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この映像は「研鑽の航跡」中で紹介した久保田選手のHT・GT-Rだがワークス投入前の試作型フロントスポイラー、

板状の切り出しものだが意外とデザイン形状がカッコイイ。ワークスが投入したのは10月10日富士マスターズ

250kmからだが 8月15日富士500kmではすでに久保田選手が投入している。

時間を作って製作してみたい。また久保田車は右ライトカバー下にフレッシュエアを取り入れるダクトを設けていた。


また 今となっては珍しいスポイラーとなってしまった純正パーツ。

日産スポーツコーナーでハコスカ用にこのようなオプションが有った。


レアなパーツに間違いないのだが・・・

お馴染みのリアウィングと効果が異なるような気がする。

このウィングの開発行程はすでにご存知だと思いますがこのスポイラーの開発行程の記述は目にしない。

またチェックマン製にも良く似たリアスポイラーが有ったようだ。

Z用のホエールテールのようだ。

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=マウント=

最近 エンジンマウントやミッションマウントにリジットに近い商品を見かけるようになった。

レース仕様にしてもとても徳作とは到底思えない。というのも下記↓のような特性が有るからだ。

↑上図は私の著書の抜粋ですがモーターの先に若干バランスが悪い回転物を付け回した場合微振動が

発生する、モーターをがっちり固定するとある低い回転域で止まってしまう。しかしモーターをフローティングし微振動を

逃がしてやるとそれ以上に回転が上昇する。L型の6気筒エンジンはバランスは良い方だと思うが低速から高速まで

回転のスムーズさはバランサーやサイレントシャフトが入ったものには敵わない。とすればエンジンマウントは

ガッチリ固める強化モノは如何なものかとなってくる。よほど動バランスが取れたエンジンやミッションなら分かるが

かなりの手の入りようのモノかコストを掛けたモノでしょう。そうでなければエンジン性能は言うまでも無く

車体に与える悪影響や乗車時にドライバーに与える不快感や疲労はかなりのものでしょう。

私自身デフマウントブッシュを交換しようと純正を頼んだところ タッチの差で生廃となり 予備の新品を見ても

接合面が少ないのでこれはすぐヘタると判断、やむなくウレタンブッシュを入れる事とした。

そのウレタンブッシュに交換しただけで走行稼動時の室内にかなりの共鳴音が出て驚いた。

対策でブッシュの上下接地面に放射状の割りを入れ取り付けたところ 随分静かになった。

エンジン回転が上昇する時の振りは防止出来るがその上昇スピードやピーク回転の為にはある程度振動を

逃がしてやるマウントでなければその役割を果たさない。その振りの対策には今ではエンジントルクダンパー

というものがあるのでこれが使える。

当時のニッサンファクトリーでさえサスアームのブッシュをナイロン製のモノに変えるに留まっている
(現在これに類するパーツを販売しているショップは意外と少ない)。



ワークスと同じ手法を試してみたいので近いうちに導入予定

また リアメンバーブッシュも生廃で最近外品が出てきているが結構高価だ。

対策を考えている時に丁度オークションで下図↓のような強化GOODSが出ていた。

ハコスカに乗っている人は同じところで悩んでいるのだなぁ と思い 早速購入。

        
これがリアメンバーブッシュを抑えるプレート      リアデフメンバーブッシュを上下挟むプレート

取り付けて エンジンを掛けるだけで室内にドエライ共鳴音!こりゃダメだ。


結局 自分で考えたパーツが↑上図でジュラ材のリング状のものだ、これを図♯5と♯7の間に挟むだけ。

ノーマルブッシュにテンションを掛ける為のもので これが大正解。共振音も無く確実に強化するものだ。


