私にとって最高T.collection

永いことやっていると“世間は狭い”と思う事があります。

ひょんな事でXRを企画立案・製作 試走テストまで手掛ける人物ともお知り合いになり

その人たちのBAJA1000に出るXR400Rを手掛けた事があります(いずれお話しする時が来るかも)

XR屋にとってこの上ない幸せです。

そして究極はコレです。

それは1981XR500Rbのテスト車両が手元にある事。

XRマニアにとってコレ以上のモノはありません。


当時千葉にあるショップに4メーカーの試作車、開発パーツの“姨捨山”的なお店があった。

ある時ウチの常連さんがKDX125でレースをやっていたが 思うほどチューニングパーツが出ていない。

そこで調べてみると千葉のそのショップが群を抜いてパーツラインナップがあった。

その常連さんは行動力が半端なく 即現車をワンボックスに積んで現地に飛んだ。

お金に糸目をつけずフルにチューニングを依頼・・・

そんな中 クルマのナンバーが京都だったので

オーナーが「京都から?」と問われると 常連「京都から来ました」

オーナー「京都と言えばヴァイタルさんがあるねぇ〜」

常連「 ・ ・ ・  実はヴァイタルの常連です」

オーナー「それならコレ持って帰りなよ」

と指差したのがXR500Rbだった。

オーナー曰く「メーカーの人が一通りテストが終わると乗ってきてナンバーだけ外し

『捨てといて』と言って置いて帰るんだよ」と。

常連「いえいえ要りません」と即答。

「そんなこと言うなよ」としばらくすったもんだして クルマに無理矢理積んできたそうだ。

仕方なく京都まで積んで帰り ウチに寄って「田口くん コレ要る?」と言ってきた。

事情を聞くと即「下さい」と言って現車を下ろした。

勿論 使用感はあるもののエンジンも掛かるし 実に欠品無しのフル完品!

XRマニアにとってコレ以上のシロモノは無い。

一般市販のXRではなくて メーカーの試作・テスト車両なんてそうそう表に出て来るものではない。

ソレが目の前にある。

ゴッツうれしかった 常連に感謝し やっていて良かったとしみじみ思った。

勿論書類など無いがそんなものは要らない。

XRは保安部品など付いていないカタログ通りの巣の姿がカッコいいのだ。


その後各部チェックしてすべての外装やタイヤなどを新品に入れ替え店内に保存している。

後に一通りオーバーホールパーツもストック出来た。

無限バハコマンダーも良いけど すべてのルーツコレに叶うものは無い。

本来ならホンダのメモリアルホールにあるべき車両だろう。

勿論 コレは売らないけどね。


その500Rはレストアして保存していますので画像がありません。

いずれ現車をお見せ出来る時が来ればアップします。







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