CRF150F 吸排気チューニング

前項で述べた通り CRF150Fのエンジン特徴 ボア×ストローク

63.5mm×49.5mmと言う ショートストロークを最大限に

引き出し 排気量をそのままに さらに高回転ハイパワーを目指す

エンジン仕様を製作して見る事に決定した。


=圧縮比を設定=

パワーを確保する為には 高圧縮が前提になるがピストンの動きに抵抗になり 回転を

上げにくくなる、その回転を無視するとすれば良いのだが 今回は高回転化を前提とする

為 折り合いの良い設定が必要になってくる。カタログデータ 9.0:1であれば上げ

ざるを得ないが 測定結果 10.5:1と判明した今 そのままのレシオでいく事にする。


=吸排気=

キャブベンチュリーを設定回転から算出し キャブレターVMφ28を採用し(ノーマルVM

φ24) ピックアップを良くする為に短いインシュレータを選定(ハイスロ開度50度の

組み合わせ)、ポート径を低速のレスポンスも考慮しφ26に合わせポーティングし、

排気系もそれに合わせ研磨(やや細め)。ポーティングに当たり80から230までの

特徴であるバルブガイド付近の肉を大幅に削除、混合気の流速を上げる為には

必須となる。排気系はツインエキゾーストで実績を実証済みのオリジナルφ32ステン

レスエキゾーストにメガホン構造の組み合わせ。

=ハイカム=

エンジン特性を決定付けるのに最も重要なパーツにカムシャフトが有る。この度採用した

カムは完全ビレットタイプでリフトも高く、オーバーラップが広い。そして リフト形状が丸い

タイプですので フラットで高回転まで良く延びるタイプです、しかしノーマルカムホルダー

が重く回転の急激な上げ下げの妨げになると共に 細いカムチェーンにも負担になります、

そこで このカムホルダーの大幅軽量に成功しました。ノーマル140gが70gまで落ち 

回転慣性が1 / 4まで軽減出来ます、これはかなりの効果が得られそうだ。


↑ VM28キャブレター

↑ オリジナル ステンレスエキパイ

↑ メガホンマフラー


=動弁系=

高回転化に必須のハイカムを使うわけですが 当然 オーバーラップとリフトが大幅に

大きくサージング域の高回転化も目指さなければならない。バネレートが高いスプリングは

圧縮するのにパワーを取られる為に それを抑えたい。今回はノーマルスプリングを使い、

その代わりバルブ、リテーナーを軽量化し それを実現する、そして レートアップシムで

バネレ−ト若干上げて補助する。

・リテーナー ノーマル→9g チタン→5g

・バルブ軽量化 ノーマル IN→35g が 33g ノーマル EX→36g が 31g


=ピストン&クランク=

高回転に対するピストン リングの消耗、圧縮漏れ防止の為に 定評有るコンプレッション、

サイドスリット加工をピストンに施す、クランクは重心の位置を変えない 1 / 4 軽量加工&

センター出し、動バランスを施し、基本であるバルタイも取る事は言うまでも無い。

また フライホイルは超軽量(CRF150Fの場合は28%ダウン)。


=電装系=

言うまでも無く おなじみの強化イグニッションシステムの導入に加え アーシングシステム

に加え 高回転の追従に備えNGKレーシングプラグを組み合わせる。また 進角が早く

リミッターがかなり高回転(おそらく17.000rpm)で設定されているタイプのAC.CDIと

組み合わせる。

↑ 高進角タイプCDI 強化イグニッションシステム


2月16日現在でほぼ上記の仕様は完成し 凄く良い感触を得ています、

想像以上のピックアップ レスポンスで実走行が楽しみです。

フィーリングはガルルカップ第2戦レポートをご覧下さい。


CRF150F倒立フロントフォーク完成


待望のリヤサスペンション製作成功

念願のCRF150Fのリヤサスユニットに大容量ピギーバック付きアルミボディの

ショックユニットを移植開発に成功しました。リヤサスストロークも40mmアップの

240mmを実現。ダンパー調整機構も付いており、勿論オーバーホール可能。

サスタッチはノーマルより初期作動がソフトで全域にダンパー感溢れるものになって

います、中盤からはプログレッシブ効果でグンと踏ん張り感が増しビッグジャンプにも

リバウンドする事無く、即加速体勢に入れる腰の強さが特質です。

車体軽量、サス性能大幅アップを同時に実現する事に成功致しました。

ただし 難点は取り付けには要加工で出来れば持ち込みに限定したいところだ。

熟成中!



CRF150Fのホイルリムをエキセルリムに交換しようと思っていましたが サイズの

規格が無く断念。ブラックアルマイト加工をするのに兼ねて ホイル回りの軽量化を

実施する事にする。ハブ内のカラーやスペーサーはスチール製でジュラルミンを

削り出し製作する事にする。

= バ ネ 下 軽 量 =

   ノーマル(g)  スペシャル(g) 車体換算
 フロントホイルディスタンスカラー  80g →  33g → 141g
 フロントアクスルカラー  30g →  12g → 54g
 リヤホイルディスタンスカラー  146g →  56g → 270g
 リヤアクスルカラー  57g →  25g → 96g


現在の仕様

・φ41正立フォーク(カートリッヂフォーク&ダンパー調整付)

・フロントフォークスタビライザー

・アンダーブラケット〜アルミ鍛造製

・リヤショックコンプレッションレート変更・・・ストローク2cmアップ

  車高2cmアップ

・フロント・リヤ ブラックアルマイト

・10mmナット→軽量薄型フランジロックナットに変更


CRF150Fのチューニングで最大排気量は150改240ccを製作したことがあります、ストロークアップ並びにボアアップで

240ccになります。これぞ”大人げ無い仕様”です、セルの無い軽い車体に230よりハイパワーなパワーユニット。

一応出来る事をここに表記しておきます、詳しくはゴソウダン下さい。


CRF150Fに 新考案 試作第1号

”デュアルエキゾースト”装備

兼ねてより 考案していました”デュアルエキゾースト”第1号が完成

致しました。マフラー部分を2分割、内容量を稼ぎトルクアップ、

高速の伸びに貢献し 適度な排圧を掛ける事で同時にレスポンスや

シャープ感が増します。



XL200Rなどの古くからこの形式のエンジンは キックギアが欠けるトラブルが定番であります、

CRF150Fも例外ではありません。当店のRVS150Rもキックギアが欠けてしまいました、これはギアのピッチが

細かいせいです。200の場合キックラインはクランクケース内に有るので全バラになり チョッと厄介です。

当然 対策のキックギアはありますので 紹介しておきます。


上が従来のキックギア3兄弟、下が対策のキックギア3兄弟
一目瞭然でギアのピッチの違いが分かる、上の中ほどのギアの上部1枚が欠けた


対策のキックラインはご注文頂ければ製作致します

・・・商品価格¥20.570‐ 税込価格(8%)¥22.215‐(H30 2月改定)

もうすぐ生廃です


加速ポンプ付きPD24

エンジンなどノーマルでグレードアップをお望みの方にはうってつけかも!・・・


これを期に市販化を目標に更に開発を続けていきたいと思います。

ご期待下さい。

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