何でも強化すれば良いというものでなく 構造や役割を理解し各パートによって使い分けるのが

ハコスカの良いところを活かし快適に末永く乗れる秘訣だと思う。

私の場合 車体は車体単独で強化、サスはサス単独で強化を行い ハコスカのすべてのブッシュ、マウント類は

ノーマルの新品にし この部分で初期応力を逃がしてやるようにしている。

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ブレーキマスターシリンダー径

キャリパー径の関係

私が今のハコスカを手に入れた時の仕様はノーマルマスター+7/8マスターシリンダー→ノーマルキャリパーと言う

話によればブレーキ系はノーマルだと言う事だった、乗ってみると“なんて効かないブレーキだ” きつく踏んでも

到底ロックしそうに無いシロモノだった。不意の飛び出しなんぞあったひにゃ 絶対轢いてしまう 危ない。

そこでキャリパーをMK63に変更、ちょっとマシぐらいで「目くそ 鼻くそ」程度のものでこれも到底ロックしそうに無い。

ふと見るとマスターシリンダーに7/8が入っているではないか!前オーナーが変えたのか それともそれ以前に

変わっていたのか分からないが全然ブレーキの事分かってないヤツに違いない!これだったらノーマルマスター

シリンダー3/4の方が随分効いた筈だ。中学生の理科の実験で習ったであろう 下のような図。

ノーマルの仕様を標準としてФaが3/4マスターシリンダー Фbがノーマルキャリパーとすると 今回のように

Фaを7/8の大きなものに変えると送り量は増えるがBのキャリパーはトルクが薄れる 強い力で踏まないといけない。

今更こんな基本的な原理を書かなくても多くの方は分かっていると思う。

ハコスカの場合今の車と違いマスターバッグ(倍力装置)を取り付けスペースのせいで大きなものを装備出来ない。

せいぜい定番のケンメリRのマスターバッグが精一杯だ。


左:ケンメリRマスターバッグ 右:ノーマル

と言う事はマスターシリンダーとキャリパーの比率をベストの方向に持って来ないと折角お金を掛けてパーツを

交換しても効果は無くデメリットばかり増えて何をやっているか分からなくなる。と言う事はキャリパー側の容量の

大きなモノが必要になってくる。定番MK63にはちょっと失望したが今オークションに出展しているパーツアシスト

さんの4ポットキャリパーが安価で良いかもしれない。ハブの内側に納まるしホイルのスペーサーも装着が要らない。

MK63がダメと言う事は勿論Mキャリパーも同様で最悪の選択になるかもしれない。

こんなゴッツいスペーサーも入れなくてはならない、ニュートラルなハコスカのハンドリングが台無しだ。

それでもと言う事になればローター径を上げていかざるを得ない。今のところ↓これが一番のお勧めキャリパーだ。


見よ このカップの大きさ


MキャリパーとMK63の比較 カップ径は同じ

現在 ブレーキマスターシリンダー7/8+ケンメリRマスターバッグ⇒ステンレスメッシュホース⇒

BIG4POTキャリパー ノーマル径260mmベンチローター で今どきのクルマ並みに軽く効くようになった。

それとマスターバッグ容量を増やすチャンバーを取り付けているがこれもお勧め タッチもカチッとしっかりする

ので増量チャンバーを増設してみた。

リアのホイルシリンダーはノーマル13/16(Ф2.064mm)を7/8(Ф2.223mm)に変更 フロントと同様の原理だ。

今のところФ280mmローターも用意はしたがしばらく出番はなさそうだ。


ノーマル;3/4<7/8<15/16

ここで言うまでも無いが3/4と言う事は1インチ≒2.54cm

2.54cm×3/4=1.905cm(直径)

2.54cm×7/8≒2.223cm(直径)

2.54cm×15/16≒2.381cm(直径)

15/16マスターシリンダーが高値を呼んでいるようだがハコスカにどんな組み合わせで使うのだろう?

