以前モトクロスアクション誌に面白い記事がありましたので紹介します。バイク全般のことで参考になる部分も有るでしょうし
土壌が違う為に参考にならない部分も有りますので 見る目を持ってご観覧下さい。
ミドルウェイトマシン比較
・Honda XR400R ・Vertemati 492 ・Yamaha WR400F ・Husaberg Fe501E ・Husqvarna TE410
背景:ホンダのXR400Rは1996年の奇跡とも言えるバイクだった。
このバイクの登場で4ストロークへの関心が復活し、レーサーとして使うバイクが必ずしも600でなくても良い事が
証明された。トレールバイクとしての設計も、モトクロス用に改造するのを妨げる理由にならなかった。
設計:400を設計するに当たって、ホンダはあくまでシンプルさと信頼性の高さと言うXRシリーズの名声を利用する事に
こだわった。その結果、デビュ−当初から400にはいささか時代遅れのテクノロジーが使われている。空冷であり、
精巧な車載コンピュ−たもない。すべてのXRにはホンダのRFVC(ラジアル4バルブ燃焼室)が使われているが、
これもはるか昔、80年代初期の産物である。デビュ−後も、97年にキャブとマイナートラブルが修正された以外に
ほとんど変更は無い。
お勧めの改造:本誌のテストでは、純正のマフラーをWhite Bros のEシリーズに交換している。他の多くの4ストと
違って、XRバッフルは取り外しがきかない(US仕様)。このままで、バッフルを抜いたほかの4ストと比較するのは
不公平だと思われたからだ。さらにエアクリーナーBOXのシュノーケルも取り外し、メインジェットを#165に上げた。
なおその上にA‐Loopのタンク/シートコンボまで取り付けている。このバイクは、始めからフサベルより何千ドルも
安いため、金銭的にもそのくらいの余裕は有ると見た。純正のハンドルは強度に不安があるが、交換するのは曲がって
からにすることにした。
長所:XR400は依然として究極のトレールバイクである。低速において、このバイクほど俊敏で軽快なフィーリングを
持つものは他に無かった。ロック、マディ、木の根などの障害のあるコースなら、このホンダのバイクは正しい選択で
あり、ライダーが障害に打ち勝つ確立は高い。何故か?1つにはXRのコンパクトさがある。ホイールベースが短く、
キャスター角が急な為、小さくて乗りやすいバイクと言う印象を受ける。ハンドルの切れ角のおかげで、トラックみたいに
3点切り返しでターンしているヨーロッパのバイクを尻目に、コーナーを曲がっていける。もう一つホンダの特性と
して興味深いのは、バイクの上までよじ登って操縦する必要が無い事である。つまり、怠け者にとっては偉大なバイク
と言える。バイクの真ん中に座ってガソリンを入れたら、コーナリングでは身体を数インチ前に倒し、トラクションを
かけるには数インチ後ろに倒すだけ。しかし 本来オフロードバイクのライディングはもっと難しいはずだ。
勿論、このバイクがタイトな場所でこれほど扱い易いもう一つの理由は、スムーズでまろやかなエンジンにある。
下からの初期レスポンスも良く、フロントは倒木なども楽に越えられる。それでいて、コントロールしやすい。現実を
直視すれば、XRにパワーを求めるのは間違っている。エンジンはレスポンスが良く軽快だが、レーシングガソリンを
使ったドラッグレースに勝てるわけではない。勝ちを逃したなら、トレーニングスケジュールを見直し 冷蔵庫を開ける
回数を減らし、ウェイトベンチの上にいる時間を増やす事を勧める。一方でブレーキングは加速よりはるかに簡単で
ある。このバイクには前後とも最高のブレーキが装備されている。
サスペンションに関する成績表は、まだ項目によって点数がばらつく。理由は知る由もないが、デビュー当初からずっと
何故かこのバイクはフロントフォークが柔らかく、リヤショックが硬い傾向にある。その結果、フロントフォークは
曲がりくねったタイトなトレールでもっと威力を発揮する。これに対して、リヤショックはモトクロスに使う場合でさえ、
改造する必要が無いくらいだ。
弱点:リヤショックとフロントフォークは今長所の一つとして数えたばかりだが、何処を走りかによっては、弱点の
