皆さんはショップにオーバーホールを出せば、どこのショップに出しても皆同じ内容で出来上がって来る物だと思って
いませんか?例えば新車より2万キロ走行して オイルの消耗が目立つようになり、始動時に薄い白煙が出るように
なった、ショップにO/ Hに出したところ 金額も5万そこそこで仕上がり 安くついたとまた走り出す。1万キロも走らない
うちに又 同じ症状が出始めた。”新車じゃないからこんなもんか”と本人も諦めるし ショップも同じ回答。”いくら直しても
イタチゴッコでお金が掛かるばかりだから新車に乗り換えたら?”これが大体のパターンです。他所のO/ Hの内容を良く
見せてもらうのですが ピストンリング交換、バルブ擦り合せ、カーボン除去、ガスケット交換を行うのがO/ Hだと思って
いるのではないでしょうか?ピストンを交換するところはまだマシです、年間のO/ Hの 数や経験値を他社と比較したりのは
コクですし、 部品を変えれば良いと言う物ではありませんが マニュアルには書いてない そのエンジンならではの
ウィークポイントが必ずあるので そこを良く見ておかないとまた同じ距離を良い状態で乗ることが難しくなってくるのです。
これらのノウハウは10数年レースを通じてXRをあえて酷使して苛め抜いた結果得られたものであり そこから逆に
どうすれば壊れにくくなるかを試し実戦した結果が今のノウハウになっているのです。しかし 白髪混じりの現役で
バイクにも乗ってないオッチャンが眉間にしわをよせて 語る言葉には説得力が有るんでしょうが・・遠方より電話で
トラブルの相談は今も耐える事は有りませんが ほとんどのケースは口頭でトラブルシューティング出来ますし、
それが外した事は有りません。また、”安く上げたいのですが”とも言われる事があります。これには???です。
O/ H は悪い部品を換えてきちんと直さないと 私が言う”永く良い状態”で乗れないのです、開けた時に必然的に金額は
決まってしまうのです。それを安く上げる?と言う事はただの延命処置ですから 早く壊れても文句は言えません。
エンジンの中はすべからく連鎖していますので1つでも悪いパーツを残してしまうと それが足を引っ張り加速度的に
また悪くなってしまうのです。良い悪いを選別するのがノウハウでそのお店の腕でしょう、きちんと定期的にO/ H を
していれば10万キロ(メーター1回転)オーバーのバイクは何台も有りますしオーナーの愛着度も相当な物です、
また生涯において末永く付き合えるバイクに出会える事は 大変幸せなことだと思いませんか?いろんなバイクに乗れる
ことはそれはそれで楽しい事でしょうが“永く乗ってみたい”と思う物に出会えない事はいかがなものかなと(by 宗)。
また コレから先 景気やメーカーの動向を見る限り5年は良い物は出来そうにありません、ですから今もっているバイクを
直して乗っているほうが効率が良いお金の使い方で良く走るバイク作りが出来るわけです。またO/ H 時に兼ねてチュー
ニングをしてやるとムダな金額が掛からず 新たな感動が体感できます。”壊れないチューニングエンジン創り”は
お任せ下さい、その為のヴァイタルなのです。
エンジンの中身は言うまでも無く 精密パーツの組み合わせです。より効率の良いパワーアップを目指し始めてから
メーカーが作ったE /Gを疑い始めました、と言うのも カムを組む時にクランクを上死点に合わせカムスプロケのタイミング
を合わせようとするのですが どれ一つピッタリ合ったためしがない事と、クランクとバランサーの合わせマークにしても
しかり、そして ピストンで実際の上死点をマイクロゲージで測定してみると フライホイルの上死点マークがだいたい
外周で2mmほどずれている物が多い事、ヒドイので5mmもずれている〜こう言うものが俗に言う“当たり” ”はずれ”という
ヤツです。しかし メーカーはこれらの誤差を計算に入れて作っているので ソコソコは走ります。しかし 本来 開発当初の
図面上で狙っている出力には程遠いしパワーは出ていないのです。しかし 部品一つ一つの精度は確かなものをです。
それらを組み合わせて行く工程で少しづつズレが生じて大きな誤差になっていっているわけです。しかし これらは修正が
可能です。それが、バランサーのタイミング合わせであり、クランクセンター出し、バルブタイミング合わせ、ボーリングの
指定クリアランス、バルブの擦り合わせ幅、タペット調整、各パーツのクリアランスを保つ為の交換部品の選定、等々なの
です。また ただのO/ Hの時でさえ腰上を組む工程でこのノウハウが活きてきます。ですから”エンジンを組む”と一言で
言ってもこう言う視点から立って組み上げないと”オーバーホールの意味”が無いわけです。ノーマルエンジンをこれらの
修正や調整だけで組み直すと最低2ps〜5psは出力を出せますし、粗雑な回り方していたものが振動も抑えられることで
耐久性も上がり モーターのようなフィーリングで以前より無理無く高回転が延ばせるというわけです。それにチューニングを
加えるとより一層効果的にパワーが引き出せるのです、高出力と耐久性はこうした礎の上に立ち実現されているのです。