V-LOOP を勧めていて“素朴な疑問”・・・

空冷のバイクに 何故水冷モドキのシュラウドを何故付けているのか と。

MD30も2000年になって やっとXRらしいカラーに戻ったと思いました。


やっぱXRは赤ですよね〜

翌年

赤は良いのだけれど シュラウドが付いた???

風を集めてエンジンを冷やすには位置が高い。

4ストのフロントフェンダーはエンジンに直接風が当たるように2ストと違い 後ろが短く出来ています。

そのシュラウドのせいで 熱気がキャブに導かれるので 射熱のゴム板が付いている。

そのゴム板が無くても 実走に支障は出ないようですが。

レーサーイメージを髣髴するデザイン重視の為だろう。

ただメーカーがやる事では無いと思う。


とはいえ

ウチでは1986年 CR125フレームにXRエンジンを搭載したRVFと言うマシンを製作しました。

その当時 全国的には数台同じようなマシンを作っているのを見た事があります。
(多くは250フレームに載せたものばかりでしたが 125フレームに載せたのはウチだけでした。
125フレームでは大きな250エンジンだとスペースが無く 乗らないからです。
125フレームに拘ったのは 車体が軽量コンパクトで小回りが利くメリットがあるからです。)

作っていれば分かる事ですが 最終困るのがタンクなのです。

2ストエンジンに比べ4ストエンジンはヘッドが大きく 位置が高いので その車体のタンクが載らないのです。

なので 80のタンクを付けたり XL系のタンクを付けたりで 見た目が「ぶさいく」になるのです。


コレは海外で製作されたマシンのようで タンクはアルミ叩き出しの一品モノ

ココまでやれば比較的まとまった仕上がりになりますが XRの延長上の印象はぬぐえません。

ウチはどうしても見た目はCRで 良く見れば4ストエンジンが載っている と言うような仕上がりにしたかった。

試行錯誤の結果 樹脂タンクの加工が出来るようになり RVFが出来たのです。


RVF250R Mk.T


RVF250R Mk.U


RVF250R Mk.V

RVFシリーズはココまで

RVF250R Mk.Wの製作準備をしていましたが RVFでレースを荒らし過ぎた為

レギュレーションが変更され レーサーフレームに搭載のが禁止となった為です。

コレもRVFで思い出したが Mk.Tが成績を出し始めた頃 雑誌に良く取り上げてもらっていて 世間では知られていた。大阪のレースに出て車検の時 車両チェックしていたヒトが「お〜 CRのフレームにXRのエンジンが載っている」とじっくり見ていた。その取り巻きの十人ぐらいが寄ってきて あ〜でもない こ〜でもない と言っている中 一人のそこを仕切っているおっさんが「こんなん誰でも作れる 簡単や、ただ成績が出せるかどうかは別の話やけどな」と切り捨てられた。私は「ほほぉ 作れるなら作ってみろ」と心で思いながら 闘志に火が付いた。このレースは 地元のバイク屋さんが集まって主催していたもので スタッフは各ショップの大将連中のようだった。結果2位を数ラップしブッチギリの優勝だった。表彰式の時 スタッフ連中は皆下をむいていた。「舐められたモンだ 二度とこんなレースには出ないでおこう」と心に誓ったのでした。


その後 1996年 XR250・400R用にA-LOOPキットが米で発売されました。



XRをスプリント向けにする為に タンク・シートを入替えるだけで

レーサーポジションが作れるモノです。

タンク容量はレーサーと同じ7.5Lに縮小し 尚且つ重心を極力下げられている構造です。

小型タンク・シートも細く レーサー同様フラットなシートラインになり 体重移動がやり易くなります。

米製にしては珍しく ほぼボルトオン、良く考えられた製品でした。

とりあえず かっこよかった。

もうXRではなくるようなフォルム

------------ Let`s get back to the story -----------

一般市販車で見てみると

ヤマハのセローがそのハシリかも

たしか取り説に 走行時はシュラウドを外さないように と書いてあったような・・・


輸出向けTT225にも (250・350にも)


そしてTT-Rにも

対し ホンダは

XR650Lのノーマルは上映像↑のようなシュラウドが・・・

ただモトクロッサーのようなデザインではなかった。

今となっては




ホンダの小排気量(50・70・110・125・150・230)のラインナップは 皆空冷にシュラウド付きになっている。

私は巷に流行っている「モトクロッサーイメージになるキット」を

メーカーがパクったのではないかと思っています。

「巷の流行をメーカーがパクる」 この時期コレに限らず多く見受けられました。(メーカーの迷走)

輸入車のXR(ME08やNE03)もMD30のように 空冷にシュラウド付きのデザインに変わるようであれば

「ホンダも終わりだな」と思っていたら モデル終了となってしまいました。

コレは私たち“下々の遊び”なのです。

メーカーがやる事じゃ無い と思っています。


モトクロッサーはカッコイイし美しい 機能美の集大成がこのカタチ

私はやはり憧れるのです。

------------ Bonus -----------

私が想っているホンダのイメージは 「宗一郎の魂を垣間見れる“遊び心”があるバイク」の事を言います。

従来各メーカー モトクロッサーとエンデューロ車はコンセプトが違うので

分けて作っていました。

モトクロッサーはCR エンデューロ車はXRと言うように。

その意向は時が流れても換わらないものだと・・・

まずその均衡を崩す口火を切ったのが ヤマハ

YZ400Fをモトクロッサーとして出し 同じベースを使ってエンデューロとしてWRを出した。

1台のモデルで 仕様変更だけで2種類出せるので 大幅コストダウン出来るのです。

かつてはモトクロッサーとしてYZ エンデューロ車は2ストIT 4ストTTと分かれていたのです。

当然 競技によって専用車を作っていたのです。

噂によれば HY戦争と言われた時代があり ヤマハ惨敗、

おまけに音楽やクルマ部門から足を引っ張っているバイク部門を切り離し 「自分で飯を食え」と なった訳です。

バイクだけで利益を出さなければならなくなって 本腰を入れて取り組んだ結果がコレなんです。

ホンダはそんな事絶対しない やったら終わりやと思っていましたが 宗一郎が亡くなって大幅軌道修正。

気が付けば同じ事をやっているのが現在です。


ホンダ宗一郎は意思まで死んでしまった と。

草葉の陰で泣いていらっしゃるだろう。


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