CRF250Fのエキゾーストパイプは従来の200系と同サイズです。

その細さであのパワーを出せるのはホンダの最新テクノロジーの賜物。

しかしノーマルエンジンでありながら最大限パワーを引き出す為に

より多くの空気の流れを速くする必要があります。

ただ工夫も無く太くするだけなら低速が弱ったり 回転上昇に間延び感が出たりします。

それを解消する為に押し戻し効果があるチャンバー構造が最適です。


1984年ホンダはATACと言う排気チャンバーシステムを2ストに導入しました。

中低速のトルクが随分太くなります。

市販車ではBEET50

このホンダ・ビートは、コンパクトな半球型燃焼室を採用した最高出力7.2馬力の水冷・2サイクル・49ccエンジンを搭載。さらに、低回転域と高回転域でトルクの2段階切り替えが可能な新設計の※V−TACS(可変トルク増幅排気システム)を採用。これらにより、力強さとなめらかな走りを実現させている。

NS250F/Rにも採用されていた。 <HONDA HPより>

------------ Wait a little time -----------

2016〜19年までレーサーのCRF250Rにはエキゾーストにサブチャンバーを設け

排気脈動を緩和させ流速の均一化を測っています。

------------ Related to the previous -----------

また社外品で見た目チャンバー構造をもったエキパイもあります。


しかしそのメーカーの画像には本来のチャンバーではなく排気脈動を緩和させる構造であります。

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そこでとりあえず試作する事になりました。


左:試作第一号 Ф38       右:ノーマルエキパイ Ф29



製作にあたりひとつの懸念がありました、ある回転域でトルクの谷や息づきが出るのではないかと。

しかしその症状はまったく無く 狙い通りトルクアップとレスポンスアップが実現されました。

ライバル店や他所で買ったユーザーに このPGM-FIシステム(CRF250Fは市販車と異なる)の特性を

詳しく教える訳にいかないので詳細は書きませんが・・・

理解していればオーナーさん次第で最大20%以上は性能アップが見込めます。

またその上で取り付けるパーツや加工次第でより特化した性能に変貌します。

------------ Subsequently -----------

試作第一号の結果を受け 改良型第二号に着手。

太さは同じФ38ですがよりレスポンスアップの為トータル距離を短く、

チャンバー効果(押し戻し効果)をより引き立たせる輪切りチャンバー型としました。





フランジは第一号同様 ジュラ材の削り出し


上:試作第一号(チャンバー・モナカ型) 下:第二号(チャンバー・輪切り型)

そして来るべき日の為(マフラーをPowerd Muffler に変更) マフラージョイント部を切り落とし

従来の250サイズに付け替え。



試作第二号ヴァイタルオリジナルヘッダースが完成した。













=インプレ=

加速レスポンスもさることながら トップでの巡航からのヒトひねりで

トルクのズ太さ 粘り 吹き上がりの力強さは一段と強くなった。

エキパイの構造・役割をしっかり把握していれば それの良いところを応用してやれることで

コレ1本で見違えるほどの力を発揮してくれる。


機械は正直で面白い。


※なお コレと同じものをとオーダー頂いても材料がありませんので製作出来ません。

今のところ世に出ているCRF250Fの数が少ない為 量産の予定もありません。

チャンバー無しのФ38ヘッダースは単品製作致します。


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