今、ヴァイタルに試乗車のMD30 3型がある。この仕様は当店が試乗車目的で製作したわけでなく イチユーザーが
新車で購入したところから話が始まる。このユーザー(ハンドルネーム:シュラウド佐西)は私(47歳)より若干年齢が
上の方で10年ぶりぐらいにバイクに乗りたくなりMD30 3型(オフモデル)を新車で購入、しかし 以前乗っていた
XLR250Rより気のせいか走らない と思っていた。パソコンで検索したところ当店のHPがヒットし 案の定その事
ずばり書いていたのでAI解除システム、”通勤快足セット”を組みに来店。私たちの年代は大体お金が無かった
せいもあり 2ストにしろ4ストにしろ雑誌や友人から聞きかじった知識を基に自分でバイクをイジってきました。
勿論失敗も多く そのツケを多く払ってきたものです、その経験が肥やしとなってどのくらいやるとどのくらい性能や
フィーリングが変わるかが想像出来るわけです。その頃は当店には試乗車が無かった為 体感してもらう事が出来
なかったですが・・・ シュラウド佐西さんも何となく仕上がったバイクの想像はしていたようですが いざ完成し乗って
みると自分の想像をはるかにしのぐもののようだったそうで それからもうズボハマリ。すぐにどうせ新車の慣らしを
するくらいであればいち早くプラスHOTCAM、等々にグレードアップを行う。主にツーリングユースでワインディング
を楽しんで走られていたようだ。走り込んでいくうちに 加減速が飛躍的に強力になる為 フロントブレーキとフロント
サスのプアーさが目立ち始め再度相談来店。”バキッと効くブレーキシステム”とフロント強化”ステージT”を組み込み
いつものワインディングへ。組んだところは大満足だがリヤブレーキの甘さが逆に目立ち始めたのでリヤビッグ
ローターを装備。他店でリヤショックをソフト目にリファインしたようだが全般的には満足する仕上がりになったようだ。
思った時にアクセルをヒトひねりするとタイムラグ無く加速はするし 前後ブレーキもコントローラブル そしてサスも
踏ん張りを見せるのでノーズダイブも少なく思ったところにマシンが向いてくれると当人絶賛、走りに行くのが楽しくて
仕方ないようだ。そんな時慣らしも終わりアクセルを開けていくうち もうヒト伸びして欲しい時に回転が止まってしまう。
精神的にストレスが溜まる と 来店。当時シュラウド佐西号にはお勧め出来ないマフラーが付いていたので その
せいでセッティングが従来通り出ないと思ってセッティングやマフラーを変えたのだが加速やレスポンスは良くなったが
いつも同じところで回転が止まってしまう。その場では対応出来ないと判断し預かる。その後引き続きいろいろやったが
まったく改善が見られず暗礁にのり上げてしまう、もしかして電気的なリミッターが設けてあるとしか思えなくメーカーの
方に確認したところ ”よく分かりましたねぇ 販売から1年経ちますけどその間指摘してくる販売店は一つも有りませんで
した”と・・・誉められてるんだかナンだか。ピーク回転を超えて回すと排気ガスが汚くなるので9.700rpmで止めたの
です と。思わず”止めるなぁ〜”と突っ込んでしまいました、逆に低いレベルでノーマルMD30はバランスを取っている
ことに関心したものである。プアーなエンジンフィーリングでは強力なブレーキは要らないしサスも乗り心地優先のフワフワ
サスの方がウケが良い。マッタリした加速フィーリングであればピーク回転を過ぎれば如実にパワーが落ちた感覚になる
ので必然的にシフトアップするわけだ。だからリミッターが効く回転域まで回さないと・・・なるほどねぇ〜 しかし DOHC
のクセに10.700rpmしか回らない他メーカー車を笑えなくなった、XLRでも12.000rpmは回った。すぐに”リミッター
解除キット”製作に着手、完成。そうです リミッター解除キットはシュラウド佐西さんのおかげで出来たのです。また
しばらくすると”すぐにはやりませんけど もうヒトランク上にパワーアップするにはどうやったら出来ますか?”と聞いて
