ある日電話での問い合わせがあった。

XR400モタード ウチの ”通勤快足”を組んでいると言う。

「最近 エンジン始動時にアクセルを開けていないとアイドリングが続かなくなった、

温まると通常通りアイドリングする。何が原因なんでしょう?」というもの。

急に気温が下がった時だったのでエアスクリュの調整だけで直せるのではないかと・・・

走行距離は? 「7万キロです」

その間に何キロでオーバーホールしました? 「してません」

”通勤快足”を組んで何キロになります? 「7万キロです」

・・・

ソレ エンジン終わってまっせ と私は答えた。

ユーザーは驚いた様子で7万キロぐらいでオーバーホールしないといけないのか と言わんばかり・・・

要は通常の状態でキャブセッティングが出ているところに

圧縮が消耗により下がり キャブの需要と供給のバランスが崩れたのが原因だ。

無知って怖いですねぇ 〜 

増して私の言う事が信頼出来ないのであれば この話は無い。

そして今ならボアアップキットがラスト1セットあるのでオーバーホール出来ると

伝えたが 当人はやや怒った雰囲気で電話を切った。

このユーザーはそのチャンスも失った。(現在そのキットはもうありません)

よくよく考えてみると 今の現状では400のオーバーホールはもう出来ない領域に入っています。

純正のオーバーサイズピストンも業者が潰れた為入手が困難、

使えるボアアップキットも在庫は尽きた。

社外品のオーバーサイズ(ボアアップ)ピストンも90日ほど掛かるのと高価、

鍛造ピストンなのでオイル消費が大きいリスクがある、

カムシャフトも代替品も無くなり HOTCAMも随分高くなっていて手が出し難い、八方塞がりです。

やはり気に入ったバイクを永く乗りたいのであれば パーツを個人でストックしておかなければ

いけない時代です。


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