XR250R (ME08)

最近のユーザーは競技用XR250Rの存在は名前だけは知っていても 本来の性能までは詳しく知らない人が

増えてきているのは事実です。”MD30とそんなに変わらないだろう”なんて思っている人も要るはず。

XR誕生とともにXLRの歴史も始まった、そのグレードの差は歴然で”日本のメーカーなのに何故国内販売は

三味線弾いたようなモデルしか出さず 海外向けにのみ本格的なモデルを出すのだろう”と思ったものです。

一時期その差が若干縮まった時期もありましたが 今やXRの名にふさわしくないとまで思うぐらい大きく差が

広がってしまった。しかし ベースが同モデルると言うのが幸いで同じレベルまでに引き上げる事も可能だし

”地上最強のXR”を作ることも夢ではない。古きを尋ね 新しきを知る。


温 故 知 新


あらためてホンマモンのXRを掘り下げて徹底検証してみよう。

メーカー情報

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新設計エンジンを搭載するなど不整地での走破性を一段と向上させた
オフロード走行専用車「ホンダ XR250R」を発売
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 本田技研工業(株)は、粘り強く扱い易い出力特性をもつ新設計の空冷・4サイクル・単気筒エンジンを搭載する

とともに、フレーム、足廻りをも一新し、不整地で一段と優れた走破性を発揮するオフロード走行専用車「ホンダ

XR250R」を発売する。

 このXR250Rは、世界各地の過酷なラリーレイドやエンデューロレースで培った技術をもとに開発したもので、

XRシリーズに一貫した考え方である軽量・スリム・コンパクト・タフネスにくわえ、ライダーの技量に応じて

「自由自在」に操れることを徹底追求し、より幅広いライダーがオフロードライディングの楽しさを堪能できる

オフロード走行専用車である。

 エンジンは、新設計の空冷・4サイクル・単気筒・OHCで、優れた吸・排気効率と燃焼効率を実現し、不整地走行で

求められる低・中回転域で力強いトルク特性としながら、高回転域でもスムーズで力強い出力特性としている。さらに、

潤滑システムをドライサンプ方式とし、フレームの一部にエンジンオイルタンク(1.3L)を内蔵することによってエンジンの

コンパクト化とクランクケースの軽量化を実現するとともに、シリンダーヘッドのフィンの大型化とあいまって優れた

エンジンの冷却性能を発揮させている。

  また、始動時のキック踏力を軽減させるデコンプ(減圧)機構をカムシャフトに組み込み、キックペダルの始動位置に

かかわらず確実に作動するオート・カムデコンプ・システムを採用している。

ホンダ XR250R ‘96(T)開始〜‘04(R4)最終

仕様

カナダ ヨーロッパ オーストラリア DK(その他諸外国向 例:東南アジア系)

 フレームは、エンジンを可能な限りコンパクトに抱え込ませる新構造で、メインフレームの主要部には角型断面鋼管を

採用し、軽量化と高剛性を高次元でバランスさせたセミダブルクレードルとし、サブフレームは着脱式とすることに

よって充分なエアクリーナー容量を確保するとともに、リアサスペンションの調整を容易にするなど、メンテナンス性にも

配慮している。さらに、スイングアームのピボット部をエンジン後部の車体取付部と共用することによってフレームの

小型化と軽量化を実現している。
 
 足廻りは、エンデューロマシンに最適なホイールトラベル(作動)量(前:270mm/後:270mm)を確保するとともに、

フロントサスペンションに、直径41mmの大径インナーチューブと、優れた路面追従性を発揮するカートリッジタイプ

ダンパーを採用し、圧側に減衰力調整機構を組み合わせて装備。さらに、アウターチューブは高強度アルミの引き

抜き材と、鋳造のアクスルホルダーとの2ピース構造とすることで強度と剛性を両立させている。

  また、リアは、定評のあるプロリンクサスペンションで、クッションユニットはリザーバータンクとダンパーケースを

一体式とすることで、軽量・コンパクトなものとし、圧側・伸び側に減衰力調整機構を装備することによって、幅広い

路面状況に対応できるものとしている。ブレーキは、前・後共油圧式ディスクとし、フロントに直径240mm、リアに

220mmのディスクプレートに、軽量・高剛性のキャリパーボディと焼結パッドを組み合わせるなど、優れた制動

フィーリングを発揮させている。またフロントブレーキレバーはライダーの手の大きさに合わせて調整可能な

アジャスタブルタイプを採用し使い勝手を向上させている。

 外観は、各部に徹底した軽量化を施しながら、一段とフラッシュサーフェス化を推し進めたスリムな形状で、

シートはリアフェンダーと段差の少ない形状とし、前部の表皮の肉厚を厚目にしたツートーンカラーとするとともに、

クッション材には高密度ウレタン材を採用し、オフロード走行で体重移動のしやすい形状としている。

*‘96XR250RT国内限定車のサスペンションは輸出向けと異なり 従来のXRらしくないトレール車並の柔らかなもので競技的にも向いているとは思えない。それ以前のME06系の国内限定はUSと同仕様であったのに なぜ今回だけ・・・?

