=圧縮比を設定=
パワーを確保する為には 高圧縮が前提になるがピストンの動きに抵抗になり 回転を
上げにくくなる、その回転を無視するとすれば良いのだが 今回は高回転化を前提とする
為 折り合いの良い設定が必要になってくる。カタログデータ 9.0:1であれば上げ
ざるを得ないが 測定結果 10.5:1と判明した今 そのままのレシオでいく事にする。
=吸排気=
キャブベンチュリーを設定回転から算出し キャブレターVMφ28を採用し(ノーマルVM
φ24) ピックアップを良くする為に短いインシュレータを選定(ハイスロ開度50度の
組み合わせ)、ポート径を低速のレスポンスも考慮しφ26に合わせポーティングし、
排気系もそれに合わせ研磨(やや細め)。ポーティングに当たり80から230までの
特徴であるバルブガイド付近の肉を大幅に削除、混合気の流速を上げる為には
必須となる。排気系はツインエキゾーストで実績を実証済みのオリジナルφ32ステン
レスエキゾーストにメガホン構造の組み合わせ。
=ハイカム=
エンジン特性を決定付けるのに最も重要なパーツにカムシャフトが有る。この度採用した
カムは完全ビレットタイプでリフトも高く、オーバーラップが広い。そして リフト形状が丸い
タイプですので フラットで高回転まで良く延びるタイプです、しかしノーマルカムホルダー
が重く回転の急激な上げ下げの妨げになると共に 細いカムチェーンにも負担になります、
そこで このカムホルダーの大幅軽量に成功しました。ノーマル140gが70gまで落ち
回転慣性が1 / 4まで軽減出来ます、これはかなりの効果が得られそうだ。
=動弁系=
高回転化に必須のハイカムを使うわけですが 当然 オーバーラップとリフトが大幅に
大きくサージング域の高回転化も目指さなければならない。バネレートが高いスプリングは
圧縮するのにパワーを取られる為に それを抑えたい。今回はノーマルスプリングを使い、
その代わりバルブ、リテーナーを軽量化し それを実現する、そして レートアップシムで
バネレ−ト若干上げて補助する。
・リテーナー ノーマル→9g チタン→5g
・バルブ軽量化 ノーマル IN→35g が 33g ノーマル EX→36g が 31g
=ピストン&クランク=
高回転に対するピストン リングの消耗、圧縮漏れ防止の為に 定評有るコンプレッション、
サイドスリット加工をピストンに施す、クランクは重心の位置を変えない 1 / 4 軽量加工&
センター出し、動バランスを施し、基本であるバルタイも取る事は言うまでも無い。
また フライホイルは超軽量(CRF150Fの場合は28%ダウン)。
=電装系=
言うまでも無く おなじみの強化イグニッションシステムの導入に加え アーシングシステム
に加え 高回転の追従に備えNGKレーシングプラグを組み合わせる。また 進角が早く
リミッターがかなり高回転(おそらく17.000rpm)で設定されているタイプのAC.CDIと
組み合わせる。
・φ41正立フォーク(カートリッヂフォーク&ダンパー調整付)
・フロントフォークスタビライザー
・アンダーブラケット〜アルミ鍛造製
・リヤショックコンプレッションレート変更・・・ストローク2cmアップ
車高2cmアップ
・フロント・リヤ ブラックアルマイト
・10mmナット→軽量薄型フランジロックナットに変更
CRF150Fのチューニングで最大排気量は150改240ccを製作したことがあります、ストロークアップ並びにボアアップで
240ccになります。これぞ”大人げ無い仕様”です、セルの無い軽い車体に230よりハイパワーなパワーユニット。
一応出来る事をここに表記しておきます、詳しくはゴソウダン下さい。
XL200Rなどの古くからこの形式のエンジンは キックギアが欠けるトラブルが定番であります、
CRF150Fも例外ではありません。当店のRVS150Rもキックギアが欠けてしまいました、これはギアのピッチが
細かいせいです。200の場合キックラインはクランクケース内に有るので全バラになり チョッと厄介です。
当然 対策のキックギアはありますので 紹介しておきます。