日産スカイラインK・PGC10系

ハコスカをデザインした3人のデザイナー

森典彦/八木沼秀夫/松宮修一

60年にデビューした初代ALSIスカイラインのマイナーチェンジには2つの特徴があった。1つ目は4灯式ヘッドランプ。

2つ目はテールフィン。その下にコーン状の突き出した丸形テールランプが存在する。それをデザインした鈴木潔は

スカイラインの丸形テールランプのルーツとなる。ハコスカの1/5クレイモデルを見た上司の中川良一専務や

田中次郎部長は「これはいい、やっと素晴らしいクルマが出てきた」と絶賛した。他社のクルマはほとんどが

クレイモデルを削って出来ている。どのモデルも削ると同じような面しか出来ない。ハコスカは中から押し出すデザインで

まさに筋肉のようだ。すべての皮膚(表面)は中から持ち上がっている。生き物みたいなデザインは面と面の境目が

無い(エッヂレス)ものになった。宣伝を担当したアートディレクターの向秀男が命名したサーフィンライン(元は

サイドストリークライン)も中から持ち上げられたものでフロントのバンパーの側面を起点にしたラインとリアのホイル

アーチの上を走るラインで構成される。後にGT-Rではホイルアーチ上のラインは大胆にカットされる事になる。

初期のフロントデザインを担当したのは八木沼だった。森はデュアルランプを1つのものに見せたかった。

「ここはこういうふうに変えた方がいい」と森は助言した。森はフロントグリルに表情を出そうと フロントエンドの

ランプの上の部分をやや削って眉毛の形を作った(唯一削ったデザインの部分)。森は最終的にランプを囲んだ

輪郭を付け ランプの間に透明なアクリルを入れ1つのランプのように見せた。この頃ハコスカのスタイルの評判は

「売れなさそうだが良いとも悪いとも言えない、これは変なクルマだ。売れ行きが非常に心配だ」とプリンス自販は

戸惑いを見せた。一般のユーザーには理解しがたい形だった。ルーフはダブルバブルより複雑なW形の谷がある。

ボンネットにもW形の谷があり中央には稜線がある。トランクリッドにも大きな起状がある。このクルマを見るには

ボディカラーが大きく影響する。それを担当したのが鈴木だった。このハコスカはただのパステルカラーだと陰影が

分かり難い。当時「銀パス」(濃銀に青帯)があったがそれと同じでは面白くないので やや赤みのある黒を入れて

暖色系のダークシルバーに仕上げたメタリックは彫刻のように美しく輝いた。ボディデザインの思惑を見事に表現した

ダークシルバーのメタリックの果たした功績は大きい。「ハコスカがデビューした時 市場の反響は大きくなく ソリッド

なカラー(原色で組み合わされた色)では街の中では目立つ事無くベタッとした感じがした」と森は語った。

しばらくしてメタリックの時代に入った途端に元のハコスカデザインの意図が鮮明に出始めて安堵した。その

筋肉のようなデザインの為に苦悩した男が居た 八木沼である。八木沼はデザイナーだがエンジニアでもあった

(当時のプリンスでは当然だった)。普通 線図は40日くらいかかるが55日も掛かった。

森が当初狙った情緒あるフロントの表情を松宮は進化させた。松宮はC10スカイラインのマイナーチェンジと

ハードトップで グリルの中に眉毛を作り よりダイナミックにした。いわゆるダブル眉毛デザインになるのだが

フロントエンドの削った眉毛部分は目立ち難かった。スカイライン・ハードトップのデザインの前に「S75」

呼称される「スーパー・スカイラインHT2000GT-R」(仮称)の企画があった。「S75」のフロントはスポーツカーの

ような流麗なラインを描いている。スカイライン2000GT-Rのフロントオーバーハングは705mmだが「S75」は

