CRF250Fが来て1週間以上経ちました、慣らしやら試し走行など繰り返していると
もともとの着眼点は「やっとXRの後継モデルと言えるバイクが出てきたな」と思うぐらいで
ノーマルの性能レベルが低くてもソレを何処まで伸ばせるかと言う目で見ていました。
今まで逆車のXRを含めMD30など私が言う「良いバイク」と言うのは伸び代が大きい素材として言っています。
この現車を見ていると当初の印象と違い 次々とイマジネーションが沸いて来るのです。
よくよく考えるとタンク容量6L、サスストロークは国内トレールより短い 全般的に小柄など
よくぞこんな“尖がったバイク”をブラジルホンダは出したモノだ と思いました。
乗り込んでいくとどんどん印象が替わって来ています。
唯一の国の公表が22.2PS(その他公表なし)と言う事もあり コレを逆車の伝統「パワーダウンキット」の解除で
当初はエンジンなど手を入れず本来の出力まで引き出せるかが店の腕の見せ所です。
エンジン諸元を見ていると26〜28PSぐらいは出ても良いレイアウト。
タンク6Lなんてツーリング行けないジャン
アメリカなどでは1時間走っても風景が変わらないデザートを走らなければならないのに・・・
そんな中ガス欠にでもなれば命取り・・・
しかし日本はともかく本国や東南アジアなどでは良く売れているようで その内
ビッグタンクなどがすぐ出てくるだろう なんて思ったり・・・
5速か 今時6速じゃないと・・・
なんて思う人も多いかと思います が いざ乗ってみるとモーマンタイ 全然気にならない。
一応大学で設計を学んでいた事もあり 国内の運輸省認定の規約では航続距離は最低150kmなどが
あるのでそんな片寄ったバイクは出さないだろうと思っていたが ソレはあくまでも国内規約。
インジェクションなので本来の効力 出力アップに燃費向上のがされているのではないか とも思いましたが
悲しいかな今の国内バイク業界の現状を見ると本来のインジェクションの良さは無く 排気ガス対策に寄っている。
本来は大幅な出力アップを実現出来るユニットの筈なのに・・・
一通りの「パワーダウンキット」解除し乗ってみると「悪くない ちゃんと走るじゃないか」と言う印象に変わってきた。
慣らしを兼ねたプチツーリングで今までのキャブ車には無い 一口で比べられないフィーリングに驚いた。
車体の剛性感や取り回し 特筆すべきは巡航からの追い越し加速、タイムラグなくズブトいトルクで
グイグイ車体を押し出す感じは当店の”通勤快足”ともまた感じが違うのです。
とりあえず“なめらか”で“スムース”な回り方 引っ張りが強い。
次々と常連さんたちが試乗に来る中 ひとり不満そうに黙り込んでいる人がいた。
「気に入らなかった?」と聞くと「自分のが良く走る」と言う。
彼のバイクはMD30のセルレス 270 ”通勤特急”・・・
それは流石に当たり前ヤン・・・
従来の国産一般市販車のノーマル250レベルと比べてもらわないと・・・
その他の常連さんは「これ面白い 欲しい」
それと共通した見解は「これは乗ってみないと分からないだろうなぁ」だった。
私もそう思う、「何か今までのバイクとは一様に比べがたいフィーリング」という感じ。
燃費も今のところ出たデータは45km/L 異様に良い、65キロぐらいの人ならもっと良いだろう。
(今後燃費はあらためて測定してみます)
これならフツーに気にせずツーリングが出来る(予備まで約200km走行可能)、予備も1.6Lと充分だ。
数日前から8割ぐらいまでフル加速して試している、ツーリングではそこまでしなかったが また驚いた。
何っ この加速? XLRやME06 ME08(ノーマル)を遥かに凌ぐ加速感 それも結構強烈
グイグイ加速しスピードの乗りが異様に強く感じる。
「速え〜」
あっという間に100km/h越え・・・
ん〜 良く出来ているなぁ と。
車体を眺めているとフレームの剛性の強さ スプリントレーサーに近いポジション(純正ハンドルを含め)
リアサスの良さ 車高の低さ=重心が低くエンジン近くに集中している事
乗っていて車体が「軽い」と実感(軽量・コンパクト)などなど
試乗車としてはこの仕様で充分インパクトが強いと思う。
フロントサスも従来のテレスコピックですがオイル容量が多く 質感もシットリ 悪くない。
ノーマルベースのチューニングパーツも現在出来ている。
要は有効ストロークを充実させてやれば これまた面白い。
いずれはカートリッジタイプの正立フォーク ⇒ 倒立と移行は決まっている。
しみじみ眺めていると「レーサーじゃん」 無駄肉がまったく無く まるっぽスプリンターのコンセプト。
新しいカテゴリー&コンセプトマシンがスタートした。
このような仕様のプレイバイクは国内では絶対出ないだろう。
コレは買いです ポテンシャルが高い。
しかし値段が従来の逆車にしては現在としては高く感じる為 売れるとは思っていない。
このCRF250Fを見て直感で「面白そう」と思う感覚の持ち主。
見る目・遊び心がある 限られた人が乗れば良いのだ。
ME08も結果国内には保有台数がXR史上最も少ない希少車となったが
このCRF250Fはもっと希少車となるでしょう。
希少車に乗る“優越感”もまた捨て難く良いものだ。
XRはXLRユーザーの憧れの的であった時代もあった。(高くて買えなかった)
私は二十歳の頃 若さゆえの勢いもあって後先考えず‘81XR200Rを購入、
国内トレールとの性能差を痛いほど痛感し体験出来た。
1台で林道・コース・通学・長距離ツーリング 何でも使える為
暇さえあればツーリングに出かけ 気がつけば回りの目は“羨望の的”の視線にさらされて来た。
見せびらかす事はないけれど あちこちに行って そのバイクの希少さを知っている人と
話をすることは実に楽しいものだった。
この醍醐味は意外と気持ちいいものだ。
乗り込むたびにこのCRF250F 面白くなってきた。
コレだけの潜在能力(コンセプトがウチのRVS‐R的要素)を秘めたプレイバイクに
バイク屋として終活近い年齢になって巡り会えるとは思っていなかった。
ME08やMD30も長い時間を掛け熟成(チューニング)をしてきたが 一気にその性能を超えることは難しいが
今 楽しくてしょうがない。