前日の予選では チーム木の実からエントリーした従野孝司のbRサバンナRX−3が1分31秒79を叩き出して
ポールポジション。2〜3番手はbP高橋国光1分33秒77、bQ黒沢元治1分33秒92 のスカイラインHT・GT-Rだが
サバンナと比べて約2秒の差が付いた。
当初ニッサンはこのレースに参加する意志が無かった と言うのも“富士1000kmレース”出場を目指してエンジンを
開発中であったからだ。しかし 主催者からの要請が有った為あえて参加を承諾、エンジンはグランプリ仕様
(‘72 5月3日 日本GP 同コース:高橋国光が1分32秒22、片山RX-3 1分31秒92)のままだった。
さらに不運な事に1高橋、2黒沢車共に完調ではなかった。
高橋車はスカベンジングポンプが不調で 遂にヒートTを欠場。
また黒沢車は金曜日に積み替えたエンジンのガスが濃く プラグがカブリ気味。全車がグリッドに整列した後もパドックで
エンジン調整を強いられた。
ヒートTのスタートは午前11時。13台のマシンが轟音をとどろかせながら第一コーナーへ突っ込んでいく。
やがて3従野RX-3を先頭に2黒沢元治HT・GT-R 5久保田HT・GT-R 12宮口RX-3の順でヘアピンから
100Rへ。ストレートに戻ってきた3従野RX-3は 2黒沢元治HT・GT-Rに2秒と差を開けて快調そのもの。
2周目3秒、3周目5秒といった具合にサバンナRX-3とスカイラインHT・GT-Rの差は確実に開いていった。
結局 3従野RX-3が1位でフィニッシュした時点では2位黒沢との差は約19秒だった。
午後3時からヒートU。
1高橋HT・GT-Rはエンジンはどうやら直ったもののスタートポジションは最後尾。
高橋の追い上げが何処まで続くかがレースの焦点となった。
出走台数はヒートTで2台が脱落した為11台と寂しい。グリーンシグナルと同時に各車一勢にダッシュ。
が プラグがかぶり気味だった2黒沢元治HT・GT-Rはスタートでもたつき 数台に抜かれてしまう。
ヘアピンではやはり3従野RX-3がトップ、12宮口RX-3が2番手で現れる、1高橋HT・GT-Rはすでに6位浮上
2黒沢元治HT・GT-Rは最後尾から2番目の10位。しかしスカイラインコンビはまたたく間に上位に進出した。
3周目には1高橋HT・GT-R、2黒沢で2〜3位。互いにスリップストリームを使いながらスピードを稼ぐ。
だが10周目2黒沢元治HT・GT-Rのエンジンがバラツキ初め 5久保田HT・GT-Rに抜かれ4番手に後退。
こうした状態でレースは進行してゆく。ヒートU結果は 3従野RX-3 1高橋HT・GT-R 5久保田HT・GT-Rの
順でチェッカーを受けた。総合では2ヒートを走った2黒沢元治HT・GT-Rが2位となった。