リストの筆頭に来る事もある。フロントフォークは、柔らか過ぎて腰が無く、時代遅れで、超低速のトレール以外では
役に立たない。リヤショックは、幅広い状況に対処できるが、抜きん出た部分がない。この時代、どこかに他より
優れたところがなければ話にならない。
純粋な馬力のテストでは、ホンダは最下位ランクされている。ただし、これは少々誤解を招きやすい。もしパワーを
上げていれば、おそらくタイトトレールでは確実に何かを失うはずなのだ。ホンダが提供するパワーは、3つの極端な
分野−ハイスピードはのサンドウォッシュ、急なヒルクライム、そしてモトクロス−を除けば、十分役に立つ。もし
このどれかを本格的にやるつもりならば、440キットを買うように。
そこでもうひとつの弱点が浮上する。経験によれば、ホンダを改造すると、信頼性がいくらか落ちる。特にクラッチには
十分注意する事。XRがホンダのバイクだからというだけで、永遠に持つように作られていると信じている人がいるが
それは間違いである。本来ならば2年目で修正すべき馬鹿げたマイナートラブルがまだある。チェンジペダルと
ブレーキペダルが弱い。走っている最中にキックスターターが飛び出す。3速が弱い。ホンダさん、ちゃんと治してください。
(1)キックスタンド、ピボットボルト、ナット、スプリングを外し、フレームの突起部を削り取ると、1ポンド9オンス(約710g)
の軽量化になる。オドメーター、ケーブル、ホルダー、ボルトメーターギアを取り外すと、更に1ポンド(約450g)削れる。
(White Brosからホイールスペーサーキットが出ている。またはメーターギアの代わりにCRのホイールスペーサーと
シールを取り付けても良い。)ヘッドライトレンズ、テールライトASSY、ディスクガード、リヤブレーキプロテクター、
エキパイのヒートガードなどのエンデュ−ロ用の飾りは、合わせて2ポンド3オンス(約1kg)にもなる。迷わず取り外そう。
(2)ハンドガードは木の枝を避けるにはいいが、コーナリングで足に当たってしまう。ガードと金具を外すと、1ポンド
(約450g)近く軽くなる。
(3)エンジンオイルのチェックは、オーナーズマニュアルの通りに行う事。すなわち、エンジンを始動して5分間アイドリング
させてから停止し、車体を完全に垂直に立てた状態でレベルを計る。そうしないと、オイル量が不正確になる。White Bros
から、エンジン内の温度を示す油温計レベルゲージが出ている。高性能4ストロークエンジン用鉱物系オイルを使用する
こと。
(4)純正のエアインテークダクトを取り外す。これで吸入量が16.2ccから63.2ccに増える。‘96/‘97モデルのラバー
ダクトを取り付ければ、エアクリーナーBOX上部の開口部から小石や土が入りにくくなる。濃い目のA16Aニードル(クリップ
は3番目)、55番のパイロットジェット、155番のメインジェットに変え、エアスクリュを2回転ゆるめる。これで10%の
パワーアップが見込める。XRをカリフォルニア以外で購入した場合はA16Aニードルが標準装備されている。
(5)リヤフェンダー、サブフレーム、エアクリーナーBOXの継ぎ目部分にある狭い隙間を塞いで、泥や水がエアインテーク
の開口部に入らないようにする、シリコンを使うと良い。
(6)BBRのクルーは、K&Nのエアフィルターに心酔している。このフィルターは、純正のエアクリーナーBOXにフィットし、バックファイヤースクリーンを排除出来る上に、表面積が純正のフィルターの2倍になる。パワーの違いは、チョークをオン/オフ
するぐらいの差が有る。前述のジェットセッティングを使用し、メインジェットを158番にすること。
(7)単にテールパイプのエンドキャップを変えるだけで純正のエキゾーストを使用することもできる。ただし エキゾーストを
変える時は、必ずエアクリーナーBOXも改良する事。‘96/‘97のXR400Rのエンドキャップを使うと、新しいモデルの
排気口の直径が22mmから38mmに広がる。エアクリーナーBOXとエキゾーストを改造した場合、濃い目のA16Aニードル
(クリップは3番目)を使用し、パイロットジェットは58番、メインジェットは162番まで上げ、エアスクリュは2回転から
