まだ独身の頃 若い常連さんの彼女を連れてきた。

「○○さん(私) GT-Rが好きだって聞いたんだけど」

「ええ いつか人生最後のクルマとして探しています」と伝えた。

すると「実は私(彼女)GT-R乗っているんです、免許とってかわいい軽が欲しかったんだけど

父が軽は事故った時に危ない コレに乗りなさい と持ってきたクルマなんです」と。

身なりや立ち居振る舞いがそこら辺の女の人と違うなと思っていたが

いいところのお嬢さんだった。

「今度乗ってくるから 乗ってみてください」と言っていた。

今から三十年ぐらい前の事だった。

女の人が男クサいハコスカに乗っているなんて「かっこいい 渋い」

1週間後その彼女はやってきた

「○○さん(私) GT-R乗ってきたよ 乗ってみて」

表に出て見てみるとR32GT-Rだった。

口には出さなかったけど(このGT-Rじゃ無いんだけど・・・ )

折角なので乗せてもらうかと「ありがとう じゃぁ」と言ってR32に乗り込んだ。

表のバイパスがまだ未完成でクルマの通りも少なく 絶好のテストランだった。

運転席からまじまじと室内のコクピットを眺めると 私にとって至れり尽くせりの装備、

ちょっとアクセルを踏み気味に走ってみても特段の感動は無かった。

実にスムーズでカラダにGが掛かる事も無く 少々落胆、

しかしメーターを見ると思った以上にスピードが出ていた。

下から加速も均等でフラットに回る う〜ん イマドキのハイテクマシンだな と。

その頃ハコスカの時代と違い 街中でR32に家族が乗って走っている風景を良く見た。

これはファミリーカーとして普通に乗れる訳だ まして女性でも普通に・・・

ぐるっと一周回ってきて帰ってきた。

彼女に「いいクルマですね よく出来ている 自然に速い」といってカギを返した。

彼女は喜んで帰っていった。


新たな感動があるかと期待したが 私が求めているモノと違った。

勿論 非常に良く出来たクルマなのは言うまでも無い。

もっと機械的で 荒々しく カラダにクルマの鼓動が何か伝わってくるモノを期待していた。

良い機会に恵まれた事に感謝して引出しがひとつ増えた瞬間だった。

------------ Talk on behalf -----------

ハコスカ購入時に 一時期迷いが合った。

以前にも述べましたがホンモノGT-Rは頭に無かった。

L型エンジンのハコスカ、RBエンジンを積んだハコスカ、そしてR32の3種。

どれも同じ値段の頃だった。

RBエンジンを積んだハコスカ・・・ エアコン・パワステ付き 普通に速いだろうな。

いやいや 違うやろ〜

そんなん買うぐらいならR32でええやん。

いやいややっぱり“昭和のハコスカ”ならL型エンジンだ と。

血迷った時期があったのです。


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