Shroud Sanishi (Test Drive)

XR250 3型 (MD30)

XR250 MD30も生産終了して早16年経つんですね。

最近 見識有るユーザーの中で再認識される兆し

当ヴァイタルは二十年前から「乗って楽しい 遊び心があるバイクはMD30が最後でしょう」と

また「今後十年はソレを超えるようなバイクは出てこないでしょう」と。

言い続けてきた。

案の定 皮肉にもソレが現実のものになっている。


ただXR250のMD30のノーマルが良いと言っている訳ではありません。

ノーマルMD30は旧XLR250Rよりも明らかに劣っています。

“素性”が良いのでチューニングベースに最適だと言っているのです。

一時は当店のXRのSTD「シュラウ佐西号」(通勤特急仕様)の試乗車を置いていますが

ほとんど出番も無くなり倉庫に入れていましたが 最近MD30のユーザーさんから

試乗車に乗って見たいというオファーが増えて来ています。

久々に引っ張り出して整備を始めました。

まじまじと眺めていると この“シュラウド佐西号”も

今となってはなかなかのモノだと思ってきました。

当時はこの程度であれば特段チューニング車にあらず ただウチのパーツを組んだだけなので

言わばヴァイタルのスタンダードXRという認識でした チューニングはココから始まると言う事です。

大幅にエンジンに手を入れなくても ボルトオンパーツでコレだけ変わるという良い見本でした。

またジャマなものを省いてパーツを入替えるだけで ノーマルエンジンもこれだけ反応する

というXRの素性を垣間見える良い例です。

以前紹介したシュラウド佐西号の詳細はこちら


もう同じ仕様にするには難しい時期に入っていますが まだ通常オーバーホール・通勤快速

あるいは通勤特急(270cc)は出来るようにストックするようにしています。


あらためてヴァイタル試乗車シュラウド佐西号の現在の内容を紹介します。


当店に車両が来た時はオフロード車(F:21インチ R:18インチ)でしたが 

来客の方が「足が届き難い」と言われる事が多かったので

足つき性を優先してモタード(前後17インチ)に変更、

現在は MD30 スーパーバイカーズ仕様 フロント:19インチ リア:18インチにしている。

スーパーバイカーズとは


フロントホイルにはFTR250Gを流用 エクセルリム19×2.15巾 K190F

フロントブレーキディスク:CRF250R(Ф240mm アタッチメント製作 GHA加工済) 

軽量キャリパー&8mm軽量スチールボルト


リア エクセルリム組み換え 18×3.00巾 強化チェーンガイド リアSP:42T K180


パワーユニット:270cc(鋳造製 コンプレッション・サイドスリット 軽量ピストンピン)

強化カムチェーンテンショナー 強化カムチェーン 軽量カムスプロケット 軽量ロッカーアムR.EX

ボーリング:超細密加工 カムシャフト:WBエンデューロカム 強化バルブスプリング(チタンリテーナー付)

フライホイル超軽量加工&パルス進角加工 AI削除 大口径ブリーザー

ダイレクトイグニッション アーシングシステム


キャブレター:京浜PJ36オーバルフラット

OPT.)Boyesenスーパーボウル 整流板 フォーランナー加工

ビッグコック&8mmヒューエルホース


セルレス:セルモーター、スターティングドリブンギア、アイドルギア、リダクションギア&シャフト

ワンウェイクラッチなどを削除する事により従来のフライホイルの5割近くの軽量化が実現。

バッテリーも含めると5kg前後の軽量化が出来る。

またセルモーターが無くなる事によりキャブレターへのアクセスが非常に楽になります。

そしてオイルデリバリーパイプを距離が短いME08に変更。

ノーマルシフトペダルは個体差があるものの下げた時にステップの付け根に干渉するものも多く

ギア抜けの原因になる事からソレを回避出来るペダルに変更。


MD30はドライサンプ採用によりオイル冷却は強力です。

しかし低オイルグレードや暖機が不十分な時にロッカーアム・カムにカジリが出る場合があるので

対策としてカムに向けてのラインにカム専用のオイルクーラーを配置しました。


特異なレスポンスを引き出す為の集合が早いヴァイタルオリジナルヘッダースを装備

ヘッドの冷却を促進する為にオーバークーリングシュラウド・プラグホールシュラウドを製作配置。


純正のフォークプロテクターはインナーチューブが見え難く 知らない間に錆びている事があります。

プロテクターのサイド側を削除して目視出来るようにしています。


リアサスには当店オリジナルスーパーデルタプロリンクを装備

ノーマルスイングアーム・リンク類・リアショックASSYすべてを外し 入れ替えます。

スイングアーム本体はノーマルよりも軽量で 長さは5cm長いのが特徴。

L型リンク採用でリアホイルの動きに対してリアショックはノーマルの1.5倍動きます。

モトクロッサー以上にしなやかでリバウンドが無い動きをします。(俗称:猫足)

リアビッグローター(240mm) リアキャリパーピストンをアルミに変更。


スーパーデルタプロリンク リンク周り


曲がり難いスチールキックアーム ノーマルに比べ短めでキックしやすい。

クラッチには焼けにくく空きにくいFCCクラッチディスク&重量1/3のGHAアルミクラッチプレート

強化シフトカム クラッチレリーズの角度が調整出来 カバーの脱着が楽になるシステム。

タンク一体式リアブレーキマスター


ヴァイタルオリジナルPowred muffler Mk.W(最終型)

構造はまるまるメガホンマフラーで旧タイプに比べ容量を減らし テールエンドの絞り角を鋭角にし

より吹き上がりのシャープ化を実現しました。

昔より社外品やワンオフ 海外品など試してきましたが パワー重視だと音量が大きい、

音量を基準値以内に設定されたマフラーはパワーが出ない どちらかしかありませんでした。

特に当店で使っていますPJキャブのフルパワーのジェッティングは決まっていて

フルパワーのジェッティングで音量の規定値をクリアしているマフラーは初めてです。

ジュラ材で作ったので軽いのは当たり前の1.8kg。


リアから見るとサイドカバー裏側のスペースはバッテリーレスもあり広くなっています。

モトクロスタイヤを履いてもマフラーを擦ったり バッテリーBOXを削るようなトラブルはありません。

バッテリーBOXのスペースが空いた分 クロスメンバーを追加してサブフレームの補強も施しています。


フロントブレーキマスターは新型“バキっ”と効くブレーキシステム&ケブラーホースに変更

腕上がり防止のハンドルダンパー マニュアルデコンプ ヘッドライトオンオフスイッチ


クラッチレバー周りは遠い近いの調整 走りながらでも遊びを調整出来る機能あり

ホルダーもレバーも鍛造製


ライトマスクはCRF-Xに変更 マルチリフレクターの35W

この仕様はダートの上でモトクロッサーのCR125Rと同等の加速をします。

以上

またOPTで

1台でいろいろ楽しむ為に前述の各種ホイルや 外装もスプリント用にA-LOOPキット

ロングツーリング用にIMSビッグタンク アルミリアキャリアも用意しています。






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