勿論詳しい事は書けないが ウチがメインでやっている車種のメーカーに関わる人が

立て続けに来店した。初めは身分を名乗らないが最後に「私 こういう者です」と名刺を渡された。

するとメーカーの本社社員(主任さん)だったり 開発に携わった人物であった。


事の始まりは年末 今時珍しく手紙が来た。

車種は輸出専用のものでリターンとしては日本では実に珍しい機種だった。

勿論 何度かレース用や公道走行用でやった事があるので何も問題無い。

内容にはO/H&チューニング依頼だがメールアドレスや携帯番号が記されていた。

通常はまず電話やメールでのアクセスが主流だが イマドキ手紙というのは新鮮であった。

すぐに電話をして仕事を受けるようになったが片道600kmはある遠方のユーザーさんだった。

しかし行動は早くその週には自走でやってきた、お昼から夕方まで話をして 最後に「私 こういう者です」と

名刺を渡されたらメーカーの本社の方であった。

アメリカに出向中にコレを購入 日本に持ち帰ったという。

二十年以上前 個人的に毎年BAJA1000にエントリーしているが今使っているマシンでは勝てなくなったので

新しい機種で参加するが他メーカーにはノーマルでは到底太刀打ち出来ない。

そこでウチへのチューニング依頼だった。

その対抗馬はレース専用車でコチラは一般市販車、要は市販車をチューニングしてレーサーを

負かしたいというものだった。

「下克上」が大好きな私はこの難しい難題を快く快諾、腕の見せ所だ。

話をしているウチに「この人メーカーの人ではないだろうか」と思い始め

最後に聞いてみた。すると「やはり分かりましたか 実はこの機種の企画立ち上げから

開発、アメリカでのテストをやっている開発部の者です」と。

私が一番お知り合いになりたかった人でした。

結果 出された課題はクリアし 成績も総合一桁に入賞する事が出来た。

しかもプライベーターでの快挙。

翌年からその功績が認められ 「USワークス入り」、ウチの出番は無くなってしまった。

その人をA氏とすると 今回依頼されたユーザーさんが海外で一緒になった時

マシンのメンテはウチへ依頼すると良いとアドバイスされたらしい。

そういう経緯だった。

------------ Separate case -----------

今年初め ウチで新車のような中古を売りに出した時 すぐにあるユーザーさんから連絡があり

現車を見に来るという、このユーザーさんも片道600km以上もある遠方からだ。

最近は近県でも「遠いから行けない」というユーザーも増え 客質の低下が否めない。

私自身が距離感が無く行動するので 動かないヤツにはそれなりの対応しかしない。

このユーザーさんも数日後来店 現車を試乗してもらったら即決で決めてくれた。

乗ってこられたクルマがS660 それも白ナンバーであった。

その時ちょっとだけ「メーカーの人か?」と頭をよぎったが・・・

話の最後に 私実はこういう者ですと名刺を渡されたらメーカーの人だった。

「私がS8の設計をやりました」と言う。

エライ人が来るようになったと喜びが隠せない。


今年も幸先良いスタートが出来たと夢は広がるばかりである。


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