MキャリパーやMK63に間違っても使うヤツは居ないだろう。

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備え

下記↓アクセルワイヤーの件で ふと思い出した事が水回りの備えだった。Zに乗っている時やその他のクルマに

乗っていた時 数度漏れた経験があったからだ。最近オークションなどを見ていると

ウォーターポンプがやたら目に入ってくる(多く出ていると言う意味ではなくて 気になっていたからだと思う)

価格も¥6.000 〜 11.000の幅が有り 様々だ。

これは純正でなくても外品が有るので安価でいつでも手に入ると胡坐をかいていた が ちょっと気になる。

エンジンを組み直した時に新品を入れているが・・・ 予備の手持ちが無いのでちょっと不安

まずは 純正の在庫、価格の確認と外品の在庫、価格を確認しておこう。品番で調べるとL20〜28まで共通で

純正は¥8.820-在庫有り 意外と高い、一番当てにしていた外品は流石に古いので生廃となっていた。

純正パーツを買う場合まずメーカーに問い合わせ価格の基準を確認する事が大切だ、でないと無駄金を使う事に

なり兼ねない。


昔 純正のインペラはスチールの鋳物だった、外品がプレスだった。

ひとまず1つはストックしておく事にした。

以前から気になっていたものに電動ウォーターポンプがある、これはおそらく常に一定回転で作動すると思われ

この単品でOKと言う訳に行かなさそうだ。サーモセンサーで作動させるか 出来れば可変式に出来れば良いのだが・・・

勿論これに変更する場合 ラヂエターファンも電動に変更が必要。

そして これも数々のボケた経験が有るサーモスタット、今の仕様だとノーマル水温計とサーモ後に入れてある

外品水温計の2系統なので その動きを見ればサーモが生きているかも分かるようにしている。

そしてもうひとつ室内配置のヒーターコックである、これも良く滲みが出るようなので要チェック。幸い室内の

見える場所に有るので確認し易い事と クーラントの匂いですぐに分かる部分だ。

出来ればホースもセットで用意しておきたい。

最後にこれもこの前の車検の折に予備を使ってしまったSUツイン用の純正エアエレメントの確認を思い出した。

これもメーカー在庫は有るようでひと安心 永く乗るにはやはり備えが必要だ。

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最近アイドリングの回転が不安定になってきていた、止まるとか言う事では無く 信号待ちなどで通常800rpm

に設定しているが1.000rpmだったり 1.100rpmだったり 信号毎にまちまちになってきた。ふと気が付いた

事に1回レーシングすると収まるのだ。これはアクセルリンケージの渋りではないかと。早速リンケージをチェック。

多少のグリス切れの感は有ったが戻り難いと言うほどでも無かった、何気にアクセルワイヤーを手で動かすと動きが

渋くなっていた。そう言えば6年前に新品に交換したきりノーチェックだった。この時の為に予備で純正だが取り付け

出来るちょっと短いアクセルワイヤーを用意していたのでそれを装着。純正ワイヤーはメーカー在庫有りで

¥14.400‐ また高くなっている、もうひとつのワイヤーは¥1.990- 嘘のような値段だ。この際予備で

また発注 すると2年前に生廃となったそうだ 残念。気を取り直して新しいワイヤーで早速試乗流石に

新品なので動きも軽い。しかし ほとんど改善されなかった。少しでもアクセルが軽くなるようリターンスプリングを

弱くしているせいだろう。これが全閉近くになるとワイヤーの抵抗に負け戻り難くなっているのだろう、スプリングを

元に戻してみる、するとアイドリングは安定したが重くなった 何とか以前のように戻らないものか!

