日産スカイライン2000GT-Rのメーカー公式映像には2種類ある、

すでにご存知とは思いますがノーマルは下映像↓です。

車高については昔からウェイトを積み 下げて写していると聞くのであてには出来ないが

カタログの映像を見る限り明らかに低く写っている。

上映像↑は4.5Jの純正14inchスチールホイル 6.45H−14−4PRタイヤを履いたものだが

もう1枚のカタログ映像に比べればおとなしく見える。


私が誌面で始めて見た公式発表されたGT-Rがこのサファリブラウンだったが 発売以来様々な誌面でも
この色のGT-Rはお目に掛かった事が無い。
(最近にわかにこの色にする人がちらほら)


市販前の試作モデルと思われる車両(青地氏の著書より) モノクロだが車体色はサファリブラウン


現在日産のショールームで展示されているド・ノーマル これが本当の車高だ リアタイヤに至っては逆ハの字に見える。


中古で売りに出されたこの車両の方が雰囲気が良くみえる。

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もうひとつの下映像↓はおそらく日産自動車スポーツ相談室のオプションパーツを組まれたHT・GT-Rであろう

と思われる、外見はタイヤ&ホイル、リアウィングだけでもこれだけ雰囲気は一変。

上映像↑のノーマルにホイル、ウィングを取り付けただけでなく 明らかにベース車両が変わっている。



紆余曲折ありながらパワーユニットは別にして現在 上映像↑が私が目指すスカイラインとなった、

さり気無くスポーティな雰囲気を醸し出す。

それを達成させる為 分かる範囲でどんな仕様なのか考察してみたい。

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当初2ドアハードトップ・GT-R用の日産スポーツコーナーパーツを組み込んでいると思った。

しかし良く考えるとハードトップが発表されたのが1970 10月

そして日産自動車スポーツ相談室がハードトップ専用のカタログを出したのが1972 7月。

と 言う事は青地さんの回顧録によればハードトップを富士で初シェイクダウンした1号車(同年10月)仕様が

4ドア用のチューニングパーツを流用して走行している。であればこのカタログ仕様は時期的にもそれと同様の

パーツを組んであると考えるのが正当であろう。

1970 10月23日 富士スピードウェイ HT GT‐R 初シェイクダウン

数ヶ月前まで村山テストコースを覆面で走っていた試作車の1台はすべての試験が終わり第2特殊車両課にやってきた、見た目には立派な中古車で、すでに数万キロ走っているのでレース用実験車として使うには惜しげないベースである。レース車として改修が開始されたが主に軽量化とオーバーフェンダーの取り付け作業だ、後に4Drで開発されたレース用部品を組み込む。共用できないドア関係、ウィンド関係はノーマルのまま(青地さんの著書より)


リアホイル 左映像がカタログで 右映像が4ドアの日産スポーツコーナーのカタログ
どうやら7Jに間違い無さそうだ。

しかし フロントの6Jレース用スチールホイルはスカイラインのノーマルフェンダーでは外にはみ出してしまう為
オプションのオーバーフェンダー(PGC10用のレーシング用マニュアル)の取り付けを義務付けられている。
だから上映像↑のカタログはそれを誤魔化す為にステアリングを切って写してある事に気付いた。
(今私が履いている15inchスチールホイルは6JJ コレでツライチ、はみ出しは最低限のマナー 御法度)