来られたので私は”キック派ですか セル派ですか?”と聞いたところ 流石に私と同年代だけあってつかさず”勿論
キック派です”と言う答えが返ってきた。今のMD30のセル機構のデメリットを説明し フライホイルのワンウェイベアリング
を外す事でフライホイル自体の重量が激的に軽くなり PJキャブの良さが飛躍的に目立つようになると説明した、
すると”すぐにやって”と言われるので 思わず”やるんかい”と突っ込んでしまいました。こうしてセルレスキットも完成し
同時に某モタード雑誌の取材もあったので車両を拝借し 試乗インプレとなった。関東、関西のチューニングショップの
主力店を回ってウチが最後だったらしく テストが終わりさりげなく聞いてみた”いろいろチューニングショップを回って
きたと言われていたけど何処のショップのが速かったか?”と。私はいつも上には上がいると思っているのでその
ショップのやり方を勉強しよう と思っていたからだ。するとすぐ答えは返ってきた”ウチのが一番で ダントツです、
話になりません”と。私はガッカリしました、その雑誌が出て記事の内容を見てその事は一言も触れられていなかった
ことでも”ガクッ”ときましたが・・・シュラウド佐西さんに現車を渡し 数週間、もうその仕上がりが大満足で走るのが
嬉しくて仕方ないとのことでやってよかったと製作側の至福を私も味わっていました。その後 仕事の都合でバイクを
手放さなくてはいけなくなりどうすればこのMD30が役に立つかを考えたところ ヴァイタルの試乗車として皆さんに
乗ってもらうのが一番だと思われたらしく 申し入れが有りました。凡人であれば売ってお金にするのが当たり前のところ
”MD30に乗っている方にこの感動をどうしても伝えたい 同じ感動を味わって欲しい”と思われたようです。しかし結構
ここまで車両代を含めお金が掛かっているだけに気が引ける、あまりの熱心さに私の方が負けてしまい、有難く受け取る
事になったわけです。ですので 秘密の田口仕様ではなく一般の方がウチと相談の上 通常パーツで組み上げた
ものなのです、だからより身近な仕様として見て頂ければと思います、まったく同じ仕様に出来るバイクなのです。
試乗された方のほとんどはあまりにもノーマルとの違いに驚かれます、良く言われるのが”乗りやすいですね”とか
”車体が軽く感じますね”と言うのが多い。この270の”通勤快足”仕様はXLRの頃よりの定番で ここぐらいまでが
ノーマルベースと思っていて 何らリスクを負う事無く、エンジン寿命はノーマルと同じ メンテ系もノーマルと変わらず
特段気を使うことも無い。チューニングの”チュ”の字にも入りませんし、当店のパーツをポン付けしただけの事です。
チューニングはここから始まりもっともっと速くなります。
シュラウド佐西号良い仕事してますねぇ〜。百想像は一乗にしかず まず自分にとってメリットが有るものか乗って見て
判断して下さい。
ただし 暇つぶしの物見うさんやバイクにイタワリの無い方はどうぞご遠慮下さい。
‘07 9月 イチユーザーのインプレです。
毎日暑い日ですが田口さん、お元気ですか? お盆前に持ち込みを御願いしてもらったMD30ーXRバハです。 まだ走り慣れていないながらもインプレします。
自前でオリジナルヘッダース、プロスキルサイレンサー組み込み、さらに持込で通勤 快速、リミッター解除、AI解除の組み込みを御願いしました。
持ち込んだ日の試乗車は一言でいえば同じXRには全く思えませんでした。 レスポンスや加速感があまりにも違いすぎて、バハとの重量の差かボアアップや軽量 化が進んでいるからこの軽さが生まれたのかなぁ〜と思ってしまうほどでした。ある 意味、車種の違いというようなイメージさえ持ってしまいました(笑) 自分のはデュアルライトに加え、ラフロ風防、キック、バッテリー、アルミ芯ハンド ガード、キャリア等々、軽量化とは言えないほど装備していますからね。
