今日仕事中家内から電話があった。

滅多な事で仕事中に連絡をしてくる事は無いのだが・・・

逆に何かあったのかと“ドキッ”とした。


話の内容が 今閑静な住宅街の中で一軒家を借りて住んでいる。

この住宅街のほとんどは持ち家でウチだけが借家となっている。

バブル崩壊後 ここの大家さんは仕事の都合で関東へ移り住んでいった。

売るには借金が残る事になるので不動産屋を介して貸し出す事にしたそうだ。

以前住んでいたところから近く 家内が子供を連れて散歩をしている時に偶然見つけた。

以前はコーポ(ガレージ別料金)で子供二人では狭くなり 

決め手は家賃が同じで木造二階建てガレージ付きという好条件だった。

住んで十年目 大雨で河川が崩壊 住んでいる一帯が腰ぐらいまで水に浸かった。

この家は土台が50cmぐらい高く 妙な造りだなと思っていたがコレが幸いし床下浸水で済んだ。

しかしウチ以外のほとんどの家は床上浸水&クルマプカプカ・・・

その時は丁度お盆の帰省で我がハコスカは難をからくも免れた。

その時関東に住んでいる大家さんはテレビで浸水を知り翌日飛んで来た。

家自体は水没を免れたが床下は除菌作業をしなければならない。

大家曰く「家賃を下げるので今まで通り住んでもらえないか」

勿論出るつもりも無かったので有り難くお受けした。


それから今に至るのだが本日家内から電話があった内容は

武漢ウィルスで景気が低迷していく中 私の仕事を按じて5ヶ月間だけ家賃を下げてくれるという話だった。

ナンと言う良い大家さんだろう こちらから入った話しではなく ただ私の仕事を慮って

この話を申し出てくれたのでした。

こんな人居ないよ。

今借りている仕事場の大家はバブルがはじけた後もナンダカンダ理由を付け家賃を上げてきた。

一番腹が立つのは新築から借りて三十有余年 一度も魔法の言葉を口にしない。

「いつも有難う御座います」と。

逆に昔は「嫌なら出て行け」とまで言われた事がある。

人としての“挌” “段”が違うのだろうが

久々に心が洗われた出来事だった。

お金もそうだが なにより“気遣い”が嬉しかった。

イマドキのそこら辺の人に一番足らない部分ではないだろうか。

自分にも良い戒めになった。


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