‘73 3 18 富士300キロスピードレース

メインレース

マーチBMW73S:黒沢元治


ワークス240Z:星野一義

ミドル&スーパーツーリングレース

Tb(1301〜1600ccまで) Tc(1601cc以上) 出走16台

3月18日 富士スピードウェイ 1周6km×20周 120km スタート:午前11時50分 天候:曇り

昨年のスーパーツーリング・チャンピオン・レースはワークス同士の激突で 異常な持り上がりを見せた。

しかし 最終戦からはニッサンワークスのスカイラインGT-Rが出走せず ロータリー勢圧勝のうちに昨シーズンを終了した。

このような状況下で迎えた今年第1戦のミドル&スーパーツーリング・レースはエントリーがわずか16台、

このうち半数がロータリー勢である。

まず♯22片山義美を筆頭に♯1岡本安弘 ♯15赤池卓 ♯19宮口茂樹 ♯20福田真志 ♯21釜塚誠 ♯23尾上誠

のサバンナ7台と寺田陽次郎の♯18()カペラ1台。スカイラインGT-Rは♯16正谷栄邦と♯24窪寺泰昌の2台。

1600ccのミドルクラスながらロータリー勢と互角にわたり合うと予想されるのは♯01蟹江光正と♯8久木留博之の

ワークスセリカ1600GT。この他♯10藤田直広1600GTと♯11レビン。それに♯12ベレットGTRの粕谷純一郎 

♯3実川ブルーバード510SSSが加わる。

17日午前 除雪されたばかりのウェット路面で予選が開始された。昨年のようにメインイベントをしのぐような迫力も熱気も感じ

られない。しかし片山 蟹江 久木留のファクトリードライバーは流石にスムーズなドライビングをみせる。特に蟹江 久木留の

セリカコンビはウェットとは思えないようなハイペースでラップを重ねロータリーにひと泡吹かせようとの気迫が伝わってくるようだ。

ポールポジションは片山が2分05秒35で取った、しかし2分07秒36で蟹江が2番手 2分08秒55で久木留が3番手につけて

いる。

=決勝レース=

片山のRX−3は久々のペリフェラルポート式のロータリーエンジンを搭載していた。ペリポートが復活したのは約2年ぶりのこと。

だがいまや完成域に達しているサイドポートとこのペリとはそれぞれ一長一短があり 特にボディが重いツーリングカーに

使用する場合ペリに決定的な優位性は無い。片山は「確かに最大出力はペリの方が大きいがそのパワーの有効範囲が

ピーキーで初心者には扱い難い特性を持っている」と語っていた。ギアのセッティングはサイドポートタイプと同じ、サスセッティング

もこれまでのものと変わりない。

開けて18日 マイナーツーリングに続いてミドル&スーパーツーリングレースのスタートが午前11時50分に切られた。

コースはすでに乾いている。最前列の♯8久木留セリカがスタートにつまずいた以外はすべて調子良く飛び出した。

路面がドライになったせいか各車とも回転を上げ予選とはうって変わった甲高いエキゾーストを轟かせている。バンクを下り

S字を抜け片山サバンナがトップでヘアピンに現れた。2番手は寺田カペラ その後ろに蟹江と藤田のセリカに続く。出遅れた

♯8久木留セリカは追い上げて早くも6番手にいる。

1周目が終わり寺田カペラがピットへ飛び込んできた。フライングスタートによるペナルティの為だ。寺田はエンジンを止め

10秒間ピットにストップしてから再スタート。2周目 片山が2番目を200mほどリードしてヘアピンを通過していった。

2番手は蟹江と藤田を一気に抜き去った岡本サバンナだ。この周片山サバンナは2分00秒5のレース中のベストラップを

記録した。ペリフェラルポートロータリーと片山にとってこのタイムは決して速くない。しかし後続グループのペースが遅い為

片山は特に先を急ぐ必要も無いわけだ。2周目の終わり岡本サバンナがピットに滑り込んできた、異常なエンジン音を

発している そのままリタイア。2位の蟹江と3位藤田のセリカは2分03〜05秒台の安定したラップタイムで周回を重ねている。

だが3周目もう1台の♯8久木留セリカがグランドスタンド前を過ぎ去ったあたりでストップしてしまった。スカイラインGT-Rの

♯24窪寺も3周目のヘアピンでオイルを大量に吹き出しそのオイルに自らが乗ってスピン、こちらもリタイア。

中堅どころが次々と姿を消してゆくなかを片山は2分01〜03秒台に落として悠々と走る。5周目残った2台のセリカのうち

藤田セリカがストップ。レースも中盤を過ぎ順位も落ち着いて見えたが11周目 2番手の釜塚サバンナ 12周目6番手の

♯19宮口サバンナがそれぞれエンジントラブルでリタイア。同周♯12粕屋ベレットGTRがピットイン この間藤田セリカに

抜かれ8番手に落ちた。藤田はヘアピンでドリフト走法を駆使しながらの健闘だがピットインがたたって7位。

リタイアとピットインが続出するこのレースも15周目になってほぼ順位が安定してきた、トップは片山サバンナである。

2番手尾上サバンナに半周も差をつけている。尾上は3番手の蟹江セリカにピッタリマークされグランドスタンド前で

スリップストリームに入ろうとする蟹江から逃げようと右に左にコースを変えている。この2台の後方ではやはり藤田セリカと

4位の寺田カペラが同じような光景を展開していた。マツダとトヨタ 二組の争いは尾上と蟹江がゴールまで続き 結局

尾上が一瞬速くチェッカーを受けた、その差0.42秒。2位奪取はならなかった蟹江にもミドルツーリングの優勝が待っていた。

一方寺田と藤田はトップと同周回数の寺田が19周目に2周遅れの藤田にコースを譲って落着。総合優勝片山サバンナ

20周を40分39秒96。

 

このレースを見てもロータリー速しということもあるがセリカ1600GTやレビンの完成度の高さが印象的だ。

同条件のレースで1972 9.2 富士GC第3戦 ニッサンファクトリー最後の勝利となったスーパーツーリングクラスの

優勝;北野元HT・GT-Rが20周を41分37秒06に対し40分39秒96。いちがいにレース展開があるので比べる事は

出来ないがロータリーに仕上がりも着実なものになっているようだ。しかし逆にニッサンファクトリーが存続していたならば

「乾いた雑巾を絞るが如く」のチューニングであった事は伝えられているものの ニッサン特殊車両部第2特殊車両課では

性能アップの有効な手段が二、三手開発中であった、そして有能なファクトリードライバーの技量を持ってすれば・・・

なんて思う節もある。当時でもファクトリーとプライベーターの差は歴然でマシン的にも大きな性能差が有るところを

見れば 致し方の無いところだろう。プライベーター正谷、窪寺選手の健闘にもエールを送りたい。

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