エンジンはどのようにして痛んで行くのだろう?

エンジンは消耗品のカタマリです。ここではゴク一般的なエンジンの消耗してゆく行程を

順を追って述べて見ましょう。

ヴァイタルの宣伝の中で”オーバーホールのすすめ”に書いてあるように、始動時にキックが軽い、

暖まるまで青白い煙が出る、ヘッドのメカノイズが大きい、オイルの消耗が早い等、

自分では荒い使い方をしていなくても、初回オーバーホール時期として走行距離

15.000〜20.000kmぐらいまでが目安でしょう。

新車から3000〜12000kmぐらいまでが一番パワーが出ている時で、

そこから次第にパワーダウンが始まります。この時にオーバーホールを行っておけば

必要最低限の交換部品で済みますが、そのまま走行を重ねると次第に波紋が広がって行き

元に戻すのに多くの部品を変えなければいけません。距離に比例して必ず

ヘタッて行く部分がピストンリングとバルブの当たり、カムチェーンの延びです。

まず エンジンを痛めるほとんどの原因は、砂、ホコリ、ドロ水等です。エアクリーナーの隙間を

土等の粒子が通過しキャブレターのベンチュリーへ(スロットルバルブやボディーを痛めます)、

そして、インポートを通過してインレットバルブ(擦り合せ見たいな作用)からシリンダーへ

入り込みます。これはシリンダーをペーパーで磨いてるような物で一発で段付きを起こして

しまいます。この段付きが後々エンジンに悪影響を及ぼす原因なのです。

普通の通勤やロードツーリングのみに使っている方でも 上記の距離で必ず 

ヘタルところはヘタリます、特にダート走行をしている方は例に漏れず(レースに

使用している方は問題外) 必ずと言って良いほど砂の粒子を吸い込んでいますので 

上記のような15.000〜20.000km等々と言う距離は当てはまらず もっと早いうちに

シリンダーの消耗が始まっています。

このシリンダーの段付きが燃焼した高温のガス(1000度近く)の吹き抜ける通路になり、

クランクケースに流れ込むのです。そもそもオイルは金属を通して 100度前後の温度を

前提に良好な油膜を保っています。規定の距離を越えているモノは それが知らず知らずの間に

 吹き抜けた高圧ガスがクランクケースに吹き抜け ダイレクトにオイルを直撃するのです、

この時はもうオイルの役割は果たしていません。金属と金属が直接擦れたり

(ピストン=シリンダー、カム=ロッカーアーム)、高温にさらされた焼入れパーツは軟化

(焼戻し状態→クランク、ミッション、カムスプロケット、カムチェーン)になる事で加速的に

消耗は促進されているのです。しかし オーナーはオイル交換したと安心して 3.000〜

5.000kmはオイル交換しません、まさに認識不足から来る悲惨な状況です。

実際40.000kmを越えたエンジンをオーバーホールすると ノーマルに戻すだけで

¥150.000-を越える物が多いのが現状です。しかし これだけ掛かっても腰下

(クランクケース内)までの予算では有りません。ですから いくら調子良く走るからと言って

 オーバーホール無しで20.000km以上走るとこの状況が始まっているのです。

なかなか気に入ってずっと乗れるマシンには巡り合えない物ですが あなたにとって

今のマシンがそうであれば 適切な時期にオーバーホールをする事をお勧めします。

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