日産スポーツコーナーではGT-R用のマフラーに直型曲型の2種類用意されている。

4DRGT-Rのカタログには直型のみ

ハードトップ用のカタログから2種の記述(上映像↑)

GT-Rは‘69JAFグランプリでデビュー:当時は直型 

‘69日本グランプリ(8勝目)から曲型(サイド出し)に変更された。


マフラーの長さはエンジンフィーリングに大きく影響する。

一般的に長い場合:レスポンスは緩やかだが高速域が延びる。

短い場合:レスポンスは鋭くなるが高速域が延び難くなる。

↑上記のように日産ワークスは早い段階で直型から曲型に移行している。

富士スピードウェイ6kmコースでのレースが多い印象だが 

ハイスピードコースには不利となるマフラーの移行はどのような意味があったのだろうか。

当時のレギュレーションでは高さ10cm 縦横80cm四方の箱の上を触れず通らなければならない。

直型の方が地上高を下げられるような気がする。

しかし曲型のマフラーエンドを良く見てみると緩いクランク状に曲げが入っている。



これにより↑上記のレギュレーションをクリアしてる。




富士のストレート立ち上がり、ボディの下がすっきりしている。


何故曲型(ショート管)に変更されたのか、

当時の文献によれば「直型ではトルクの谷が発生していて 曲型にする事で解消出来た」とある。

6気筒とはいえ脈動波が出る 直型の排気長がドプラー効果的に悪干渉していたのではないだろうか。

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曲型(サイド出し)関連

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=FairladyZ432R=


同じエンジンを積んだフェアレディZ432Rはどうだろう。

日産スポーツコーナーのカタログには

A:エキゾーストマニホールドASSYとある。

その下にエキゾーストシステムキットとの記述。

その“エキゾーストシステムキット”とはエキマニより後ろマフラーに当たる部分だと思われる。

しかし Z432Rの当時の画像はレース数が少なかっただけにマフラーが写っているものは少ない。

しかし どうしても気になる。

そこで

モデルカーメーカーが作ったものを見てみよう メーカーから資料を集めて忠実に再現している筈。


1970 1/18 全日本鈴鹿300kmレース

4/11 レースドニッポン6時間レース

5/23 全日本鈴鹿1000kmレース

7/26 全日本富士1000kmレース



オーバーフェンダーが付いていないZ432Rにはノーマルのような縦デュアル仕様

オーバーフェンダーが付いたZ432Rには240Z用のデュアルメガホンタイプ
※Z432Rは外観が240Zと同じなので見分けが付かない。



上映像↑♯31は240Z

HT・GT-R曲型にしろ240Zのメガホンマフラーにしろ消音部分が無いので相当な音量だっただろう。

当時は本来の良いエキゾーストサウンドが聞けたのが羨ましい。

ノーマルタイプの縦デュアルマフラーは流石にノーマルではないと思う。

日産スポーツコーナーのカタログにある♯20000-E7275が

レース用スポーツマフラー的なものではないかと思う。


240ZGのワークスからFairladyもサイド出しに変更された。

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=エキゾーストマニホールド=

エキゾーストマニホールド(タコ足)には重要な役割がある。

S20型エンジンやL型エンジン いずれも6気筒ですがその構造を説明しておこう。


ヘッドに表示してある点火順序

前の1・5・3と後ろ6・2・4の2系統に独立してデュアルマフラーで排気される。

その1系統は3in1構造

各気筒が爆発排気の排気群を集合部分で均一な流れになるように長さを合わせ組み合わされている。

HT・GT-RとZ432は同じS20型エンジンであるのにエキゾーストのレイアウトが異なる。


KPGC10                          Z432

KPGC10:集合部分が長く Z432:集合部分が短い

特徴として集合が長くとられているレイアウトはレスポンスが緩くなり高速が伸びる。

集合が早い場合はレスポンスが良くなり高速の延びが犠牲になる 傾向がある。

エキパイとマフラーの組み合わせでトータルバランスを取っている。

KPGC10:エキパイで高速を伸ばし曲型の短いマフラーでレスポンスを稼いでいる。

Z432Rはエキパイでレスポンスを稼ぎ マフラーで高速を伸ばすレイアウトだ。

※KPGC10の直型マフラーでトルク変動が出た為に変更された 結果コレがベストと言うことだ。


ワークスGT-Rエキゾースト
ノーマルエキゾーストと異なり1・5・3の集合がやや早めになっている。
前3気筒はレスポンス型で後ろ3気筒は高速型の組み合わせ 実質最終12.000rpm回っていた。


ワークスZ432RにもGT-R同様 “モナカ”エキゾースト装備


勿論日産ワークスの度重なる「吹かし実験」の結果の集大成がこのカタチになっている。

定番で“等長”が一般的だが 各パートの特性が分かっていればいろんな組み合わせが出来る。

ただメインの活動は1970年の1年に集約される。

GT-Rはインジェクションに対し Z432Rはキャブ仕様だった。

そして同年5月24日鈴鹿1000キロでは

GT-R同様ルーカスフューエルインジェクションを装備

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一度だけ見た事があるがL型エンジン用にワークスに近いレイアウトのタコ足があった。

コレクションに欲しいものだ。

------------ Wait a little time -----------

忘れていたけど まだハコスカを手に入れていない頃 ゆかりの業者にL型エンジン用の

タコ足が無いか声を掛けておいた。

すると新品2本が出てきた。

その1本はすでに使ってしまったがもう1本が残っていた。


邪魔になるので階段に吊るしておいたのを思い出した。

上映像↑のタコ足に酷似している。

張ってあるラベルを見てみるとRSST:TOYOSHIMA

TOYOSHIMAと言えばサスメーカー スプリングとクラッチが専門。

その昔 L型エンジンのエキパイを作っていたなんて・・・

それもZ432エキパイのレイアウトに近いつくり。

アレ以来 上映像↑のようなエキパイを探していたが・・・

見っけモンだった。


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