零戦 何故か子供の頃からそそられるものがあった。
それは何故なのか 深く考えたことも無く ただ「カッコイイ」と思っていた。
今となっては戦争に勝つ為だけに生み出された戦闘機 軽々に語るべきではない事は大前提で。
一言で言えば“洗練された機能美の集大成”からくるカッコ良さに尽きる。
同型機でも改良に改良を重ね 無駄を削り 性能本位の造り
そこから作り出される自然な造形が美しいと感じるのだ。
出来た頃には無敵と恐れられる存在ではあるが 時が流れそれを上回るものが出てくる。
どこの世界でもある事だ、それが無いと技術は飛躍的に進歩しない。
しのぎを削りより良いものが出来る。
そんな事も踏まえて ハコスカと零戦が同じ匂いがすると
ゼロ戦といってもかなりのモデルが改良された
ここで言うまでも無いが 零戦とスカイラインは繋がっている。
プリンスの前身 同技術者は零戦製作に携わっていた、その職人たちが終戦後スカイラインを生んだのだ。
そしてレースに出てもツーリングカー部門で勝てるクルマとしてS54Bが作られた。
そこからバックにレース色が見え隠れしてくる。
当時レースに勝つ=販売に大きく影響した時代だった。
そういった意味で市販車でありながらレースを背景に意識され型が継承改良されていった。
楽勝で勝てるはずが その目的を打ち砕いたのがポルシェだった、
のちになって言える事だが それがあったからこそプリンス魂に火がついて
“打倒ポルシェ”を目標に掲げ技術開発が進んでいった。
“ポルシェ”と言う存在を知らずレースに勝っていればそれからしばらくは「井の中の蛙」であっただろう。
S54BからGC10型へ ここからGT-Rがサーキットで勝てるよう内容が大きく変更された。
その当時 市販車はレースに有利になるようレイアウトされてきたモデルはそう多くは無い。
(そのかわり市販車のレース車は多くのメーカーが手掛けていた時代でもあった)
当時であればトヨタ2000GTや1600GTなどがレース界を席巻
スカイラインGT-Rはその中に参入する為 特にその色が強い。
4DRGT-Rで数多くのレースで実戦検証を繰り返し S20エンジン高性能化の大基礎が完成
次期モデル(ハードトップ)に移行するのに より速く走る為のノウハウ”がふんだんに盛り込まれた。
ディメンション・空力までも考慮した継承は例を見ない。
スカイラインハードトップは“レースで勝つ”為に生まれて来たと言っても過言ではないだろう。
ただ当初は一気に性能向上はするが それを終えるとそこからが至難の業になってくる。
細部にわたって改良改善が施されていく事になるわけだが まさしく「乾いた雑巾を絞る」ような・・・
ここがメーカーの底力なのだ。
ゼロ戦は戦争で勝つ為だけに開発された飛行機で性能本位 今で言うレース用マシンと同じだ。
機能を研ぎ澄ませたカタチは何故かかっこいい。そういった“匂い”が良く似ていると思うのだ。
そういった意味でベース4DRGT-Rがあって 走り:コーナリングや空気抵抗を考慮した速く走る為の改良が
ふんだんに盛り込まれた集大成のモデル“HT・GT-R”が好きなのだ、すべてに意味があるコンプリート。
しかし零戦もスカイラインもいつまでも王者として君臨はさせてくれない いつか敗れる時が来る。
それは仕方の無いこと。
そういった歴史や経緯を踏まえた意味でスカイラインハードトップモデルを見ているので
普通のクルマと違う意識で飽きる事無く乗っていられるのです。
現在でも普段足に使っていて癖の無い 実に乗りやすいクルマだと感心する。
戻る