そして完成後。 あの引取り時の感動は忘れられません。 暖気後のスロットルの軽いあおり… まさに自分のバイクでは経験していないレスポンス… 呼応する吹き上がる回転音… 予想をしていなかった仕上がりでした。 帰りの高速道ではまさに狼でしたよ(笑) 特にバランスというか、安定感のある走りが難なくできるのには驚きました。 ギアのピークパワーの位置がわからないので、適当に繋いでもギクシャクすることの ない走り、欲しいだけの加速とトルク…、速度100キロからの鋭い加速はノーマル では考えられない!デジタルメーターが101、102、103…と確認できないほ ど早く変わっていくのは初めてみましたよ(笑) 気になる燃費もノーマルでは26〜27くらいだったものが、距離200キロでリッ ター29、6。明らかに上がっていました!バランスの悪いチューンではこうはなら ないでしようね〜 ただ自分自身が慣れなければならない部分もありますね。 一つはノーマルとは違う始動時のコツ、二つ目はPJ、ハイスロの特徴(?)でもあ る、減速時はエンブレよりブレーキの方に重点が置かなければならない点。そして三 つめは排気音の配慮。 生まれ変わったバイクを操る楽しみが増えた日々になりそうです。
またオーバーホール等の折りには宜しく御願いします。 では失礼します。
------------------------------------------------------------
`07 GARRRR誌 11号 中折れに”シュラウド佐西号”試乗インプレが載っています、当店の広告宣伝と
合わせ 読んでみてください。
注)皆さんはスーパーバイカーズと言うカテゴリーがあったのを憶えておられますか?1980年代前半 確か4年ほど
アメリカで開催された競技です。何でも一番を決めるのが好きな米人は3部門:ダートトラック ロード モトクロスの
ライダーの中で誰が一番速いのかを決める為にライダー発案で行われた年一度のイベントでギャラリーシャットアウト
で行われた。規格はフロント:19インチ リヤ:18インチで規定のタイヤと言うだけ。ダートトラックではハーレーなどの
機種で ロードやモトクロスは2スト450〜500ccのモトクロッサーベースでサスストロークは殺さずホイルを取り付けた
だけ(最後の方はリックジョンソンなどがTT600で参加したが健闘も叶わず予選落ち)。コースは1/3はロード、1/3は
フラットダート、1/3はモトクロスコースとそれぞれ公平を期す為に1周が作られている。このレースでいずれもウィナーは
2ストモトクロッサーベースのマシンでした。今のモタードと違いオンオフ両方走れるマシンの規格のモデルなのです。
ご来店の方には依頼があればその当時のレースビデオをお見せします。
=現在のシュラウド佐西号の仕様=
パワーユニット
・AI解除システム ・リミッター解除キット ・ロード用ハイカム(試作) ・チタンリテーナー付き強化バルブスプリング
・GHA加工アルミクラッチ ・PJ36キャブキット&ボイセンスーパーボウル
・オリフィスボルト ・ヴァイタルオリジナルヘッダース ・モリワキスリップオンマフラー
備品:強化カムチェーン 軽量カムスプロケット 強化チェーンテンショナー 強化シフトカム 温度センサーテープ
その他
・アーシングシステム ・カム専用オイルク−ラ− ・セルレスキット ・ビレットタペットキャップ
・エアクリーナーエレメント(ノーマル)&インナーエレメント
サスペンション
・フロントフォーク(ノーマル)&ステージTキット
・リヤダンパー(ノーマル)&社外品ソフトスプリング→リンクレバー比:ノーマル
ブレーキライン
”バキッ”と効くブレーキシステム(フロントローター:ノーマル径) ・リヤビッグローター
ホイル
・フロント:100/90−19(リム幅:2.15) ・リヤ:120/90−18(リム幅:3.00)
その他の装備
・アルミアンダーパイプ ・CRF‐]ライトマスク ・ライトオンオフスィッチ ・T−リングチェーン ・オリジナルシートレザー
・ロード用ステップ ・CRFBKディスクカバー ・モタード用チェーンケース ・ローレット型シフトペダル
2次減速 F:13T R:42T キーレスタンクキャップ
使用オイル:カストロール R‐4 1.7L