ポルシェ911(996)

You Tubeで久々に「クラシックカーディ−ラーズ」を見た。

その回はポルシェ911(996)だった。

買い取った911のエアクリーナーはノーマルから外品のパワーフィルターに変えられていた。

整備担当の人が言うには

エアクリーナーBOXの役割は異物が入るのを防ぐ役割です。

中には若干でもパワーが上がるものもありますが・・・

ポルシェの場合後ろにエンジンが付いている為エンジンルーム内の温度が

100度近くまで上がります。

その熱い空気をエンジンに取り込むようになります。

ノーマルは吸入ダクトで外からの冷えた空気を取り込むようになっています。

熱い空気は密度が低い 100度の空気をエンジンに取り込む事は

標高1.800mの場所をドライブする事と同じで本来のパワーが発揮出来ない。

標高1.800mの場所では空気が薄く20%の馬力と出力が失われる。

云々


確かに911は水冷とはいえ リアエンジンなのでエンジンルームは熱が篭ってしまう。

ノーマルは外気をエンジンルームに導くよう作られているのに それを取り外し

上映像↑のようなパワーフィルターではパワーが下がるもの頷ける。

そこで思い出した。

以前私のハコスカで夏場に水温がいつもより上がってくると調子が悪くなる症状が出てきた時

エンジンルーム内の温度を測った事があった。

その水温が上がる時は決まって信号待ちなどの停止状態だった。

キャブ付近で七十度半ば・・・

ターンフローなのでキャブの真下にエキパイがある、

遮熱板や断熱材で区切っていてもこの有様

触るとヤケドするほどキャブなども熱くなっている。

ハコスカ乗りはこの現状に気が付いているのだろうか。

ノーマルエアクリーナーBOX以外 ウェーバー・ソレックス・OERなどで

外気の冷たい空気を導く工夫をしている仕様は見た事が無い。

ヘタすると燃料まで暖まっている可能性も・・・

ハコスカはS30Zと違いフロントパネルに不必要な穴がまったく開いていない。

だから普通に走っていてもフレッシュな外気がエンジンルームにダイレクトに流れ込む事がほとんど無いのだ。

停止状態では尚更 熱気が逃げるところが無い。

フロントパネルはラヂエターの部分のみ大きく開いているがソコにはラヂエターがフタをするように取り付く。

そのラヂエターからはファンに引き抜かれた高温の熱風が来る。

日産ワークスもコレに悩ませられた、いかに外気の冷気をインテークまで導くか

折角のチューニングも有効に機能しない

試行錯誤は青地康雄さんの著書に述べられている。

高速で走るレーサーでさえこの対策が要る事を頭に入れておかなければならない。

一般路を走るナンバー付きでは尚更だ。

最終 ワークスはラヂエターの上部の一部分を切り欠いてスペースをつくり ダクトで室内に導く。

この方法で外気より1〜2度差まで下げる事が出来たそうだ。


日産ワークス 活動終盤 L24エンジンを積んだ試作車HT・GT-R?でも

特殊な形のエアクリーナーBOXがつけられている。

この試作車はL型エンジンのターンフローヘッド形式を変えておらず

BOXがノーマル同様左側に位置している。

ワークスGT-Rのように外気を呼び込む工夫まではされていないようだ。


現存するセミワークス正谷栄邦号は右ライトカバーに開口部を開け 右ホイルハウスにも・・・


当時開発部門の“吹かし実験”でも明らかなパワー差が出ているデータが残っている。


今私のハコスカにはこのエンジンルームに篭る熱をいかに外に排出させるか考え 強力なファンを付けた。

ノーマルエアクリーナーBOXの吸入口はフロント部分に近いのでまだマシだが

それでも外気温に近いとは言えない。

果たしてエンジンルームにフレッシュエアを吹き込んだ方が有効なのか

溜まった熱い空気を外に排出した方が有効なのか悩んだが

下に向けて一番スペースがあるの部分にファンを付け エンジンルーム上部に溜まる高温の空気を

強力なファンでエンジン下に熱を逃がすようにしている。

それに加えR38シリーズにあったようにアンダーカバーにダクトを製作し 

走行時にエンジンルームに外気の冷たい風が入るよう対策している。

↑上記の「クラシックカーディ−ラーズ」では お金を掛けてパワーダウンさせるようでは・・・

と 解説をしていた。


と言う事は定番のクリーナー無しのファンネル仕様は「愚の骨頂」

でもいくら言っても「糠に釘」なんだろうなぁ〜

性質が悪いのがショップがこのような仕様を推奨するようでは・・・

いつからこんな事が定番になったのか

レーサーでもあるまいし ファンネル仕様なんて何にも考えていない証拠。

真に自分のクルマを大事にしているとは思えない。

特にS20型エンジンにファンネルは「上を向いてツバを吐くようなもの」

希少な宝石を粗末に扱うにも程がある。

高温の空気を吸い込み 低速トルクが細り ホコリや粉塵を吸い早期の圧縮低下を招く。

このデメリットより吸気音の良さを優先するのか・・・

嗚呼 嘆かわしい。

この流れはいつまで経っても変わらないんだろうなぁ〜


戻る