ウチも舐められたもんだ。

いつぞやどこかの掲示板で見たことがあります。”ヴァイタルの点火進角加工はパルスの出っ張りをチョット削っただけのようですが・・・” やっぱりこの手の人にはウチのやり方を理解できない人でしょうね メッチャ腹立ちました。確かに 見た目には削っただけです、その削り代の奥深さなど知る余地も無い。種明かしをするとノーマルの点火パターンは誰が乗っても無難な位置です、特に初心者に優しいように。まずノーマルの進角度のデータを調べます、パワーを出す進角度は ターボ社であれレシプロであれ 単車であれ クルマであれ皆共通なのです。しかし パワー重視の進角度にすれば低速が弱くなるので少し戻した理想角度にするわけですが この角度はさまざまなテストにより得たデータです。その角度からノーマルの度数を引き 何度進角させるか算出します。その度数をその単車のフライホイルにコピーするために フライホイル外径の何mmに該当するか算出し その数値の分だけ削るわけです。その前にパルサーがどの位置で信号を出すかは当然知っていないと話になりません。”ただ削っただけ”には こんな裏事情があるわけですし それをどうやって実現するかは そのショップの腕前です。

ネットオークションで”フライホイルの軽量加工 何でも承ります” を見ました(旋盤屋さんのようでした)、そもそもフライホイル軽量加工なんて 単車でやり始めたのはウチぐらいしかないですよね(パルス進角加工はなおさら)。ここまで広がってることは喜ばしいことですが XRのフライホイル軽量の映像を見ました。一言で”甘い”。ウチが軽量する車種は必ずそのフライホイルを切って肉厚を調べます、この加工をやる当初 何mmで遠心力でバラバラになるかデータを取りました。そしてマージンを持ったmm数まで削っています。他所の加工は軽量加工とは程遠い削りです フライホイル超軽量なんてうたってたら どこでも一緒の仕上がりだから 安い方に出そう でしょう。製品を出すには ”捨石(テスト)”が必ず必要です。またボーリング加工も同様です、今まで持込でボーリングしたシリンダーを見て ”きれいだ”と思ったことは1度もありません、増してや その指定クリアランスは店のデータで指定します。そのデータは今までの試行錯誤の数値です、特に鍛造ピストンはその良否が如実に出ます。パーツについているマニュアルの数値は大きすぎてボーリングの数値までアイマイですと 組んだしりから白煙を上げます、どこまで詰めれるかが そのショップの技量なのです。ウチのものの一つ一つにはさまざまな裏事情が絡んだものが多く すべてに深い理由があります。みんな 簡単に考えすぎだし ウチも舐められたモンです。

また どこぞやの掲示板で”ウチの商品は純正パーツばかり”と ハンドルネームはしっかりと覚えていますが書き込みがあったのを見ました。そういうものも確かにあります、しかし 逆にそいつに聞きたい。あなたはそれを見て ”あっ これはあれのだ”と分かっただけで そのヒントが無かったら自分で発案できるのかと聞きたい。なにが流用出来るかは ウチのインスピレーションですし 合うかどうかこれも”捨石”をして データを取ります。やり手のあなたでしたら尊敬しますが そうではないようですね。答えばかり知りたがり 知ったらそれを馬鹿にする難儀なヤツが増えたもんだ、答えを教えないと”ケチ”って言われたこともあるし また どこぞやの掲示板で誹謗中傷です。なんだかなァ〜

まだまだ続く

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