【1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X】 Webより
旧車の世界では、車種やグレード以外にも、希少なクルマがあったりする。
そのひとつが、60年代〜70年代にかけて流行したルーフからピラー部分にかけて、本革やビニールレザーを張る
「レザートップ」なる珍種。いわばコンバーチブルなどのオープンカーの幌を上げた状態をイメージしたものだ。
自動車が誕生した時は、屋根がないオープンボディだったのが、実用性が重視されて、悪天候でも使えるように屋根が
付けられるようになった。さらにクローズドボディが一般的になると、今度はオープンボディは趣味性の高いクルマという
位置づけになった。
ただし、オープンボディの場合でも、悪天候に備えてほとんどのクルマには幌(ソフトトップ)が収納されていて、
幌骨に幌をかぶせてしのいでいた。そんな中、天候や快適性に強いハードトップながら、ソフトトップのイメージ、
デザイン性が欲しいという欲求から生まれたのが、このレザートップだ。あくまでハードトップをソフトトップに演出して
いるだけだが、ルーフとボディが2トーンになり、新たなスタイリングの特徴を生み出すことができたのだ。
1968年に登場した3代目となるC10スカイラインにも、レザートップはオプションとして設定されていた。
当時は、オプションカタログの一部に紹介されていたが、ハードトップが加わった1970年以降は、日産のカタログでも
レザートップが掲載されている。
カタログで見開きの大きな写真で紹介されているのは、1500シリーズのハードトップ。ブルーメタリックのボディに
ホワイトのレザートップという組み合わせは、かなり鮮烈である。
このレザートップだが、通常の塗装の上にレザーを張っているため、素材自体の耐候性も低く、手入れも大変。
劣化によって表面がカサカサになってしまうため、通常のルーフに戻すオーナーも多かったようだ。
1972年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-X(KGC10)主要諸元 ●全長 4330mm ●全幅 1595mm ●全高 1375mm ●ホイールベース 2570mm ●トレッド前/後 1325/1320mm ●最低地上高 170mm ●室内長 1655mm ●室内幅 1325mm ●室内高 1100mm ●車両重量 1095kg ●乗車定員 5名 ●最高速度 170(175)km/h ●登坂能力sinθ 0.62(0.64) ●最小回転半径 5.2m ●エンジン型式 L20型 ●エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC ●総排気量 1998cc ●ボア×ストローク 78.0×69.7mm ●圧縮比 8.6(9.5):1 ●最高出力 125(130)ps/6000rpm●最大トルク 17.0(17.5)kg-m/4400rpm ●変速比 1速3.321/2速2.077/3速1.308/4速1.000/5速0.864/後退3.382 ●最終減速比 3.900 ●燃料タンク容量 50L ●ステアリング形式 ボール潤滑式 ●サスペンション前/後 ストラット式独立懸架/セミトレーリングアーム ●ブレーキ前/後 ディスク/ドラム ●タイヤ前後とも 6.45S14-4PR ●発売当時価格 93.5万円 ( )内はハイオク仕様