ハコスカの純正ワイヤーの作りは昔とまったく材質などは変わっておらず スチールワイヤーに表皮が被っている。

そこで思い出したのがバイクのアクセルワイヤーだった、今のワイヤーは純正でステンレスワイヤーにテフロンの

表皮を使っていて動きはスルッスルでまるで抵抗が無く おまけに長時間使ってもまったく渋らない。

何とかこれが流用出来ないものか。数種類用意した内1本がノーマルとほぼ同じ長さで両端のドラムも

いじらなくても使えそうだ、それにバルクヘッドの取り付け部分だけアタッチメントを作ってやればその部分と

キャブの取り付け部分両方アジャスト機能が使える。早速製作 それが下の映像だ。


これがハコスカのノーマルワイヤー


これがジュラを削り出したアタッチメントとバイクのステン&テフロンワイヤー

バルクヘッド内側に付くゴムパッキンを切り出し取り付けてみる。キャブ側のワイヤー固定のステーを現物に合わせ

これもジュラを切り出し 製作。

遊びを確認後 装着完了。ついでにアクセルペダルの取り付け部分(バルクヘッド側)がグニャグニャとアクセルを

踏む度によじれ動いている。取り付け部分に金属疲労が来ているようだ、クラックが入る前に対策をしておこう。

以前から気が付いていたので補強の板をかませておいたのだがどうやら面積が小さかったようだ。スチール製から

面積を上げたジュラ板に製作変更 そして取り付け。これでしっかりとしたモノになった。

もうひとつ ボンネットオープナーのワイヤーの対策だ、車検に出した折 車検屋が力任せに引いたようで

ワイヤー付け根のカシメが合わせのC型で弱くステーが開いてワイヤーが食い込んでしまったようだ。

純正ワイヤーも近年金額が上がっているのでその度に交換する訳には行かない、そこで完全固定する為に

糊付きの厚手の収縮チューブが使えそうなので弱い部分に被せて固定してみた。

これも大正解でしっかりしたモノとなり ノブが割れない限り永く使えそうだ。

気になっていたトコロはついでに対策が出来て いよいよ試走に入ってみよう。エンジンを暖機する前に

手で作動確認してみるが実にスムーズな動きで以前のような渋りは無い、それにリターンスプリングも元の

柔らかいモノに戻しておいた。空でアクセルを踏んでみると以前より比較にならないほど激軽な動き これは

期待出来そうだ。エンジンを暖気後 いつもの要領で走り出した “思った以上にアクセルが軽い!”不用意に

踏むといつものクラッチ操作では回転に追いつかないほど変わってしまった。これを読んでいる方はこんな

経験が無いだろうか?アクセルリンケージが渋って重くなったものに 整備して軽くなっただけでエンジンを

チューンしたかのように走るように感じたことを・・・ まさにそのまんまだ。まるで踏んだ感覚が無いかのようだ。

今のセンサーで信号を送る形式のものよりもはるかに軽い踏み応えは どんな乗り味になるか想像がつきますか?

いつもの通勤が楽しみになってきた。今後のパーツの心配も無くなりローコストで良いものが出来たものだ。

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サスペンションの設定に当たり 自分の使用目的を充分に踏まえ検討選択すべきである。

当時のハコスカのレース用セッティングは次の通りだ。

日産スポーツコーナーレーシングパーツ

 A B フロントショートストロークストラットASSY
 C フロントスプリング
 D フロントリバウンドバンパー(短)
 E フロントФ24スタビライザーバー
 F フロントスタビライザーブッシュФ24
 G リアスプリング
 H リアリバウンドバンパー(短 オフセット型)
 I ショートストロークショックアブソーバ


日産スポーツコーナーFISCO用スプリング

富士スピードウェイ仕様
 STD ⇒ FISCO用 ; フロント  STD ⇒ FISCO用 ; リア
 バネ定数(kg/mm)  2.35 ⇒ 3.83  11.6 ⇒ 16.5
 自由長さ(mm)  335 ⇒ 241  253 ⇒ 208
 常用高さ(mm)  201 ⇒ 167  200 ⇒ 176