2回転半緩める。15%のパワーアップが見込まれる。
(8)White Brosの416ccは基本的なパワーアップキットで、ハイコンプピストン、カム、ポーティングされたヘッド、
イグニッション改良キット、パワーフィルター、WBオーバーサイズヘッドパイプ、E‐シリーズMegが含まれている。
キャブレターは純正で、62番のパイロットジェット、162番のメインジェット、A16Aニードル(クリップは3番目)を
使用すること。この$1.425のキットによって、2ポンド(約910g)の軽量化と、30%のパワーアップが実現する。
(9)大口径のエキパイをつけても、エンジン全般にわたる改良を施さなければ意味がない。外品のエキゾーストシステム
はエキパイとマフラーの継ぎ目からのリークに注意する事エアがリークしていると、性能低下の原因になり、正しいジェット
セッティングも出来ない。
(10)純正のキャブレターチョークプレートをPrecision Conceptsから出ているアルミ製のものに変える。純正のチョーク
プレートは、壊れて燃焼室に吸い込まれ、ヘッドを破壊する恐れがある。
(11)キャブレターのフロートレベルをチェックする(正しい遮断レベルは14.5mm)。フロートの下向き(開放)の動きを
制限するには、フロートコネクタの右側にある突起を後ろに曲げる(フロートピンの右側を支える柱に当たるように)。
フロートの動きによる最大開口が19mmになるようにする。これでジャンプの飛び出しや深いフープスなどで、フロート
から余分な燃料がエアチューブに排出され、エンジンに燃料がいかなくなるのを防ぐ事ができる。
(12)ティ−ベントシステムも、フロート室を常に燃料を満たしておくのに役立つ。ただし、上部のエアチューブの末端が
密閉された空間に入るように配管し、チューブ内にトラップが出来ないように注意する事。チューブが上、下、上の順に
曲がり、台所の下のトラップのようなS字型になっていると、トラップができる。ここに燃料が溜まり、燃料の流れが妨げ
られる。
(13)`98及び`99のカリフォルニアモデルでは、チューブ付きのキャニスターを使ってクランクケースからエアインテーク
に通気している。49州のエアチューブのセットでも、プレイライダーのエミッションは除去される。エミッションパーツを
取り外したら、エアインテークの開口部を塞ぐのを忘れないように。
(14)ジェットのセッティングのためにスパークプラグをチェックする時は、拡大鏡を使うこと。混合気が薄い場合は、
新しいプラグに小さい金属の粒子が付く。これは、ピストンから物質が剥がれている事を表し、よい徴候ではない。
濃い場合は、すすや不完全燃焼の徴候が表れる、これもよくない。正常な場合は中央の金属の電極を囲む小さな
灰色の線を除いて、ほとんど色は付かない。
(15)エンデュ−ロ用の飾りを取り外しても、純正のジェネレータは付けたままにしておくこと。ライトを外した場合、過熱
によって電気トラブルが発生しないように、電気をアースする事。
(16)バルブは定期的に指定のクリアランスに調整する。右側の排気バルブは、中のカムシャフトに付いているデコンプ
システムのせいで、調整ミスをしやすいので注意する。必ずデコンプ装置が効いていないときにクリアランスを計るように
すること。時間をかけて正しく調整しないと、エンジンをかけたときにバルブが緩すぎて、カタカタと歯が鳴ることにになる。
(17)純正クラッチはモトクロスでの酷使には耐えない。White Brosからはスプリング/プレートキットが出ている。これで
クラッチがすべる心配はほとんどなくなる。さらに完璧を期するには、金属及びファイバー製の追加プレートを使用する、
Hinsonクラッチバスケット/プレッシャープレートを使うとよい。
(18)クラッチスプリングの強化による悪影響の一つは、ミッションにかかる負荷が大きくなり、2速または3速ギアのトラブル
につながることだ。White Brosでは、3レースごとにエンジンを下ろして、2速ギアを交換する。ギアが低温処理されていると
、交換の間隔は6レースごとに伸びる。
(19)ホンダでは$1.100のHRCパワーキットを出している。これには、ハイコンプピストンASSY,高性能カム、各種プライマリー