PGC10-R










KPGC10-R



スチール製ロードホイルはPGC10とKPGC10共に共通でフロント、リア1種類のみ


4ドア用レーシングパーツを組み込んだテスト第一号車

サスについては下記↓に4ドアとハードトップの比較をしているが4ドア時代は1種類しか設定は無く

その基本は後のFISCO用(HT・GT-R用)のレイアウトのようだ。

リアのみ4ドアの方が自由長がやや高めに設定されている。


HT・GT-R用はFISCO仕様と鈴鹿仕様に分かれているが これは言うまでも無く

FISCO仕様:高速コースが故にハイスピードでのバンプに対応する為ストロークを多く取られた設定(主に30度バンク)。

鈴鹿仕様:コーナーが多く ロールに対する対策として重心を低く取る為に車高を低めにした設定。

長谷見車でFISCO仕様と鈴鹿仕様で比較しているがカタログはFISCO仕様と思われる。
FISCO仕様


鈴鹿仕様



上映像↑は別項で紹介しました正谷栄邦氏のプライベートで所有していたHT・GT-Rです、フロントホイルはフェンダー内に納まっている、
どういう事だ。よ〜く正谷号のホイルのプレスを見るとSR用のホイルではないかと思うがSRレース用ホイルのオフセットは知らない。


スカイライン純正ホイル                         SRホイル

=余談=またWebで見つけた4DRGT-Rに履いてあるTOPYホイル(“R”のナットで無いのが残念)

これもフェンダー内に納まっている S130Zのハブを使っているのか。



このウィングの映像もメーカーの公式だがレース車両用と市販車用は微妙に形状が異なるようだ
(面積 曲がり)
おそらく“SKYLINE”文字入りと無しのバージョンではないかと思われる。
(試作品は当てにならないが)

オヤジが付けていたリアウィングの素性が分かった。オヤジが付けていたリアウィングには「SKYLINE」の

彫文字は無かった。そのタイプは4ドアGT-Rの初期からレース活動されていたGT-Rのオーナーに

供給されたもののようだ、それを前期モデル(あえて言うと初期)とすると後期モデルには彫文字に

変わったようだ。やはり私は前期モデル(あえて言うと初期)に値打ちを見出す。

青地さんの話によれば おそらくワークスマシンには最終までこのタイプが付けられていたと推察される。


この頃(4ドア)は彫文字は無い


文字無しリアウィングはオークションで数度出てきたようだ。


ホイルに関しては純正4.5JGT-Rスチールホイル、5J、5.5J、6J、

レース用オプション14inchスチールワイドホイル、同じくマグホイルを揃えている。

勿論ホイルスピンナーはメーカー最終ロッドが手に入れる事が出来た。

現在は↑上記の事を踏まえつつ純正デザイン(TOPY)の15inchスチールホイルが無いものかと思っていたら

在ったようでフロントはそのまま使い リアはワイド加工して装着している。この仕様はまず居無いだろう。


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↑上記の事から今出来る仕様を作ってみよう。

サスはリアのレース用ダンパーのみあるが使うのには忍びなくNISMOのダンパーを使う事にした。

今やコレも生廃によりレア品に入るようだが

スプリングはRSさんの唯一復刻されているFISCOスプリングを使う。

参考パーツ↓(ラバーソウル製)

■ハコスカ FISCOワークス用スプリング (F)3.8K(R)16.5K 50mmダウン
(昔の日産オプションスプリングの復刻版です) 1台分
(ショックのショートストロークが必要です)(オレンジ色)
(ショート加工参考 (F)65mm (R)50mm)

コレは組むかどうか思案中だが ワークスは早くからフロントロアアームブッシュやリアコントロールアームブッシュ にナイロン製のブッシュを採用した。
ナイロン樹脂は現実問題使用に耐えないがウレタンブッシュを用意しておいた。




またフロントスタビライザーФ24 フロントスポイラーは当時のワークス品のフルコピー品を入手出来た(装着済み)。



リアスタビライザーに関しては標準のФ12.7では無いよりマシだが出来ればФ19が望ましい。

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先日 自分のハコスカが走る姿を見た、人に貸す事はまず無いが車検の時だけは信頼出来る友人に

預ける。今の状態でも結構あの理想とする映像に近くイイ線いってると思った。高からず低からず構えた

雰囲気はノーマルとは違った味が出ていた。

カタログ仕様のレース用スチールワイドホイルをフロントに履けない事が分かった以上
別の方法として あまり見る事がないがTOPYで6Jのホイルがある、コレはアリかも。

