=ケンとメリーのスカイライン=

R31までの開発者 櫻井眞一郎氏はケンとメリーのスカイラインの事を

「本当のスカイラインではない 商品として作ったクルマ」と言い切った。

ハコスカは30万台 ケンメリは68万台の販売実績

まさに爆発的に流行ったクルマ。

スカイラインの生みの親 櫻井眞一郎氏の言葉

これはケンメリファンにとって衝撃的な言葉だろう。

スカイラインはレースというステージで磨かれてきたクルマ

ご時世とはいえクルマメーカーとして排気ガス対策を急がれた時代。

“走りを追求したスカイライン”は桜井氏の中で終わったのだ。

商品として割り切ったクルマ造りに徹しなければならなかった心中はさぞ残念だっただろう事は想像出来る。

これはR32にも言える、雑誌の取材にてすでに手を離れたR32をどう思うかと言う問いに

「好きか嫌いかと言うと 好きではない」と きっぱり。

櫻井さんが理想とするスカイラインとは掛け離れたコンセプトだったからだ

助言はされたらしいが・・・

高性能なクルマには間違いない しかし桜井氏はそんな事を言っているのではない。

「出来るだけ電子制御ははぶき コンパクト・軽量に勤める事」

その構想はやはりKPGC10に繋がってくる。


スカイラインを乗るものとして櫻井眞一郎氏の意思を継いで“走りを追求”するスカイラインに

仕上げていかなければならない と思うのである。


PS.KPGC110は197台と希少な存在は分かる、しかし“GT-改”はハコスカの倍以上存在している。

ソレがハコスカ“GT-改”と同様な金額で売られているのが納得いかない。

KPGC110に釣られて便乗しているとしか思えない。

コレを言っても仕方が無いが 十年前なら一桁少ない金額で上物が買えた。

結局ニーズなのか。

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ロータリーとレシプロの排気量換算

私の記憶では当時のレギュレーションではローターリーの排気量×1.5倍=レシプロの排気量

だったように思うが ネットで調べると2倍換算とされている。

自動車税の排気量区分は係数1.5で換算されているが・・・

ロータリーはレシプロエンジンの約2倍の空気と燃料を吸入しながら

出力は1.5倍程度しか得られない為(燃費効率が3割悪い)という性格を持ち

モータースポーツにおいては燃料タンク容量や燃料消費に伴う車重変化まで考慮すると

レシプロエンジンとの平等な排気量換算は極めて困難である。

そのため競技の種類によって異なる換算係数が用いられたり

またF-1などのようにロータリーエンジンの使用を認めない競技がある。

ロータリークーペは1200cc コレを2倍換算にすると2400になる。

となれば一クラス上のGTS-Uになる。

やはり当時は1.5倍換算だった事になる。

桜井氏は当時ロータリーとの対戦は「エンジン形式が違うので気にしていなかった」と語る。

近年の高橋国光、長谷見昌弘、砂子義一、北野元氏らは

ロータリーはとりあえず燃費が悪い あれだけガソリン炊けばパワーが出て当然

「燃料制限の基準が妥当だった」と語る。

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そういえば日産もロータリーを手掛けていた。

コレはチョッと面白そうだ。

もう少し掘り下げて調べてみよう


1972 東京モーターショー 参考出品車

B110クーペベースに搭載

=公表スペック=

500cc×2ローター 1000cc
ペリフェラルポート
ダウンドラフト4バレルキャブレター
ツインプラグ
最高出力:120PS/6.000rpm 最大トルク:16.0kg−m/4.400rpm

十年間の研究の月日を経てやっとお披露目されたがオイルショックの影響で未発売

シルビアに載せて販売予定であったようだ。

勿論 特許も取得済み

日産も(トヨタも)ロータリーエンジンに“一端之長”がある事を認めていた事になる。

実際当時の雑誌にてインプレを行っている。




比較 スカイライン2000GTXがL20で125PS

いかにロータリーエンジンが小排気量でハイパワーが出る形式のエンジンだということが分かる。

こうなってくると話は変わってくる。

当時GT-R VS ロータリーという図式だったが

日産は同時期にロータリーがいかなるものか充分知っていた事になる、

それもマツダより性能は上回っている。

流石「技術の日産」

懐が深いねぇ〜

良い意味で競い合う事でGT-Rの開発が研ぎ澄まされていく

まさしく「乾いた雑巾を絞る」的な究極のチューニング

人は追い込まれると普段以上の力を発揮するものです。

コレが技術の発展につながり日本の国力となってきたわけです。

そういう意味でマツダを利用したのでは無いだろうか。

そうなってくるとGT-Rに勝ったと有頂天になる姿は・・・


これらの事を知っているのと知らずに物事を語っているのでは

見解が真反対になるだろう。

当時の取材済みの雑誌でさえこの存在を忘れ素人じみた記事を書くなんて・・・

落ちたもんだ。

「知らない事は恐ろしい」

私は逆に日産の凄さをあらためて認識した。


=比較データ=

サニークーペB110 車重:705kg

カペラロータリークーペ 車重:965kg

RX−3 車重:885kg

10A 12A

491cc×2ローター

最高出力:105ps/7000rpm

最大トルク:13.7kgm/3500rpm

573cc×2ローター

最高出力:120ps/6500rpm

最大トルク:16.0/kgm/3500rpm

サニークーペの車重が705kgだったのでロータリー仕様はもっと軽い

恐ろしいクルマが出来ていた事になる。

カペラロータリークーペにはA12とレシプロ1600ccがあったようだが

その重量差が分かれば概算の目安は立つ 700kgは切ってくるだろう。


結局このサニーといいR383といい 巨額の開発費と時間を掛けたのに

“お蔵入り”となっては日産にとって大きな痛手に違いなかっただろう。


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