ギア、強化クラッチスプリング、ガスケット、スパークプラグ、ジェットキットが含まれている。改良プライマリーギアはミッション
がより低速で回転するように調整されている為、シフトが改善され、2速と3速ギアの寿命も延びる。
(20)純正のギア比は15−45である。手っ取り早くモトクロス用に改良するには15−46のギア比にする。White Brosでは
TallonのスプロケットとDIDのERVチェーンを使ってさらに低い15−50の最終減速比を採用している。これによって
ミッションが上の方のギアで動くことが多くなり、弱い2速ギアの負担が減る(チェーンガイドの改良が必要)。
(21)レース中にライダーのブーツがキックペダルに当たったり、引っかかることがある。これを避ける為のフレーム
マウントストップがIMSから出ている。あるいはワークスにならって、使っていないときにペダルをゴムでフレームに
固定してもよい。
(22)シフトペダルは純正を使うこと。外品のペダルの方が硬いが、クラッシュしたり他のライダーと接触したとき、シフト
シャフトが曲がったり壊れる恐れがある。
(23)クラッチレバーには十分な遊びをとる事。エンジンがヒートすると、適度な遊び以上に遊びがきつくなる。遊びが
なくなると、クラッチが少し緩んで滑り始める。
(24)タンクキャップのプラスティックインサートは、給油しやすいように取り外す。燃料コックを外して真鍮のリザーブチューブ
を取り除くと、コックがONのとき燃料の流れがよくなる。
(25)コーナリングで足が当たってデコンプが作動するのを避けるため、デコンプレバーをハンドルバーの上に移動する
人もいる。
(26)純正ハンドルをレンサルのCRに変えるとフィーリングとコントロールが改善される。純正のハンドルのほうが
平たくて幅が狭いので、ケースの取り回しをチェックし、必要ならば修正する。
(27)XRはタイトコーナーでストールしやすいと言う人は多い。ブレーキペダルを下げて、ステップと同じか、少し低い位置
にする。メッシュブレーキホースを使い、フルードをMotul 300に変える。純正のブレーキは十分使えるし、パッドとローター
のオプションもたくさんあるので、ブレーキの効きは細かい調整が必要だ。
(28)ブレーキペダルのスプリングは、他のライダーと外れる恐れがある。工具入れに予備を入れておこう。
(29)スタンダードのステップは問題外だ。右のブラケットアームは、緩んだり壊れたりする(特に大きなジャンプの着地や
G−outに当たった時)。Pro Circuitのステップアームとオーバサイズステップをつけるのが一番良い。ステップの
ピボットピンを調べて曲がってないかを確認すること。
(30)リヤホイルのアジャスターは、常に出来るだけ前にすること。この位置だとトラクションが良くなり、コーナリングが
正確になり、必要なときにフロントを上げやすい。
(31)リヤスポークに注意する事。スーパークロスのような大きなジャンプがあると、ドライブ側のスポークがハブの
ところで折れる事がある。スタンダードのスポークと同じ長さで径が3mmと太いスポークがあるので交換できる。
White Brosの経験によれば、たとえスポークをもっと頑丈にしても、純正のフロントホイルは大きなショックに耐えない。
究極の解決方法として、Tallonのハブを使ったWhite Brosのホイルがある。プロのライダーならば、CR250の19インチ
のリヤホイルを使うべきだ。スィングアームを改造してODアクスルが付くようにする必要が有る。
(32)うるさいライダーなら、純正のスネルカムタイプのチェーンアジャスターはまったくの役立たずだという。スネルカム
を受けるピンは、外れる恐れがあるし、アクスルを締め付ける時にカムが曲がる事もある。チェーンアジャスターシステム
の強度と信頼性をげるため、2枚のスネルカムを溶接して(左のみ使っているライダーもいる。
(33)A‐Loopのシート、タンク、シュラウドキットを装着しよう。ハイシートはフラットでスリムになっている為、形の良い
CRたいぷのタンクの上までスムーズに身体を移動する事ができる。バイク上で前に移動できるようになると、コーナリング
