1996年から我がレース用広報車もモトクロッサー125フレームから XRフレームに移行しました。
XRフレームにモトクロッサー並みの足回りを移植する事はなかなか難しい。
フロントの移植は簡単ですが問題はリアサスです。
当時はホワイトパワーやオーリンズのショックユニットに入替えるだけで かなりレーサーに近いフィーリングになりました。
しかし突き詰めて行くと機構上仕方がない挙動や がさつな動きは消せません。
同じプロリンク機構で レーサーとXRは ベンツとトラックほどの違いがあるのでしょう。
結局XRはノーマル機構を捨て去り モトクロッサーと同様のデルタリンク機構を移植しなければ改善しないと判断しました。
数年掛かりましたがXRのフレームを無改造で取り付け出来るようパーツ単位で加工し 通販でも供給出来るまでに
達しました。
もともと販売目的で製作した訳でなく XRをモトクロッサー並みのポテンシャルを持たせ 当時は並居る
2ストモトクロッサーに一泡噴かせたくて煮詰めていったサスシステムでした。
最終モトクロッサーよりもしなやかで吸収力が高いものになりました。
ホイルベースも長くなり テールスライドの緩和 ジャンブ時の空中での挙動の緩和にも繋がり ライバル車より
長く・早くアクセルを開ける事が出来る特徴が強調されるようになりました。特にマディでの安定走行は予期せぬ
副産物でした。そんな中「スーパーデルタプロリンクはいくらですか」という問い合わせが増えてきて試算したところ
当時で20万ぐらいになってしまいました。こんな高いサスキット 売れるわけが無いと思っていましたが
月2セットペースでオーダーが入るようになり 振り返れば結構なセット数販売しました。
またロードのモタード車にもロードホールディングが良く コーナリング中でもアクセルを開けていけると好評でした。
オフでもオンでもトラクションが良い為 速く走る為に結構貢献出来るシステムとユーザーの間でも広がったようです。
メーカーの生廃が進む中 オークションなどの中古パーツの採用などでつい最近まで製作は出来ました。
それも今月 遂にリアショックの販売終了で永らくご愛顧頂いた「スーパーデルタプロリンク」は終了となりました。
思えば私が想定していた期間より随分永く息の長い製品でした。
私としては非常に満足です。有難う御座いました。