773mmでスカイライン2000GT-Rよりも更に68mm延長される。が ラヂエター位置は同じ。フロントエンドは

大胆に低くなりフェンダーも変更された。まるでフルモデルチェンジのような変化だった。フロントは森の当初からの

デザイン意図をより鮮明にし「ハコスカをスポーツカーにしたらこうなる」というデザイン。フロントエンドの眉毛部分

だけにしグリルにはモールも無く大胆にブラックアウトされ すべてパネルで構成されていた。ランプはより吊り目

を強調したものになった。レーシングカーのようにバンパーは無く グリル下には大きなエアインテークの孔が

開いている。「S75」のデザインは高性能を示唆していた。もしこのスーパー・スカイラインがレースに参戦して

いたら50連勝以上していたに違いない。松宮はメッキもグリルも無い純粋なスポーツカーにしようと思った。

グリーンのクレイのストックがあったので「S75」の1分の1のクレイモデルを造った。そこで資金的な制約から

上層部が開発中止の判断を下した。「このクルマでスポーツカーの世界に一石を投じたかった。すぐにでも

レースに出られるようなクルマでした。上層部に熱い思いは通じませんでした。でも結果的にはハードトップの

二重の眉毛のデザインが4ドアセダンにも採用された。私のデザインがユーザーの皆さんに受け入れられた事は

デザイナー冥利に尽きます。ただ森さんのデザイン意図を忠実に表現しただけの事です。ハコスカの

マイナーチェンジの陰には「S75」という幻のスポーツカーが有った事を忘れないで欲しいですね」と松宮は

声を詰まらせた。この線図には名称LINES BODY 型式記号74-1 番号50001-0703Pと描かれている。

さらに田中次郎 藤田喜作 渦尻静 森典彦 片柳重昭 伊藤烈 坪井勲のサインが残っている。

68年8月にハコスカが発売される約2年前にこのデザインがされていた事になる。

A案は70年10月にはハードトップとして発売されている。量産モデルはフロントウィンドーとルーフの接点が

丸く流れるデザインになっている。リアクォーターピラーとウェストラインは滑らかにつながり力強さと流麗な

ラインを形成している。この2つのハードトップとも松宮がデザインしていたものだった。B案はリアクォーター

ピラーは量産モデルよりも細く ピラーの下部で“く”の字に折れ曲がっている。これはガラスを収納する為である。

フロントピラーとルーフの接点はやや角張っている。このハードトップのB案は採用されなかった。


B 案 ハードトップ

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何はさておき まずはノーマルのコンセプトなどを把握しておかないといけないでしょう。

S20型エンジン

スカイラインGT-Rと言えばまずエンジンであろう、当時としては一般量産市販車という概念から逸脱された

システムが惜しげもなく投入された草分け的なエンジンであった。未だに誌面に踊る文句に“R380のエンジンを

ディチューンし搭載”とある、ひどいものになると“R380のエンジンをそのまま搭載”などとある。

設計人に言わせればまったく違うエンジンらしいが GR8エンジンが参考にされている事には違いない。

=シリンダーヘッド=

シリンダーヘッドは軽量で冷却効果の高いアルミ合金鋳鉄で燃焼室形状はG型エンジンと同じく 多球形室を構成。

これは膨張パワーを最大限に有効にするのに必須の機構である。吸排気バルブはそれぞれ2個づつ つまり

1気筒に4バルブ式と言うレーシングエンジンのレイアウトそのままが生かされ このエンジン最大の特徴であると

ともに世界でも市販されている例が無い(発売当時での話)