遂最近のオークションで久しぶりにGT-R純正TOPY4.5Jスチールホイルが出てきた。


表の色艶が純正とは異なり 塗ったみたいだが¥1.000スタートで な、な、なんと
ホンマかいなの最終落札価格¥211.000‐


ちなみにホイルスピンナーは 最終落札価格¥40.500‐
いずれにしても恐ろしい金額だ。

------------ after -----------

いろいろ書いてきましたが現在の状況は下映像↓の状態です。

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=パワーユニット=

私は小さな頃(小六)からKPGC10に憧れ いずれ乗ってやると心に誓った。

日産ワークスGT-Rの切磋琢磨している姿にも感動してその躍動を体感してみたかった。

しかしワークスGT-Rは同じS20型エンジンでありながら各部品に手を加えたりワンオフで

製作されたものでS20であってS20でない事も薄々感じ取っていたものの いざ試乗出来るようになり

失望のどん底に突き落とされた。今の市販車に知らず知らずの内に感覚は毒され GT-Rは

それに負ける事無く素晴らしい走りをするものと幻覚を見ていた。

“走らない” “止まらない” 一気に幻想は打ち砕かれた、そして GT-Rへの憧れも消え去った。

所詮 ワークスマシンやワークスパーツは厳格に流出を恐れ 尽く潰されてきた。

ワークスの後姿を追うことさえ夢が潰えたのでした。

私にとって巷に高値で取引されている市販車GT-Rは 私が想うGT-Rでは無い事が決定的になった。

となると市販車GT-Rにその値打ちと価値が見い出せなくなった。

いわゆる「えせGT-R」と言う事になる。お飾りの博物館行きのGT-Rに興味は無い。

しかし L型エンジンに当時のワークス仕様を追える事が分かり“昭和のかほり”に触れることにした。

それが確信へと変わったのがL24型エンジンを積んだKPGC10が存在したからだ。

試作でS20型エンジンとの比較で短期間の間製作されたようだが表への露出はほとんど無い。

フェアレディ240Z用の「レース用チューニングマニュアル」も持っていた事もあり

その日産ワークスが製作したL型エンジンKPGC10Rを目指す事にしたのだった。

GT-Rが高くて買えないので世間で言うGTで「GT-Rモドキ」「バケR」を作ったのではない

と言うのは一言付け加えておきたい。

しかしスカイライン班とフェアレディ班は異なるチームであり その試作車はフェアレディ班が

製作したL型エンジンには及ばない性能であったようだ。

フェアレディZの究極のエンジンはLY型エンジンでヘッドが異なりクロスフローとなっている。

一方ラリー仕様や初期のフェアレディはL型エンジンオリジナルでチューンされていた。




このエンジンベースで実績ある確かなやり方「レース用チューニングマニュアル」に基づき

仕上げて行く。

フェアレディZもGノーズが付いたZGに移行する頃にはHT・GT-Rを遥かに越える

富士スピードウェイ6kmコースでラップを出している。




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青地康雄さんの著書にこのKPGC10にL24型エンジン搭載試作モデルの記述がある。


このL24型エンジン搭載スカイラインハードトップの資料はほとんど無いが

当時のフェアレディ開発班のエンジンに比べれば かなり未成熟なエンジンのように思える。

インジェクションではなくキャブ仕様だったり L型のターンフローヘッド

エンジンルームの空気を吸うインダクションポット GTRノーマルラヂエター・・・

さすがにエンジンはノーマルL24ではないと思うが 良くて圧縮アップとカム交換ぐらいかと思う。

仮にS20型エンジン開発の行き詰まりからL型エンジンの投入を考えてテストしただけの事だろう。


もっと洗練したL型エンジン搭載スカイラインを目指す

この流れを汲む所謂“GT-改”に限り「L型GT-R」と呼んでも差し支え無いだろう。


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