のアクションが飛躍的に改善する。
(34)CR125のリヤフェンダー(スチールフレームのCRのもの)は、ちょっとトリミングすればXR400に付く。これでバイクの
外観は大きく変わる。リヤに合わせて、フロントもCRのフェンダーにする。エキゾーストのヘッダースと同じ高さにトリミング
して、エンジンに十分風が当たるようにすること。
ちょっと拝借:
モトクロスのレーサーにテールライトは
必要ない。旧型のCR125とCR500の
リヤフェンダー(1992年頃)は、ちょっと
削れば XR400につけられる。
(35)リヤフレームは、エアクリーナーBOXの上のプレートのあたりにクラックが入っていないか良く見る事。フレームが
ねじれたり、ステップが下に曲がるのを防ぐ為、左のステップの近くのシャーシにプレートの補強を入れる必要がある。
Spud Waltersみたいな人なら、クラックを防ぐためにバックボーンとダウンチューブにも補強を入れる必要が有る。
(36)サグは97mmから100mmに設定されている。リヤサスには少し変わったリンケージが使われていて、CR250Rの
ほとんど倍に近い硬さのスプリングを必要とする。純正のショックの場合、ほとんどのライダーはバイクに座っている事は
出来るが、乗り心地が良いとは言えない。驚くべきことに、YZ400に匹敵する動きを実現するには、さらに硬いスプリング
と完全なバルブの再調整が必要となる。Spud WaltersはWhite Powerのショックを使っている。
(37)スタンダードのフォークスプリングのバネレートは0.40kgである。ほとんどのライダーの場合、0.43〜0.47kgの
スプリングの方が具合が良い。このフォークはオイルレベルに極めて敏感で、2mm少なくても多くても分かる。とはいえ
このフォークをまともに動かす(つまり、ねじれたり回ったりする以上に上下に動かす)のは奇跡に近いことが分かるまでに、
そう時間はかからないはずだ。プロ以外なら、バルブの再調整でなんとか間に合う。プロの場合は、最終的にフォークが
外側に曲がってしまう。White BrosのワークスライダーはCRの倒立フォークと特注のトリプルクランプを使っている。
(38)スィングアーム、リンクのピボット、ステアリングヘッドのベアリングは、定期的にグリスアップする。最低でもファクトリー
(工業用)グリスが必要だが、ステアリングベアリングのグリスの場合、オイルクーラーやフレームの中のオイルリザーバー
からの熱で劣化し、飛んでしまう。高温グリスを使用し、ステアリングヘッドベアリングの整備を定期メンテナンスの項目に
入れよう。
ミドルウェイト 結論 どんな戦争も小さな戦闘の連続にすぎない・・・
ヒルクライム
1.Vertemati 492
2.Husaberg Fe501E
3.Yamaha WR400F
4.Husqvarna TE410
5.Honda XR400R
これは純粋な馬力の勝負だ、そして普通はバイクが長いほどよく登る。したがって、武器が全部揃っているVertematiが
勝つ。ホンダは曲がりくねったテクニカルなヒルクライムを得意とするが、馬力のギャップを詰めるためにはかなり難しい
登りが必要だ。
トレール
1.Honda XR400R
4.(同順)Husqvarna TE410
5.(同順)Vertemati 492
タイトトレールのチャンピオンはホンダである。実際のところ、他のバイクは足元にも及ばない。フサベルはサスの追従性が
あればよかった。ヤマハはモトクロッサーに寄り過ぎ。ハスクは常にエンジンがかからないと言う恐れがつきまとうし、
Vertematiははっきり言ってオーバークォルティである。
モトクロス
1.Yamaha WR400F
2.Vertemati 492
3.Husaberg Fe501E
4.Honda XR400R
5.Husqvarna TE410
これらのバイクがモトクロス用に設計されていないことは勿論分かっているが、とりあえず試してみた。トラックでは、ヤマハ
とVertematiがモトクロッサーゆずりの走りをみせた。フサベルの検討は驚きだったが、ホンダはパワー不足、ハスクは超
ソフトなサスがネックだ。
スピード
