今日 たまたまYou TubeでJeremy Mcgrathの特集を見た。
そういえば当ホームページで乗り方を書いた事はほとんど無かった。
もともとはXRを乗り込んで いかに自分のものにするかに集中していた。
自分の手足のように扱えるように・・・
押さえ込む事が出来るようになれば 自分にとってマシン性能が足らない部分が出てくる、
その足らない部分を補うチューンを施せばXRは速くなる。
マシンの性能が上がれば 今までの乗り方では手に負えない。
それをまた乗り込んで振り回せるようになる、その工程でまた足りない部分が出てくる。
またマシンチューニングに励む。
コレを繰り返す事でマシンの開発は進み 乗り手の技量も上がると言う
一石二鳥を短期間で狙っていた。
レースはXRでしか出ないのでXRで練習することしか考えてなかった。
そんな時スーパークロスの前座 125ccで目を見張るライダーがいた。
それがJeremy Mcgrathだった。
彼は小さなギャップで有り得ないほどジャンプする。
リアサスやエンジンの瞬発力 抜重を駆使し飛距離を稼いでいる乗り方。
特に125はパワーが無いのでカラダの使い方がオーバーアクション気味に分かる。
ギャップは腰を引いてバタバタ通過するより 一気に飛んでやり過ごす事が出来れば
こんな楽な事は無い。
その技術を連発でコース内で使えれば 疲れず速く走れるに違いないと
すぐにXRでやってみた。
XRエンジンはどちらかと言えばトルク型の4サイクルなので2ストのようなエンジン挙動は無い。
そこで考えを変えモトクロッサー125で練習する事にした。
どうせなら最高の125で練習したいと思い 今売りに出している
コレを作った。
幸い全日本で使われているパーツ類やチャンバーが手に入ったのでノーマルのCRではない。
乗り込んでみるとサスはトレール系とは別物で車重は軽くシャッキシャキのレスポンス
コレは速く走れるのは当たり前のマシンだとつくづく思い知らされた。
それも回りに国際A級ライダーが居た為 じっくとその走りを観察し 教えを請う事が出来た。
気が付けばA級さんたちは125ならコース1周何処でもピーク回転で走っている。
エンジン回転が落ちるところはジャンプ中のみ
プ〜ンといいっぱなし
乗りこなすには同様な乗り方をしなければならない。
回転を落とさずに走る事を心がけ 始めは1周が限界・・・
そのうち3周は持つようになり 次第に10分や20分走れるようになっていった。
勿論 極力キャップでは低く遠くに飛ぶ走り方を徹底した。
ココで注意無ければならないのは2ストは回るだけ回してやれば良いが
4ストは通常は8部までを常用する乗り方 それ以上は回さない。
競っている時のみ回転を伸ばす(相手に先にシフトさせる)
その一瞬のタイムラグで前に出れるのです。
4ストを2ストのように回るだけ回してもエンジンが痛むだけで実際は速くない。
その回転はパワーが落ち込んでいる回転域だからだ。
またコーナーに入る時に車体を寝かすと同時にクラッチを完全に切り リアブレーキを引きずるように掛け
クリッピングに入れば半クラを当て瞬発力で立ち上がる。(2スト乗りに近い)
クラッチも多様するが焼けにくい使い方がある。
またスーパークロスライダーは1周のうちシートに座っている時間がほとんど無いというか短い。
スタートして90度の第一コーナーでも車体を寝かしスタンディングで曲がってゆく。
それを真似してみると腰がだるくなるし非常に疲れる。
しかし繰り返しやっているとある事に気付く。
加速はカラダを前傾させ ブレーキングは逆、足に対して体重を垂直に掛ける事で
上半身にはまったく力を入れなくても良い。
ギャップではつま先にステップをおくと足首が衝撃を緩和 マシンホールドはその都度くるぶしで。
立ったり座ったりはスクワットと同じで疲れるし時間の浪費だという事に気付いた、
コーナーを抜ける際のアクセルを開けるタイミングも早い。
でもスタンディングで何処まで倒せるか またその中でリアブレーキで方向の制御は
練習でカラダに覚え込まさなければならない。
コースでも林道でもスタンディングが速く疲れない。
そんな練習に明け暮れ 我がXRで同様の乗り方が出来るよう改良を進めていいった。
その延長上が今のパーツ群です。
始めはCR125フレームにXRエンジンを載せたRVF−Rでしたが
あちこちメジャーレースで勝ち過ぎたせいか
レギュレーションでモトクロッサーフレームが禁止になりRVS-R(XRフレーム)に移行。
車重と足回りがまったくモトクロッサーとは比較にならず
ココからイチから見直す良い機会となった。
同クラスのトレール系で一番になっても意味がない。
最高峰のモトクロッサーを負かさないと胸を張って“地上最強”とは言えない。
そのうちモトクロッサーも2ストから4ストへ変わり その4ストでないと勝てない世界になっている。
レースの場は当初エンデューロでしたが 長丁場なので挽回のチャンスは充分ある。
スタートは勿論モトクロッサーが先行する展開 離されないマシンポテンシャルが必要となる。
レースも後半になるとモトクロッサー軍団は体力的にヘロヘロになり 嘘のようにペースダウン。
XRは疲れにくいエンジンフィーリングなのでモトクロッサー相手では最終勝つ事が出来る。
最終目標はスプリントだ。
本来のスプリントは1度のミスが命取りとなる競技 終わるまで気が抜けないのだ。
挙動も同様の動きが出来るよう改良に告ぐ改良。
ジャンプも加速も同じ性能を持たせなければならない。
その集大成が
であり
なのです。
勿論そんな甘いものではなく常勝とはいかないまでも何度かは優勝する事が出来るまでになりました。
この性能は今のモトクロッサーにも引けは取らないでしょう。
書類つきのフレームならナンバーつきで乗れるマシンです。
レース仕様でありながら 普通に足に使えるエンジンです。
逆に4ストレーサーにナンバー付けて乗っているユーザーなら分かると思いますが
普通に乗ればしんどいでしょう。
発売当時逆車の青いWRを足に使っている光景をよく目にしましたが1年も経てば見なくなりました。
オールマイティには難しいのです。
よく考えればココまでXRが進化した充実感はハンパ無いです。
XRでモトクロッサーをイわす 醍醐味じゃないですか。
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