長谷見FISCO仕様

ラバーソウル製;FISCO仕様ワークスレプリカ
※私の非凡なる情報で知る限りワークスレプリカを販売しているのはラバーソウルしか心当たりが無い。


鈴鹿サーキット仕様
 STD ⇒ SUZUKA用 ; フロント  STD ⇒ SUZUKA用 ; リア
 バネ定数(kg/mm)  2.35 ⇒ 5.00  11.6 ⇒ 19.8
 自由長さ(mm)  335 ⇒ 223.5  253 ⇒ 202.5
 常用高さ(mm)  201 ⇒ 167  200 ⇒ 176

‘10 GTカー選手権での鈴鹿ラップ:1分50秒 ‘72 3月フェアレディ240ZG 2分23秒2(コースレイアウトは異なる)

長谷見SUZUKA仕様

ラバーソウル製;SUZUKA仕様ワークスレプリカ


見て分かるようにSUZUKA仕様の方がFISCO仕様よりバネレートが高く車体の車高を下げ低重心化したセッティングだ、

言うまでも無くSUZUKAの方がコーナーが多く 直線が短いコースなのでコーナー重視のセッティングになるからだ。


ワークス最後のレースに挑む黒沢元治は著書でこう述べている。

そして このレースでクラス初の富士6kmフルコース 3台が2分の壁を破った。

bQ8従野RX−3:1分59秒35 bP5黒沢GT-R:1分59秒70 bQ9片山RX−3:1分59秒94

このタイムは240ZGとほぼ同等、2リッターでしかも4年も前の

モデルスカイラインでこのタイムは賞賛に値するとメディアは賞賛した。

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私が当初定番H150スプリングを入れていた、その時の仕様はダンパーは亀有製ストリート、フロントスタビ:ノーマル

{トヨシマ(RSST)H150    ダウン幅 約30mm    バネレート F−2.6K  R−18K}

高速をハイアベレージで走るには結構安定していた、それ以外特に市街地を乗るには路面の凹凸を拾うので

乗り心地は決して良いとは言えなかった。使い方ももっぱらメインは普段の足として使っているのでタイヤの選択も

以前に述べたようにハンドリングに影響が出た為ハイグリップからグレードをあえて落とした。
(↑タイヤの選択はサイドウォール構造が柔らかいものを選んだ)

当時のワークス最終黒沢セッティングが理に適っていると思うのとタイヤの質的にマッチングが良いと思い

今の仕様となった。

今の仕様はZOOM製の乗り心地重視のスプリング(F:2.59〜2.82kg/mm R:12.8〜13.92kg/mm 40〜45mmDown

=ZOOMスプリングを択んだわけと現在の仕様=

・市販の中で柔らかいスプリングがこれしか見当たらなかったのとノーマルストラットに装着出来る事(アンチ車高調)

・当時のレギュレーションは最低地上高10cmと言う規定があって それが今の車検規定に近い事(9cm)

・バネレートの数値を見ると柔らか過ぎるのではないかと思ったが実際装着走行してみると決してヤワな印象は

 受けない。外からハコスカの車体の動きを見ても分かると思うほど強化は強化だ。リアは1cmのスペーサーを

 入れていたがそれを外しノーマルシートを2枚重ねる事により初期のソフト感が出て良い感じだ。

・ハコスカは構造上 地上高10cm以上下げるとフロントアームやリアアクスルシャフトの角度が逆ハの字になり
 フロント
キャンバーやリアキャンバーが狂ってしまい 折角のハコスカの良いハンドリング性能を失う為

注)ハコスカの足回りを見れば分かる事だがフロントメンバー及びリアメンバーの取り付け位置が結構低い位置にある。この構造から

 車高はあまり下げられない事が分かる。またそのメンバーの位置も高くする改造などで変更出来る余地も無い。ニッサンワークスの

 設定から見てもアームがタイヤが接地した1Gでフロントもリアも水平になるようになっている。この位置関係だと初期の動きは細かく反応し 

 沈むにつれてプログレッシブ効果により徐々に硬くなる理想的な動きになる。リアの動きはアームが水平以上沈み込むとホイル軸が

 外に向き始めるのでこれも問題がある。外品でオフセット出来るブッシュが有るようだが 無いよりマシパーツに過ぎない。

・社外品のフロントスタビで着けようと思えるモノが無く(構造上) 幸いワークス仕様のフロントスタビを手に入れる事が
 出来たので 当時の足回りを再現出来るに至った(Ф24)

