦でありながら財布を別にする自体有り得ない事だと思っていたが 兄は男気を見せていたのだろう。
仕事も変わり時が流れていくうちに 兄嫁の母親から借金を返せと迫られるようになったそうだ。
その借金とは家を買った時に兄嫁が自分の母親に家の改装費として借りたものらしい。
家の家長は兄だからあなたが返すのが当たり前と言う論理で借用書まで目の前で書かされたそうだ。
仕事の苦悩と嫁の攻め プラスその母親、精神的に追い詰められた兄は拒食症になっていった。
見る見るうちに痩せてきて盆・正の二度しか会わないので合う度に「また痩せた」と驚いた。
頬はコケ カラダも細くなり まるで老人のような雰囲気だった。
そうしているうちに仕事中に倒れたと聞いた、即入院 原因は「栄養失調」・・・
この豊な時代に「栄養失調」???
そんな生活が2〜3年続いただろうか 家内に兄の生活状況を聞くと 私は夫婦の体を成していないと
思ったので「早く別れたら良いのに」と常々言っていた、夫婦でいる意味が無い。
体が衰弱しているので仕事も出れなくなり3年が経った、その間2〜3回倒れて入院した。
出てくると兄嫁とその母親が束になって兄を責める日々。
兄の母親にも頻繁に兄の誹謗中傷「オタクの息子は・・・ オタクの息子のせいで・・・」と電話も入っていたようだ。
兄母は理不尽な苦情に勿論異論はあったが我が息子の為 話しがややこしくなる事を恐れ
ただひたすら謝り続けたそうだ。兄母は子供が成人になる前 離婚していて女手ひとつで二人の子供を
育てた苦労人だ。その離婚も父親が他所で女を作って出て行ったという理不尽な事だった。
昨年から義兄の口から「離婚」と言う言葉が出るようになった、家の名義が二人になっているので
家が売れ次第 離婚すると聞いていた。しかしすぐに売れるわけも無く昇降状態が続いた。
ますます兄嫁の母から「早く借金返せ」と事あるごとにメールが来るようになっていった。
その内容も第三者が見たらヤクザか輩と思う内容だったらしい。
唯一の気楽に話せる立場にいたのが妹である家内だった。
義兄もどんどん精神的に追い詰められてきているようで家内への電話 メールが増えていった。
その中には「こんなメール送ってくる もう死にたい・・・」と言う事も言っていたそうだ。
相手の親戚に弁護士がいるようでいろいろ知恵を付けているようだ。
そんな中 生命保険の受取人も名義を妹である家内に変えないといけないね と義兄は言っていた。
今年のお盆 会った時はますます痩せてお母さんと夫婦ですと言っても納得するほど
窶れ痩せていた。お盆前アルバイト中に荷物を持ったまま転んだようで膝に怪我をしていた。
そのアルバイトも嫁母に「仕事もせずプラプラして・・・」と言われたので 少しでも早くお金を返そうと
始めたものらしい 自分の母親より歩くスピードが遅いぐらい体力が落ちているにも関わらず。
少しでもお金を節約する為なのか 長距離運転できないのか今回は高速バスを使い
家までタクシーで帰ってきた。しかし降ろされた場所が実家よりワンブロック手前だったようで
重い荷物もあり 親戚のクルマを呼んで送ってもらった、私も実家にいたので電話してもらえば
歩いて迎えにいける距離なのに・・・ そこまで体力が落ちていたのだ。
一晩一緒に過ごす中 怪我をした足が紫色に腫れていて変な臭いがした、膿んでいるような気がした。
「大丈夫ですか?」と聞くと「大丈夫 大丈夫」といつものように言う。
今になって思えばそのお盆中にしょうも無い事から大喧嘩に発展した。
精神的に弱っていて唯一安心出来る家族の中で甘えて我を通したのだろう。
お盆が終わり 9月の初め また仕事場で倒れたらしい、そんなカラダで家までクルマで帰り
ベッドに横たわろうとしたところ自力では上に上がれなくて救急車を呼んだ。
隊員に「ベッドに上げてくれ」と頼んだようだがそれどころじゃない 即入院。
実家の母さんに兄嫁から入院したと連絡が入った、それを聞いて私は?と思った。
というのも半年ぐらい前に兄嫁は離婚に合意して家を出て行っていたと言っていた。
それにこのお盆に「今住んでいる住所も教えやがらへん まあ良いけどね」というぐらいの
関係なのに お兄さんが真っ先に嫁に入院したと連絡するとは思えなかったからだ。
翌日 お母さんは見舞いと付き添いを兼ねて我が息子の元に飛んだ。
その日は簡単な面会をして親戚の家に泊まった。
翌朝 病院から連絡が入り「息子さんが亡くなりました」と。
どうやらバイトで転んだ怪我が元で毒素が体に回り命を落としたようだ。
良くある擦り傷も治癒出来ないぐらい体力が落ちていたようだ。
普通では考えられない事だが そこまで体力が落ちていたとは・・・