=ピストン=

ボアФ82 ストローク62.8mmにピストンはアルミ合金鋳造製でヘッド部は4つのバルブを逃げた凸型で十分な

強度を持つ軽量ピストンである。昭和46年式より併売のレギュラーガソリン仕様エンジンはピストン上辺部を

斜めに削り落し圧縮比を9.5から9.0に下げた。同時にレギュラーガソリン用は点火時期をBTDC15度/

1.000rpmからBTDC10度/1.000rpmとするためにクランクプーリーやディストリビュータに変更が施されている。

ピストンリングは2本の圧縮と1本のコンバインドオイルリングが組まれている。

=カムシャフト駆動=

DOHC:ヘッド部に2本通されたカムシャフトはプライマリー減速をギア1段とダブルローラーチェーンとによって

駆動される。カムシャフト駆動はクランクから一端ギアでアイドルギア2/3に減速されこのアイドルギアと同軸の

スプロケットからダブルローラーチェーンでカムシャフトを駆動しながら3/4に減速され 結局クランクの1/2に

減速される。モデルとなったR380のGR8型はギア、国産の多くのDOHCエンジンはチェーン2段による駆動だが 

前者は生産性騒音などの後者は高速時のチェーンの伸び 及び切れなど 運動性に問題が有り このS20型では

両者の折促性でギア1段で減速の後デュプレックスD-3チェーン2段を使用している。ちなみにR380のGR8

エンジンはカムギアトレイン方式。

=バルブ=

S20型エンジンの最大特徴とも言える吸気排気それぞれ2個づつの4バルブは排気側に1.2mmオフセットされた

吸排対称のV字型配置クロスフロータイプを形成する。海外にも市販車としてはフォードエスコートRS1600ツイン

カムに唯一の例を見る。1気筒当たり4バルブ配置はポート面積の拡大によって吸排気が完全かつ迅速に出来、

一方バルブの小型軽量化によって慣性重量の減少というメリットがあり高回転高出力を可能にするS20型の贅沢な

設計によるものである。

1気筒当たり4バルブ:合計24バルブにも高速高出力エンジン故に耐摩耗、耐熱、軽量化の配慮がなされている。

すなわちバルブはインテーク側が焼き入れ処理を行った耐熱鋼、エキゾースト側が高温強度に優れた特殊表面

処理、ステライト盛り(シート部)をおこなった特殊耐熱鋼、2重に入れられたスプリングも耐熱性に優れたオイル

テンパ線が使用されている。冷間で0.30〜0.35mmに保たれるバルブクリアランスはバルブリフターによって

調整される。

クロスフロー、V型配置のバルブはインテーク側 エキゾースト側ともに傾斜30度−60度のハサミ角をとる。

バルブサイズは吸気Ф32mm 排気Ф29.5mm バルブリフターは8mmだ。これらの数字は同種2バルブエンジン

のものより小さいが4バルブ方式のたまものでトータル吸排気通路面積では2バルブ方式を凌ぐものになっている。

バルブ作動はバケット型のフォロワーによって行うがタペット間隙調整の便を図るため頂部厚みを1.25mm〜

2.25mmの間で0.05mmづつ変えた21種類のフォロワ−を設定してある。適当な厚さのものを選ぶ事によって

規定のクリアランスが保たれるわけである。このバルブリフターも耐摩耕性に優れた特殊合金鋳鉄にタフトライド

処理チル硬化(バルブ当たり面)などの処理が施されている。バルブタイミングは吸気開・上死点後25度、

閉・下死点後45度、排気開・下死点前45度、閉・上死点後25度、オーバーラップ50度。

これは高速型エンジンとしてはまず標準的な設定である。

=コネクティングロッド=

特殊合金鍛造によるコネクティングロッドは大端部の後端部に切り欠きが設けられスラスト方向へ給油が行われる。

=シリンダーブロック=

高級鋳鉄製のシリンダーブロックの本体は2つの大きな特徴を持っている。1つはクランクシャフト中心線よりクランク

側に大きく下方まで裾を長く伸ばしたディ−プスカートタイプの7ベアリング式で軽量に作られている。もう1つは

ブロック剛性を上げる為クランクのメインベアリングキャップはシリンダーブロック側面からサイドボルトで結合されて

いる特殊構造のサイドボルト方式である。サイドボルト方式とはメインベアリングを支えるキャップを両サイドからも

共締めし横方向の荷重の一部を負担させるものである。軽量にして横剛性の強化を図るのに有効でレーシング

エンジンなどには多く採用されている。一般市販車のエンジンで採用したものは 勿論我が国初で外国でもフェラーリ

などに例をみるだけであった。サイドボルトには本体との隙間調整の為に t=1.96〜2.14mmまで0.02mm

おきに10種のシムが用意されている。

=カムシャフト=

カムシャフトはターカロイ鋳鉄と呼ばれる特殊鋼鍛造製で耐摩耗性を増す為にカム及びジャーナル面には鉱炭焼き

入れ、初期なじみを良好にする為リューブライト処理が施されている。DOHC方式の為にカムシャフトは吸気と

排気のカムシャフトが2本シリンダーヘッドにマウントされそれぞれリフターを介して直接バルブステムを押し

下げて開閉を行うものである。高性能を裏づけるように吸排気ポートは抵抗の少ない形でバルブガイドの

突き出しが極端に少ない。

特にシリンダーヘッドとブロックの結合には26本のヘッドボルトで締め付けエンジン全体の剛性を高く 連続高速

