4サイクルモトクロス”サウンド オヴ フォ−”参戦に当たり YZ400Fが発売される前までは従来のチューニングで充分で
あったが 2ストエンジンに取って代わる4ストエンジンが専用に開発されYZ‐Fが出てきてはそういうわけにいかない。
2ストと同じようなレスポンスを生む為に 超ショートストロークレイアウト、軽いクランク フライホイル、DOHC化、チタン
バルブの採用は必須アイテムで当然そういうエンジンを作ってきた。しかし 一般市販車改造ベースで戦うにはそれ相当な
加工が必要である。そこで考えたのがクランクマスの軽減軽量化、フライホイルの軽量化、エンジン本体のパワーアップなど
エンジンに付いてはマル秘カム、420cc化の実施(以前はHRCカム、ピストン) すでにポート研磨、バルブ軽量、
強化スプリング(チタンリテーナー)などは組込み済み ストローカーエキパイ、オリジナルオールステンマフラー(限定10本)
は実施済み。
まずクランクのバランサーを外し クランク本体で軽量しつつバランスを取る、そしてフライホイルは160gのインナーローター
を採用する。これで腰下はかなりの軽量化が出来 相当のレスポンスが見込め 早速作業に取り掛かった。
バランサー本体 その両サイドベアリング×2ヶ クランクのバランサータイミングギアが削除出来る
クランク内レイアウトはこのようになる クランクウェイトを触れるところはそうそう聞いた事が無い ウチの強みだ!
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エンジンが完成し 始動、レーシングではYZにも引けを取らないレスポンスだ。PJのハイスロをいくらラフに開けても
ボコ付きは出ず付いてくる、これはいけるぞ!!1軸クランクなので低回転から高回転までまったく振動を殺す事は
出来ない、振動が出る周期が有るので低回転でその振動が出るように持ってきて高回転は振動が出ないように
バランス加工を施した。
さて 実走行(店の前の舗装路)、まずゆっくりアクセルを開け各ギアの雰囲気を見る。クランク加工も正解で
実走行では振動は感じられない、もう一度止まり今度はフル加速を試してみよう。
その時はノーマルミッションでしたので(クロスミッション未装着)2速発進 クラッチミートと同時にホイルスピンを起こし
3速にシフトアップまでスピンが続く、3速に入ってもスピンは続き中速を過ぎたぐらいからフロントが持ち上がってくる。
アクセルをやや緩めフロントが下がって4速にシフトアップ リヤがグリップしている事を確認後再びアクセルオン。
そうしたらリヤがグリップを失い左右に振り蛇行し始めた、その時は結構スピードも載っていたのでビビッてアクセルを
戻してしまいした。失敗だ!! やり過ぎた・・・ 舗装路でグリップを失うぐらい強大なパワーとレスポンスはオフでは
使えない アクセルレスポンスがシビア過ぎて疲れてしまう。しかし YZでもここまでは行かないであろうエンジンパワー
がXRで出ることが確認できた事はかなりの収穫だった。このレーシングクランクは日の目を見る事無く 即 お蔵入り
になった。結局 ノーマルクランクとバランサーに戻し インナーローターのみの仕様で”サウンド オヴ フォ−”に
望む。その時はオープンクラスに私が乗り オープンプロクラスにIAライダーに貸し出ししていた為 IAライダーの
意向に合わせ載ってフィーリングを見てもらう事にした。今まで参戦してきたレースはすべて自分が乗ってきましたが
このオープンプロクラスは文字通りA級さんなど”手ダレ”が出るクラスなのです。当然 XRで出ているのはウチの
1台だけ あとはYZ、フサベル、KTM、ATKなど最新鋭の4ストマシンですのでこの中で成績が出れば遣り甲斐が
ある。早速載ってもらうと何度周回を重ねてもA級さんしか飛べない2連ジャンプ(長い下りの後 左120度鋭角ターンし
すぐに2連があるレイアウト 助走が短いのでテクがいるのです)が飛べないようで ピットに帰ってきて聞くと
レスポンスが良過ぎてリヤがグリップしないから助走が付けられないとの事。そこでノーマルフライホイルの超軽量に
戻したら難なく飛べるようになった。
いろいろやってみて勉強になるわ〜