膝の傷もやはり膿んでいたそうだ。
家も売れる事が決まり 離婚してカラダの養生を兼ねて実家で第二の人生をと 心機一転で本人も
楽しみにしていただけに残念でならないし 悔やまれる、これからだったのに・・・
私は仕事から帰って寝付いて2時間ほどしたぐらいの時に 家内から起こされ
「お兄ちゃんが・・・ お兄ちゃんが・・・ 死んだ」
私は何のことやら理解が出来ず「どういうこと?」と聞き直す。
家内は泣き崩れている 二人兄弟で小さい頃はお兄さんの後ばっかり追いかけて「金魚のフン」
と 呼ばれるほどお兄さんが好きだった。
お母さんの離婚後 長男として母を支え 私と家内の縁談にも父親代わりを果たしてくれた。
家内はすぐに兄の元に 当日お通夜で翌葬儀と言う事で私と子供たちは翌日早朝に立った。
喪主は兄嫁が勤め 私には非常に違和感があった、戸籍上は籍が抜けていないのでそうなるのだが
事実上離婚同然の状態だったからだ。私は義兄の骨をあちらに渡したくなかった。
あちらも要らないだろうに・・・
義兄の顔はお盆に会った時と変わらず穏やかな顔に見えた。
オヤジの時と同様に顔は冷たく亡くなった事を実感する。
辛かったね 頑張ったね ご苦労様
天国に行ってオヤジと一緒に過ごして下さい、オヤジ頼むぞ 迎えてやってくれ
御願いします。
焼き場に行く最期まで 兄嫁とその母親は義兄の顔に触れることは無かった。
お棺の蓋を閉める最後のとき お母さんが「○○(お兄さんの名前) ○○
生まれてきてくれて有難う 有難う ○○」
母親にとって自分より先に息子に先立たれる こんな辛い事は無いだろう。
勿論 お母さんは事情をよく知っているし 兄同様攻められ続けてきて絶命したのだから。
聞いているだけでも辛くなる。
それに引き換え兄嫁とその母親は普通の顔しているのが腹立たしい。
葬儀の最後 骨壷を嫁が受け取り終わった。
後で聞いた話だが皆が居なくなるとその骨壷を近くのこちらの親戚にすぐに手渡したと聞いた。
それに「あの家 売るの止めて住もうかな、○○(お兄さんの名前)が死んだらもう返済しなくてもいいから」
それと亡くなった日に保険会社に連絡して当日見舞金として一時金が嫁の口座に振り込まれていたそうだ。
加えて前に務めていた会社に連絡を取り退職金が出るかどうかも母親が確認していたそうだ。
何と言うヤツらだ。以前から金に汚いとは聞いていたがここまですぐに立ち回るとは・・・
許せん。
葬儀後 あとかたずけに母親が残っていたのだが相続で母親と別れた父親に権利があるらしく
母親に相続放棄を冗談ぽく迫ったそうだ。
鬼畜だ、人にあらず。
このままでは兄は犬死にだ。どうしてすべてが流れがあちらに傾くのだろう。
せめて嫁の母親から攻めのメールが入った携帯だけはこちらの手に押さえたい。
解約もすぐにやるらしいが簡単に渡す筈も無い。
事前に言うと消される可能性もある、対応が難しい。
販売店で解約直後 遺品として欲しいと言うことで話しを進める事にした。
するとすんなりと手渡してくれたそうだ。その時「ロックが掛かってるから見れないよ」と言ったそうだ。
と言う事は見ようとしていたと言う事だ。ロックが掛かっていなければすべて消去されただろう。
ひとまずは現物が手に入ればこっちのもの。
あとで分かった事だが解約時に中のカードをハサミで切っていたそうで電源すら入らない状態らしい。
だからすんなり渡したのもうなずける。
何処まで頭が回る奴らなんだろう、解約時に「使えなくしてくれ」と言ったに違いない。
でなければ携帯機能だけ無くなるだけで閲覧は出来るようになっているはずだ。
最悪 データをすべて消去した後 ハサミを入れた可能性もある。
そこには聞いただけでも恐ろしいお兄さんを追い込んだメールの数々が入っているのだから。
こちらに帰ってきて ふと思った、コレは計画された犯罪では無いのだろうか
そう考えればすべてが納得出来る、とさえ思ってきた。
あちらの動きが段取り良過ぎる。
離婚後も兄の居ない時に合鍵で家に入った形跡がある と生前兄は言っていた。
冷蔵庫の食べ物に砒素でも入れていたんじゃないかと。
嫁の職業は看護婦 薬の調達は楽だ。
最後の最後まで嫁に対して愛情が残っていたんだろうと思う。
兄が恋愛の末 結婚に漕ぎ付けた恋女房だった。
だからカラダがボロボロになっても離婚に踏み切れなかったんだろうと思う。
義兄の死は私のいや親族一同にとって少なからずこれから人生を歩んでいくに大きな影響がある事は
間違いない。
自分で選んだ嫁だけに責任は転嫁出来ないが 結局その嫁が兄を追い詰め死に至らしめた事に
間違いは無い。
元嫁とその母親に大きなバチが当たる事を切に願って止まない。
これは実際に起こった本当の話です。