運転でも緩みの出ないよう工夫が尽くされている。

=クランクシャフト=

疲労強度と耐摩耗性が高い特殊合金の鍛造によるクランクシャフトは各気筒間7箇所で支持する7ベアリング

方式で剛性と固有振動数の増大が図られている。コンロッドもクランクと同様に特殊合金の鍛造製でキャップとの

結合は特殊リーマボルトで結合されている。

=燃焼室=

4バルブ方式の燃焼室はいわゆるペントルーフ型が一般的だがS20型エンジンの場合は各バルブを中心とする

4個の球面で多球形を作っている。プラグの位置は無論クラウン部に凹面を設けてある。

=エキゾーストマニホールド=

4バルブと並んでS20型のもつ贅沢な装備に独立型のエキゾーストマニホールドがある。ステンレスの曲げ加工に

よるもので各気筒の長さを同一に揃える事によって“排気のチューンナップ”がなされている。この当たりも生産性

よりも性能を重視した設計の現われである。排気マニホールドは3気筒づつまとめ デュアルエキゾースト式である。

=潤滑=

潤滑は高性能エンジンの最も重要な要素で6リッターのオイルパンからギアポンプで吸い上げられ フルフロー式

エレメントを経てメインギャラリからクランクへ。一方シリンダーヘッドのカムシャフト2本に給油される。

R380のドライサンプ方式が一般車並みのウェットサンプ方式に改められた。オイルパンは6リッター

(フィルターを含めると6.5リッター)と容量が大きいがこれはオイル交換時の時期を考慮した為である。

ギア式のオイルポンプはチェーン駆動されるが極初期モデルはアイドラーを挟んだギア駆動となっており

エンジン音が一段と猛々しい。

=冷却=

冷却はクランクからVベルトで駆動されるポンプによってブロックとヘッドに循環する密閉加圧式である。

=キャブレター=

燃料供給はフランス ソレックス社の国産化になる三国工業製のソレックス40PHH型のツインチョーク式の

キャブレターを3基備え つまり 1気筒に単胴キャブが1個のレイアウトでここも高出力の源となっている。

ボアФ40mm メインベンチュリー径Ф32mm。

S20型エンジンは極めて念を入れて製作された。エンジン工場では数人の優れた技術員だけがこのエンジンの組み立て

にあたった。高性能をエンジョイ出来る数少ない優れたテクニックを持つオーナーの歓びのために彼らは心血を注いだ

のである。それはS20型エンジン組み立て作業の中でインテーク及びエキゾーストポート合わせ目の段付を除去する

と言う行程にも表れている。現代の量産車メーカーのエンジンでこのような処理をされて完成するエンジンは稀である。

S20型エンジンは血筋も別格ならその生産に関しても特別であった。この処理に関してはホモロゲーションにも明確に

記載されており ポートはプラスマイナス1.5mmの公差が認められている。

<レース仕様>ルーカス製燃料噴射装置を備え 最高出力は240PS以上に達した、最高許容回転数は10.000rpm

フロントカバーはマグネシューム製で補機駆動はコックドが駆使されている。


某G誌連載記事 S20型エンジンオーバーホール

過去の自動車のボディは衝突時においても破損の少ない頑丈なボディを是としてきたが乗員保護思想を優先すると

まったく逆に衝突時の衝撃エネルギーはボディの変形によって緩和される必要がありその為に乗員の客室はより

頑丈にそして前部エンジンルーム、後部トランクルーム部を柔らかに設計した“エネルギー吸収式ボディ”が

クラッシャブルボディである。万が一の事故において一見ボディの変形が大げさに見えるが実はそうなる事が望ましく、

これによってドライバーなどへの衝撃が大幅に減少するのである。また事故による保護という面ではドアが閉じたままで

ある事が望ましく車外に人が放り出されないように つまりドアのロック装置が外れにくく破損しにくいアンチバースト式

ドアストライカが装着されている。

GT-RのボディはGTと同一のボディシェル/モノコック構造を用いる。ただしホイルのオフセット量増大、レーシングタイヤ

装備の考慮からホイルオープニング上にオーバーフェンダー風のリムを張り出した。その為全幅はGTの1.595mmより

15mm増の1.610mmとなった。全長はバンパーオーバーライダーの廃止で35mm減の4.395mm。全高は5mm減の

1.385mm。PGC10・GT-RのホイルベースはGC10・GTと同一の2.640mmであるが 1971年式から4ドアセダンに

代わってGT-Rの役割を引き継いだハードトップのKPGC10・GT-Rでは70mm減の2.570mmに短縮された。

これに伴って全長4.330mm 65mm減、全高1.370mm 15mm減 いずれもPGCと対比と変化した。

=安全部分強化ガラス=

万が一走行中にガラスがバーストした場合でも視野を確保出来るようにフロントガラスは部分強化ガラスが用いられ 

周辺部は細かく割れても中心付近は荒くヒビが入るようになったもので全面焼き入れ強化ガラスにとって変えられた。

=トランスミッション=

このエンジンに結合されるトランスミッション系は、ダイヤフラムクラッチにポルシェタイプのボークリング式シンクロの

5速ギアボックスが続いており、標準変速比はOD5速の0.852〜1.00〜1.311〜1.858〜2.957.オプショナル

