このレースは日産広報でもフィルム化され大きく宣伝されたイベントです。

タイトル:“挑戦をうけて”

通算49勝目と年間メーカータイトルが掛かったレースとなった。


‘71 10 10 富士マスターズ250km ツーリングチャンピオンレースB

富士スピードウェイ6kmフルコース 右回り 20周 決勝出走20台 雨 

←通算49勝目(HT・GT-R:フロントスポイラー、黒沢BS初スリック採用)

レースはメインレース以上の盛り上がりを見せ サバンナ、カペラを擁するマツダ勢が日産チーム・“常勝”スカイライン

HT・GT-R勢をどう封じ込めるかに注目が集まっていた。


日産はbP高橋国光、3黒沢元治、2北野元のファクトリー3人男にプライベートの久保田洋史、杉崎直司らが続く。


日産ワークス:bP高橋国光


日産ワークス:2北野元


日産ワークス:3黒沢元治


=セミワークス(PMC・S)=

bT河原伸光                               bU塩谷俊介


bV久保田洋史                             bW正谷栄邦


bX杉崎直司


対するマツダ勢は片山義美が573cc×4のカペラ、寺田陽次郎、増田建基が491cc×4のサバンナに乗る。

むろんサバンナはデビュー戦だが 派手なゼブラ模様に塗って意欲満々。こちらもプライベイトの岡本安弘、従野孝司が

カペラで援護する体勢だ。マツダは全ロータリーを出場させ“ストップ・ザ・スカイライン”を目指す為 並々ならぬ体勢で

望んでいた。その成果は着々と実りつつあった。


bQ5片山義美 カペラロータリークーペ


bP2寺田陽次郎 サバンナRX−3


bQ4 増田建基 サバンナRX−3


bQ7 岡本安弘 カペラロータリークーペ


bP4水野 栄 ファミリアロータリークーペ         bP6 浅川雅文 プレストロータリークーペ


bQ6従野孝司 カペラロータリークーペ


 予選 晴れ:

日産、マツダの両軍とも自チーム内でスリップストリームの引っ張り合いを演じ 日産は高橋国光が2分1秒62

という快記録をマーク。黒沢元治が1秒92 北野元が2秒55でこれに続いた。

もっともマツダでは寺田を引っ張った片山が2分3秒09で4位になったが引っ張られた寺田は2分3秒71をたたき出して

5位。これに岡本2分5秒08 久保田2分5秒24がつける。


スターティンググリッド

決勝当日は雨だったが午後に向けて次第に上がっていった、今後のタイヤ選択が難しい状況だ。青地監督指揮のもと

bP高橋国光:オールウェザー選択 対し bQ北野元、bR黒沢元治:BS ニュースリック(ドライ)を選択

ロータリー勢は全員オールウェザー選択

 スタート:25片山カペラ 27岡本カペラが出足が鈍いHT・GT-R勢の前に飛び出した。

30度バンクは25片山カペラ 27岡本カペラ bP高橋HT・GT-R 3黒沢HT・GT-R 2北野HT・GT-Rで通過、

横山コーナー入り口でbP高橋HT・GT-Rが2位浮上直後 27岡本カペラがスピン距離が開いて4位に落ちる。

しかし S字を回って100R〜アピンに最初に姿を現したのは25片山カペラを抜いてbP高橋HT・GT-Rだった、

続いて25片山カペラ 3黒沢HT・GT-R 2北野HT・GT-R 27岡本カペラ。

最終コーナーから姿を現したのは1位bP高橋HT・GT-R 2位3黒沢HT・GT-R 3位25片山カペラであった。

メインストレートで2位黒沢のスリップに片山が入り抜こうとするが 黒沢は巧みにブロック それを阻止する。

2周目:上位変動無し 7久保田は7番手。トップbP高橋はヘアピンを鮮やかなカウンターで抜けてゆく。

3周目:高橋、黒沢 ちょっと間が開き  片山、長谷見 5位以降はすでに大きく引き離されている。

3周目に入る最終コーナーで6位だった12寺田サバンナは大きくスピン、8位24増田サバンナのあと 

9位まで転落してしまう。

4周目 スリックタイヤの3黒沢HT・GT-RがオールウェザーのbP高橋HT・GT-Rを抜いて1、2位が逆転。

3位25片山カペラとは10秒の差が付く。


この時2北野車はワイパー故障で視界を遮られペースを上げられずにいた。

メインストレートは濃い霧が立ち込め 視界が悪いがトップグループには関係無いかのように疾走している。

4周目には早くも周回遅れが出始める。

また7周目に12寺田サバンナと24増田サバンナ2車は並んでしまうが 9周目に24増田サバンナがクラッチ

トラブルで第3コーナーでスローダウン、そのままリタイア。

10周目まで順位の変動は見られず

11周目に入るとき1位3黒沢HT・GT-Rと2位bP高橋HT・GT-Rは7秒差 

25片山カペラは34秒差 2北野HT・GT-Rには42秒の差が付いた。

3黒沢HT・GT-Rは2分6秒5〜2分7秒くらいのペースで周回する。

この時1位3黒沢は2位1高橋を大きく引き離し独走状態。

これに対し25片山カペラは2分11秒台だから首位奪還は絶望的になってきた。

セカンドグループではロータリー勢にはさまれ7久保田(5位)は健闘している。

ここから2位1高橋は猛烈な追い上げを見せる、毎周最終コーナーをフルカウンターで立ち上がってくるドリフト走行は

圧巻。

18周目:2長谷見 2度目のピットイン、ワイパーが直っていない、相変わらず小雨が降り視界を遮る。

こうして向かえた20周目 4位12寺田サバンナと26従野カペラが7久保田HT・GT-Rを抑えてヘアピンを通過。

だが続く300Rで7久保田HT・GT-Rが26従野カペラのリアに接触した為 従野はスピン、5位7久保田HT・GT-R

6位26従野カペラで確定する。

徐々に1高橋は1位3黒沢に追いつき 最終ラップ 最終コーナーでは3黒沢にスリップに付くほど接近、

チェッカーは僅差で3黒沢が先に受け スカイラインHT・GT-R 1・2フィニッシュ、通算49勝 ‘71メーカータイトル取得

結果:優勝3黒沢HT・GT-R 2位bP高橋HT・GT-R 25片山カペラは3位 12寺田サバンナが4位に甘んじる

結果となった。黒沢元治はツーリングAレース(チェリー)と合わせて1日に2勝を記録した。


このレースでフロントスポイラーワークス初装着 高速時のオーバーステアを解消している。


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