まず ノーマルホイル、スィングアーム、リアショック、リンク類を外します。
“スーパーデルタプロリンク”が何故レーサー以上にしなやかな動きを発揮出来るかと言うと
L型リンクを用いる事で同じサスストロークでもショック自体をノーマルに比べ1.5倍ストロークさせると言う仕組みに
よるものです。またスィングアーム自体もノーマルよりも軽量(バネ下荷重軽減)で5cm長い(直進安定性やジャンプの
踏み切り時の車体挙動の緩和性、特に路面がマディ状態の時の直進・トラクション性に優れている)と言う特徴が有ります。
(“猫足”と呼び出したのはユーザーさんです、この名で雰囲気は掴めてもらえると思います)
上映像↑を見てもその仕組みの違いは一目瞭然。裏技でスィングアームのピポットベアリングをノーマルは片側2個
使われているがねじれ強度を増す為に3個仕様に変更する。
“スーパーデルタプロリンク”のスィングアーム、リアショックASSY&L型リンクを装着。
またチェーンスライダーもノーマルは左映像だが 右映像のようにアクセルのオンオフ時にドライブチェーンの
弛みによるタイムラグや横ブレを防止出来るタイプも装着出来るのでT.P.Oによって使い分けたい。
リアキャリパーブラケットを専用のものに入替え リアホイルを取り付ける。リアアクスルシャフト、ワッシャ、ナットも
専用のものに入替え 左スネルカムは強化タイプを選択し取り付け完了。
チェーンもスィングアームが長いせいでノーマルは使えないのでT-リングチェーンを新調した。チェーンガイドも
勿論強化タイプを選択。私のXR400Rは元々リアビッグローターを入れていたのでキャリパーサポートの寸法変更で
装着可能。このビッグローターだとオプションで樹脂製のキャリパーガード、ディスクカバーもある。特にディスクカバーが
ノーマルはスィングアーム側に付いていてホイルの脱着時に邪魔になるがビッグローターはサポート側に付けられるので
整備性も著しく向上出来る。
またノーマル“プロリンク”でのコンロッド交換による車高下げを行うとリアショックの圧縮レートが下がり柔らくなると言う
デメリットが有るが “スーパーデルタプロリンクシステム”はリンクがフレーム側に付いている構造からロッドによる
車高変更を行っても圧縮レートには変化が無いのでサス性能に変化は出ないのが特徴でもある。
それとダンパーに高速、低速の調整が独立した構造なのでジャンプなどの着地と細かいギャップのセッティングが
別々に出来る事がノーマルと大きく異なる所である。
また10mmクラスのロックナットには軽量タイプのナットを採用した。
XR400Rは8.000rpmでリミッターが効くように設定されている事は、別項で述べましたが これはレーサーとは
言っても環境に配慮されたものでエンジンブローを保護するものではない。勿論 私のXR400Rはリミットが1.000rpm
高く 高進角のC.D.Iに変更済みで強烈な加速をしてくれるが乗り慣れてくるとやはりすぐにレブしてしまうのが精神衛生
上 楽しくなかった、元々が250cc並みに回るエンジンだからだ。またカムシャフト自体もトルクフルで良く回るHOTCAM
ST-Tを入れていたがこれも慣れてしまうと物足らずST-Uに変更済みだ。良く回るシステムを組んでいるのにリミッター
の為にそれが生かされていないのが本末転倒だ。しかしXR400RはMD30のように簡単にリミッター解除出来無いのが
ネックだ。
XR400R用のリミッター解除を行うには↑上図のノーマル配線から□赤枠の点火系配線を剥離し 新たな点火
システムを移植合体させなくてはリミッターは解除出来ないからである。保安パーツ、点火の電源はそのまま使い
点火信号、C.D.Iを新たに新設しなければならないからだ。
加工済みのフライホイルカバーを用意し ノーマルコイルを配線加工し取り付ける。
新たに移植するC.D.I及び配線が上映像↑である。これを現車に合うように採寸しレイアウト。
点火システムはすでにダイレクトイグニッションシステムを入れているのでこれが使えるように配線加工。
一応 いつでも元に戻せるように配慮して施工を行った。ウチの加工は元に戻せる事を前提に常に行っている。
また PJ36キャブキット用に開発した整流板をPJ38.3用にも作って装着した。
以上のリミッター解除による高回転化が実現出来たのでその特徴を更に強化する為にマフラーの全長を5cm延ばす
アタッチメントを製作した。言うまでも無いがマフラー長を延ばす事でより高回転を延ばす事が出来るからだ。
勿論 自社製の Powerd Muffler Mk.U を付ける訳だがあまりに綺麗なマフラーなのでこの延長加工で切った貼った
するには忍びない。専用にステーを製作してボルトオン。