久しくXR250R(ME06)のオーバーホールが入っていなかったが昨年末入庫しました。

それもリアドラム1988年製

新車から乗っている車両で距離 26.000km

イマドキこんな綺麗にキープされているXRがあるだろうかと思うほどピッカピカ

さぞ大事にされているのが見て分かる。

以前にも書きましたがオーバーホールパーツは生廃が進む中 通常ではもう出来ません。

ウチでもあと数台で終わろうとしています。


オーバーホール内容をオーナーさんと話す中 今後長持ちする内容で任せてくれました。

気合が入ります。

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腰上を開けてみた。

オイルを落とした時 汚れも無く非常に綺麗でした。


まずは上からカムシャフトとロッカーアーム

ME06系には珍しくカムに巣は出ておらず ロッカーアームも削れは見られない。

ただ排気側が減りが見られO/H後 同じ距離までは耐た無いだろう事と ロッカーアームフェイス面の

ストレスによる線が入っている、こういう部分は残さず入替える。

シャフトは中空をチョイス

そしてタペットノイズの定番 排気サブロッカーのウェーブワッシャーのヘタリ。

カムシャフトの選択をオーナーさんに選んでもらった。

1.)ME08コンペカム流用トータル ⇒ 計)¥56.620‐(税別)

2.)HOTCAM流用トータル ⇒ 計)¥55.280‐ (税別)

3.)当店秘蔵のハードカム ⇒ ¥50.000-(税別)

ウチのお勧めもありBのハードカムに決定。

------------ Subsequently -----------

燃焼室はお約束のクラックも無く 綺麗な方

次にピストン・シリンダー


どんな丁寧に扱っても距離により摩耗は避けられない 大きな段付き摩耗が・・・


通常ランドにカーボンが溜まっていくが 限界を超えるとピストンの首振りでそのカーボンが

擦れて消えてゆく、そしてピストンの腹に擦れ跡が残る。道理でキックが軽い訳だ。

しかし暖機やオイルの管理はしっかりされているようでピストンの焼けも少なく

ピストンピンも普通に抜けた。

驚く事にクランク&コンロッド大端にまったくガタが無く 新品同様の状態。


続いてクラッチ側

カムチェーンの伸びとテンショナースライダー面の硬化 要交換。

長持ちの必須アイテム“強化オイルポンプ” 残り僅かですが惜しみなく投入。

クラッチも新車時から換えてないようで新車時にしか入っていないクラッチディスクが入っていた。

ストレーナーの掃除を終え パーツ組込。

パルサーのクリアランスも忘れずに

この年式は6oボルトに5mmヘキサのフランジボルトが使われている。

舐める原因になるので6o軽量スチールボルトに入替え。


非常に綺麗だ。オイルフィルター O-リングも入替え


ボーリングは勿論 超細密仕上げ


ピストンにはコンプレッションスリット&サイドスリット加工


ピストンピンは軽量タイプ


バルブ擦り合せにカーボン除去


ヘッドも焼けなく 非常に綺麗、ステムシール交換にスプリング組み付け


シリンダー&ピストン組み付け


NEWタイプ6oロングスタッドボルト


今や“幻のハードカム” カムスプロケットはメーカー生廃パーツ


ロッカーアーム 中空ロッカーアームシャフト ウェーブワッシャ入替え


ヘッド、インマニ、シリンダーサイドも6o軽量スチールボルトを投入


コレが通常オーバーホールに長持ちアイテムです。

------------ Now finally -----------

仕上がったME06です。

隅々まで綺麗なME06をご覧下さい。

気が付く人はかなりの“通” タンクは600です。ビッグタンクとして使えるのです。


なぜリアディスク型のマフラーが?・・・


ハンドルまでノーマル


昔 サブフレームは外していたが 今となっては貴重品

実に美しい

見習うべき1台です。

別に置物ではないので乗るのがもったいないと言うのではなく

使うだけ使ってちゃんとメンテしてやれば見た目でオーラを放つものです。


ME06やMD22 FTR250Gユーザーさん 

オーバーホール もう後が無いですよ〜

正常性バイアスに支配されないように!



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