・車体の雰囲気的にFISCO仕様が好きな事と それが高速向きである事

トータル的にスプリングは柔らかめでロールは硬めのスタビで押さえ 車体のフワツキは質の良いダンパーで制御する、勿論 走るシチュエーションでバネレート及びダンパーの強さは異なるのでそれぞれに対応出来るようにしておくことは言うまでも無い。

これがワークス最終黒沢セッティングのコンセプトだ。この状態なら市街地での乗り味も良く(サスのストローク感も充分有る) 高速でも安定している(ハイスピードでのロールも少なく コーナリング中のギャップにもハンドルの振られも無い)。


今や貴重!?なHT・GT-R純正スプリング、GTやXに比べバネレートは高く設定されていた。


これが日産スポーツコーナーのFISCOスプリング 全屈時のサスストロークを稼ぐ為巻き数は荒く作られている。


↑上映像を見ても分かるようにリアサスの沈み込みは大きい この荒巻が多くのストローク量を生む。


やっとGETしたFISCOレプリカ 自由長、バネレートは同じように作られているが全屈時のストロークは
巻きが密でワークスに比べれば短いのが残念だ。これで当時のサスの感触が体験出来る 楽しみだ。
いずれワークスと同型のスプリングを製作してみよう。

また当時のレース用ダンパーを持っていない場合これらのスプリングにマッチングが良いダンパーはNISMOが
間違いない選択だろう。


ちなみにこのスプリングを装着したハコスカの雰囲気映像

=トヨシマカタログより抜粋=

サスペンションの強化スプリングは ただ硬ければ良いというものでは有りません。

硬過ぎるスプリングは 本来役目を果たさなくなってしまいます。

1.)ステアリングレスポンス低下

2.)スプリングストロークの極端な低下

3.)微振動の発生

4.)車自体の剛性低下

5.)タイヤの異常摩耗

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昨日年一度の家族旅行に行ってきた、勿論ハコスカでです。日々通勤 下駄で使っているのでエンジンの調子や