レシオは3速以下のギア比を変えた1.217〜1.383〜1.858/1.262〜1.704〜2.678の“スーパー”クロス

レシオがレース用として設けてある。リミテッドスリップ付きデファレンシャルの標準レシオは、GC10系のオプション比と

同じ4.444を採用、オプションとして4.875と4.625がある。

=クラッチ系=

クラッチ系もGC10(2000GTと同様だがスプリング荷重を変更してある)ギアボックスの基本タイプはフェアレディSR系と

同一だが各部の設計には相違がある。

=ステアリング=

ステアリングもGC10系同様のリサーキュレーティングボール方式を採用している。ただし軽量化の為ステアリングギアの

ハウジングをアルミ鍛造品に改め ギア比もオーナー層の相違、ドライビング、スタイルと好みの相違にあわせて より

小さい数値のものに変更した。GC10の減速比19.8、ロックからロックまで3.5回転に対しPGC10は18.5、

3.3回転である。ステアリングホイールはФ405mmナルディタイプのウッドリム。勿論“ウッド風”ではなく本物の木製で

ある。

=サスペンション=

サスペンション方式の前輪マクファーソンストラット/コイル、後輪セミトレーリングリンク/コイルによる全輪独立懸架も

GC10と同一である。ただしGT-Rでは高速コーナリング性能向上を考え 前のコイルスプリングの常数をGC10より

30%増の2.34、後ろを10%増の2.62に高めている。

=ブレーキ=

ブレーキは住友ダンロップS16ディスクブレーキでФ253.5mmディスクをフロントに装備する。リアブレーキは

Ф228.6mmのLTドラムである。ただしGC10で標準装備だったマスターバッグはGT-Rの場合 オプションとされた。

重量軽減 レーシング走行などを考慮しての措置である。

=タイヤ=

タイヤは4.5Jホイールに6.45H-14を履いており サイズはGC10と同様だがホイールのオフセット量変更で

前後トレッド寸法をいずれもGC10より44mm広げてある。

=充電機=

充電機は軽量のオルタネータを装備し軽量化とともに損失馬力も少なく配慮されている。市販高性能エンジンとしては

我が国でも最右翼に位置するエンジンである。

=HT・GT-R フューエルタンク=

フューエルタンクはGT-Rの場合(KPGC110は55L)100Lの容量をもち セダンは長方形で後部背面にマウント

されている。中部には間仕切りのディターバーを設け 旋回時の燃料移動を避け中央上部にはバネヨット式フ

ューエルゲージユニットが取り付けられ上面にはフューエルポンプへ結ぶサクションパイプ 大気圧にエア抜きとなる

ブリーザーパイプ、更に燃料注入時のエア抜きとなるチューブなどが接続されている。

=HT・GT-R フルトランジスタ・イグナイタ−=

エンジンの高速性能化に伴い イグニッションシステムにはR380と同様フルトランジスター点火装置が採用された。

フルトランジスタ点火装置とは従来回転するローターとポイントによって行われていたイグニッションの一次電流の

断続をすべてトランジスターを中心とした電子回路に置き換えたもので現在では多くの国産車に採用されているが

GT-Rが初めてであった。エンジン右側のディストリビュータのようなものはトランジスタに信号を送るシグナル

ジェネレータである。この方式は機械的な接点のチャタリングや焼損などのトラブルは皆無となり高速時や加速時の

火花性能の向上にも威力を発揮するのである。無接点のディストリビュータ イグナイタ アンプ イグニッション 

コイルから形成されている。


なお すでにご存知だと思いますがGT-Rにもレギュラー仕様があった。

買った人 居るんだろうか?


PG(507)T販売広報活動に関する設計仕様説明書
PGC10



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最近 各個人所有の“GT-”をWEB上で見て思う事がある、歴史ある名車が“GT-”の風格を失い“GT-”仕様に

見えるモノが多くなってきている事に危惧を感じる。勿論個人の趣味だから言われる筋合いは無いと言うのが正論だが

個人のホームページなので私の感じる事をあえて述べておきたい。ハコスカが好きにも色々ある、走りを追求する、

見た目を思うように仕上げたい、持っているだけで満足している、一度は乗って(所有)みたかった などなど。

昔から“GT-”に手が出なくて“GT”を“”風にするのは定番で好き放題イジっていてもまだ許せる(譲歩して)。

しかし 現在売価が1.000万まで高騰し良い状態で現存するモノは少なくなって来ている今 せめて“”の歴史を

充分把握して事に当たって欲しい。私の考え方も時が経つに連れ変わってきた、最近 フロントフェンダーに

オーバーフェンダーが付いている事に違和感を感じるようになってきた、ノーマルは付いていないからだ。

純正で設定が無いので もしメーカーが作るとどんなカタチになったのだろう?

フロントにオーバーフェンダーを付けている人は 勿論ノーマルフェンダーも用意していて(ファイバーモンではなく

純正フェンダー)いつでも戻せるよう持っていて欲しいと思うが・・・


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