これは予想通り、6速の勝ちだ。フサベルとハスクは余分なギアが1つ付いているから、当然速い。Vertematiは
超ワイドなパワーバンドとありあまるパワーを秘めているが、いかんせんギアが足りない。
ボトムラン
3.Honda XR400R
4.Vertemati 492
この5台はそれぞれ別種のバイクの集まりだ。ヒルクライム、トレール、モトクロスなど1つの分野だけに興味がある場合は
上記のランキングを見て欲しい。どんな場所でも十分に走るバイクが欲しいならヤマハだ。まるでWRだけがこの10年に
作られたバイクで、他はすべて旧時代の生き残りで有るかのようにも見える。あるいは、単にヤマハが次の世代の最初の
バイクと言うだけのことかもしれないが。(終)
引き続き モトクロスアクション誌から
使用前:XRの純正シート/タンクのつなぎ目は、まるでスキーのランプのようだ。ライダーは窪み部分に座る事となる。
使用後:A‐Loopのタンク/シートキットを付けると、座面が平らになる。シートの前方に移動しやすくなり、膝のホールド感
も良くなる。
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XR400乗りを敵にまわすつもりは毛頭無いけれど、彼らがいったい何を考えているのかは謎だ。
いったいどうやったらあんなものに乗れるんだろう。人間工学というものを、XR400はまったく無視している。、あれでは
まるでせむしの馬だ。いやもっと言えば、らくだのこぶをくっつけたせむしの馬だ。ライダーがどう頑張ってみても(たとえ
関節が自由に動いたとしても)、前方移動などできるものではない。XRのシートは、いわばバケットシートのオフロード版
なのだ(それにあの幅広くブカッコウなガソリンタンク!)。
そこでピート=デニソンの登場となる。ムーア・レーシングを巨大企業に売り払った後、彼はシートに入れあげ始めた。
幸か不幸か、それはXR400のシートだった。巨額の富を使う暇もなく、彼はいつの間にか工房に戻ってきて A‐Loop
のXR400タンク/シートキットを作っていたのだ。
A‐Loopキットのどこが気に入ったか
ハンドリング:
ホンダのXR400は、出来のいいバイクだ。丈夫だし、頼りになるし、乗っていて楽しい。しかし 人間工学という点から
見るとまるで骨董品だ。これがA‐Loopキットで生まれ変わる。今までが嘘のように、コーナーでの前方移動もフープス
での後方移動も自由自在になり、周回を重ねても同じ場所に体重をかけることができる。タンクとシートの線を滑らかに
しただけでこんなにもバイクのハンドリングが変わると言うのは信じがたいが、これはれっきとした事実だ。せっかく
XR400を持っていても、純正のシートとタンクで乗っている限り、その車体のポテンシャルの1/4も引き出していない
事になる。
フィット:
A‐Loopタンクに変えた途端に、XRがこんなにスリムになれるのかと驚くことだろう。
ルックス:純正のXR400が注目を集めることはないが、A‐Loopキットを付けたバイクには、いつでも人が寄ってきて
シートに座りたがる。A‐Loopキットには、回転成型のガソリンタンク、CR250スタイルのラジエターウィング、シートベース、
シートフォーム、シートカバー、取り付け金具、予備のコック、そしてOne Industries XRグラフィックキットが含まれている。
A‐Loopキットのどこが気に入らないか
車高:
A‐Loopキットでは、シートの窪みを無くす事によって、平らな座面となめらかな線を実現している。つまりシート高は高く
なっていることになる。モトクロスでは何の問題もないが、身長の低いライダーや足付き性が気になる人は、シート高の
ことも頭に入れておいたほうが良いだろう。
タンク容量:
A‐Loopのタンク容量は、ちょうど2ガロンである(純正は2.7ガロン)。MXAのテストクルーによれば、2.7ガロンは
多すぎる。モトクロスには必要ない量だが、長距離を走る予定ならばA‐Loopのタンクだとそんなに遠くまでは行けない。
MXAの評価:
絶対お勧め。XR400を持っているなら、A‐Loopキットを付けなければならない。という法律でも作りたいぐらいだ。
取り付け例