車体回り 駆動系 サスなどの調子なども良く分かり 今のところ不具合は見られない。以前にも書いたように

車体の修復、補強 エンジン&ミッション&デフO/H、サスの組み直し ブレーキ入替え 電装など一から見直し

リセットしてのスタートなので 日々使う事で不具合が出るなら早めに出し切って良い状態をいち早く出したい為だ。

「走る 曲がる 止まる」が当たり前のように自分が満足出来るよう 現在の仕様は仕上がっている。普段の足として

使えながら もっぱら高速をハイアベレージで安定して走れる事、これが私がハコスカに求める基本コンセプトだ。

今回 唯一不満に思ったのが峠のワインディングでリアの沈み込みが大きかった事だ。しかし 4人乗って荷物

トランクいっぱい状態ならコーナリングがどうのこうの言える状況ではないので致し方無いのだが・・・ 一人の

状態で走って見たいと切に思った。今の仕様は若かりし頃には想像も付かない仕様だが特にぬうわ〜ぬおわkm/h

巡航が実に気持ち良く快適だ、室内の騒音も気にならず会話も普通に出来 心地良いデュアルマフラーの音質

もそこそこ聞こえ 不快な振動も皆無だ。今回は生きの良い今のフェアレディZ R-34 レクサスがいたが

一時期だけでハコスカのレース用ワイドミラーに消えていった、言うまでも無いが今の車の方が私のハコスカ

より格段に性能が良いに決まっている、高速の場合 ドライバーがいかに長時間の緊張に耐えられるかどうかに

掛かっている。旧車をこう言う使い方をするにはそれに充分安定したパフォーマンスを発揮出来るよう作る

必要が有る。水温 油温の安定化、レシオの設定、サスの設定などなど しかし 今回は2度ほど肝を冷やした。

覆面パトカーだ、タイミングが悪ければ今頃私が・・・ ゾッとした瞬間だった。

「古いハコスカが老体に鞭打って頑張って走っているぞ ちょっとシメシをつけてやるか」的なノリでしばらく後ろに

張り付いてくるが 巡航スピードは緩めない、要所要所でペースを上げ引き離す。この状態を結構続けると

大体付いて来なくなるが 中にはピッタリ付いてくるヤツがいる、そんな時は道を譲り 後ろに張り付いて

しばらく並走。そうすると必ずペースを上げてくるので離さないよう追走。こんな駆け引きがしばらく続くと

大体はスピードを緩め道を譲ってくれる、同じペースで引き離して終了。旧車だからといって舐められるのが

嫌いなので「エライやつが居たもんだ」とか「エライやつを相手にしたもんだ」「あのハコスカなかなかやるな」

ぐらいのインパクトはせめて与えたい。「所詮 旧車、年寄りの冷や水」的に思われるのはハコスカの歴史に

申し訳なく プライドが許さない。常にパフォーマンスが発揮出来るよう設定 メンテを怠ってはならない。

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エンジンが構想通りに仕上がればそれを効率良く路面に伝える為に自分の使い方に合わせ選ばなければ

ならない、折角のエンジンメイクが生きて来ない。L型系の場合 純正流用や社外品などで多くのバリエーション

が有る。プラス ファイナルも多様なのでその組み合わせも有り組み合わせ自由だ。

下記↓のノーマルデータや日産スポーツコーナー推奨GT-Rミッション、同じく240Zミッション設定の

データを記載しておこう。


ミッション減速比データ FS5W71B(S20搭載車を除く)
  車 種 \ レ シ オ  1 速  2 速  3 速  4 速  O. D  後 退 ファイナル
 スカイラインGT-X 5speed  3.321  2.077  1.308  1.000  0.864  3.382  3.900
 フェアレディZ S30(240Z・G共通)  2.957  1.858  1.311  1.000  0.852  2.922  3.900
 フェアレディZ S130(2.000cc)  3.592  2.246  1.415  1.000  0.882  3.657  4.375
 フェアレディZ S130(2.800cc)  3.321  2.077  1.308  1.000  0.864  3.382  3.700
 GT-R & Z432  2.957  1.858  1.311  1.000  0.852  2.822  4.444

=GT-R用レーシングマニュアル=

R−192デファレンシャル

4.625

4.875

5.125

   

=240Z用レーシングマニュアル=

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ハコスカの定番シートは何故か?何時からか240Z用レーシングパーツの通称“ダットサンバケットシート”となっている。

しかし ニッサンワークスの映像を見るとZ432Rのレース用シートであった(ヘッドレスト無)。


ワークスラストラン黒沢マシン

240Z用“ダットサンバケットシート”で無い事は明らかだ。しかしZ432Rレース用レプリカに関しても作っている

ショップは少なく高価だ。


Z432Rレース用レプリカ(もったいないのでまだ未装着)

最近とても気になっているGOODSがある、それはDATSUNバケットレプリカカーボンモデルである。

あれほどハコスカには“DATSUNネームモノ”は似合わないと言っておいて 恥ずかしながら・・・

ただのDATSUNバケットには興味は無いのだが カーボンモノにはとことん弱く魅力をそそられるみたいで

自分の中で自問自答、葛藤を繰り返したがこの物欲に負けました(完敗です)。

絶大な信頼がおける内田さんのところで迷わず発注、対応も早く 早速到着しました。

注)カーボンモノが好きだとはいってもボンネットやカウルトップ、フェンダー、ヒューエルリッド、リアトランクには興味が無い。


= E n d =


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