主要諸元=

          M E 0 8                  M D 3 0
通称名: XR250R
車名・型式 :ホンダ・ME08
全長×全幅×全高 (m) :2.110×0.830×1.215
軸距 (m) :1.4
最低地上高 (m) :0.315
シート高 (m) :0.915
車両重量/乾燥重量 (kg) :112/104
乗車定員 (人) :1
最小回転半径 (m) :2
エンジン型式 :ME08E(空冷4サイクルOHC単気筒)
総排気量 (cm3) :249
内径×行程 (mm) :73.0×59.5
圧縮比 :10.2
最高出力 (PS/rpm) :30/8,000
最大トルク (kgm/rpm) :2.6/6,500

キャブレター型式 :PD30
(強制開閉型)
始動方式 :プライマリーキック式
点火装置形式 :CDI式マグネット点火
潤滑方式 :ドライサンプ式
潤滑油容量 (L) :1.7
燃料タンク容量 (L) :9
クラッチ形式 :湿式多板コイルスプリング
変速機形式 :常時噛合式6段リターン
変速比
1速 :2.796
2速 :1.941
3速 :1.45
4速 :1.174
5速 :0.96
6速 :0.815
減速比(1次/2次) :3.100/3.692
キャスター(度)/トレール(mm) :24°45′/92.0
タイヤサイズ
前 :80/100-21 (3.00‐21相当)
後 :100/100-18 (4.10‐18相当)
ブレーキ形式
前 :油圧式ディスク
後 :油圧式ディスク
懸架方式
前 :テレスコピック式
(ストローク260mm)
後 :スイングアーム式
(プロリンクストローク260mm)
フレーム形式 :セミダブルクレードル
(クロームモリブデン鋼)
通称名: XR250
車名・型式 :ホンダ・BA-MD30
全長×全幅×全高(m): 2.175×0.805×1.190
軸距(m) :1.425
最低地上高(m) :0.285
シート高(m) :0.875
車両重量/乾燥重量(kg) :133/119
乗車定員(人) :2
最小回転半径(m) :2.2
エンジン型式・種類 :MD17E(空冷4ストロークOHC単気筒)
総排気量(cm3) :249
内径×行程(mm) :73.0×59.5
圧縮比 :9.3
最高出力(PS/rpm) :28/8,000
最大トルク(kg・m/rpm) :2.6/7,000

キャブレター型式 :VE88
(負圧型)
始動方式 :セルフ式
点火装置形式 :CDI式バッテリー点火
潤滑方式 :圧送式(ドライサンプ式)
潤滑油容量 (L) :1.7
燃料タンク容量(L) :9.3
クラッチ形式 :湿式多板コイルスプリング
変速機形式 :常時噛合式6段リターン
変速比
1 速 :2.769
2 速 :1.882
3 速 :1.380
4 速 :1.083
5 速 :0.923
6 速 :0.814
減速比(1次/2次) :3.100/3.076
キャスター角(度)/トレール量(mm) :26°30´/105
タイヤサイズ
前 :3.00-21 51P
後 :4.60-18 63P(110/100、120/80相当)
ブレーキ形式
前 :油圧式ディスク
後 :油圧式ディスク
懸架方式
前 :テレスコピック式
(ストローク240mm)
後 :スイング・アーム式
(プロリンクストローク240mm)
フレーム形式 :セミダブルクレードル
(スチール)

燃費(10モード):通常街乗り 当店データ

ME08:30〜32km/L MD30:24〜25km/L

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目的がエンデュ−ロ専用(競技オンリー)として作られたのでMD30とパーツが違うのは当然だ。

ここでは最新のパーツが唯一フルに組み組まれているCM(カナダ 俗に言うアメリカ仕様)とMD30のパーツ構成の

差を紹介しよう。


=エンジン=

・表記馬力は2PS大きい。

 カム(プロフィール) ピストン ピンも含む(コンプレッション 重量 構造) クランク(重量) バランサー(ギア型式)

 ミッション(レシオ) フライホイル(キック式) 材質(クランクケース シリンダー ヘッド ヘッドカバー プラス未塗装)

 始動性アップにマニュアルデコンプ標準装備 キャブ(強制開閉Ф28相当) エキパイ(太さ) マフラー(メガホン構造)

 カムチェーン カムスプロケット エアクリーナーダクト コネクティングチューブ エアエレメント(湿式) ブリーザー

=フレーム周り=

・前にも記しましたが フレームの材質がクロームモリブデン鋼採用(ハンドルパイプも含む) 軽量、高剛性

・エンジンマウント(プレート)がすべてアルミ材(肉抜き方法)、

・ホイルベース

=サスペンション= 国内限定は除く 

※基本的にMD30と異なり まったく別物

フロント、リヤ共にサスストローク(20mmアップ) 味付けはまったく別物〜車体を立てても沈まない

三又のシャフト→アルミ 車体の各シャフト類が軽い

=外装=

・タンク樹脂製 ・アンダーガード(アルミ製) ・シート(ウレタンの硬度) 

・タイヤの脱着作業が使用工具も少なく一人で出来るよう配慮されている。

=その他=

 ブレーキマスターASSY ブレーキホース(ケブラー繊維) リヤキャリパーガード標準装備

 シフトペダル(可倒部金属のローレット入り) スポーク

 ビートストッパー標準装備 エアバルブ固定はラバー式 リヤリムサイズ→1.85 

 ヘッドライトH7 35W(プラスティックレンズ) 発電型式2層交流 リヤスプロケット:48T(アルミ製)

※ホンダの従来のマシン造りを見てみてもオフ系で負圧キャブを採用されている例は無い、MD30が初である。

  蛇足:(カワサキは歴代負圧キャブを採用している)

ME08逆輸入車の国内販売実績はXR史上極めて少なく 今となってはかなりレアの存在となっている。

メーカー呼称:年式→記号

79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04
呼称 Z A B C D E F G H J K L M N P R S T V W X Y 1 2 3 4

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