XLR80R 復活計画

XLR80Rは‘87年モデルのみの販売で、当時はあまり人気が無く 売れなかった。

そんな事情で現存するものは少ないと言えよう。(もう24年前のバイクになるんですねぇ)

チョイ乗りのバイクも手元に無くなり 兼ねてより乗れるようにしようと思っていたXLR80R、

過去XLR80Rは手に入れてその時思うカスタムをやってはお客さんから「売ってくれ」と言われ手放し

時期をおいてはまた手に入れての繰り返しで早や4〜5台目になるだろうか。

現在 気が付けば2台有り その1台は外装がすべて無いものだ。いつか‘86XR80RG仕様にしようと思い

赤外装はすべて揃えておいたが今となってはそのパーツが何処にしまったか不明、あげくにその車両(外装無)は

すぐに出せる場所にはない。そこでもう1台の五体満足なXLR80Rは宙吊り保管でまだ出しやすい。

出してきたのがこのXLR80Rだ(↓)、宙吊りにして10年は経つだろうか。

どうやって どういう風に仕上げていくかを考えるのも楽しみの一つだ。

下映像↓が出してきた現状のもの

今回の目的は普段の足として使えるよう大幅なカスタムはしない(本当はやりたいけれど

仕事の都合でやっている時間が無いのだ)、 今回はやりたい気持ちを抑え一日も早い 

足と出来るよう現状復旧に努める事にした しかし 動けば良いというレベルは避けたい。

     =現状チェック=
      ・タンクはノーマルスチールタンクを白に塗り替えられ‘96のデカールが貼ってあった。
    
 (タンク内に幸いな事にサビは回っていなかった お約束のガソリンはダダ腐り)
     ・フロントフェンダーはCRF系の赤。
     ・メーターは有るがライト周りは欠品。
     ・外装全般色褪せた感じで決して綺麗なものではない。
     ・新品前後タイヤとマフラーは新品だがCRF系のものが加工して取り付けてある。
     ・それ以外フルノーマル。

      これをどのように仕上げてゆくか設定しなければならない。

=まず下調べ=

・まずXR80RG外装赤(R-119)のメーカー在庫チェック ⇒ すべて生廃

・XLR80Rノーマル外装 ⇒ すべて生廃

この年式(1987年)に相応しい外装を探す〜新型CRF系(シュラウド付き)は避けたい

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○まずエンジン始動

10年以上動かしていないので キャブ、エアクリーナーはまずダメでろう事が想定される。

・キャブのオーバーホール ⇒ 白い粉を吹いた状態 久々に真鍮のフロートを見た

・エアクリーナー ⇒ まるでスポンジケーキの生地のよう サクサクでΧ

・エンジンオイル ⇒ エンジン暖機後 オイルを抜くがドレンからえらい勢いで吹き出す ブリーザーが詰まっていたようだ

 ノーマルドレンは頭17mmのを12mmのメッキ仕様に交換

・若気の至りでマフラーはCRF100Fのメガホンタイプに交換していたのを旧XR80Rのものに戻す

・メーターは本来の逆車のように要らないものは排除し インジケーターなどは廃し シンプルに仕上げる

総評:エンジンは圧縮もあり オイル上がり及び下がりも無い、メカノイズも無く非常に良い状態であった。


=装着外装=

・ライトマスク ⇒ CRM80R白:XLR80Rにボルトオン出来るよう加工
          
発売当時よりXLR80RのノーマルカウルはME06系のゼッケン外縁カット版であった為 縁の乱雑さが
           気に入らなかった。

・フロントフェンダー ⇒ 純正は生廃だがノーマル同タイプの白を発見

・ウィンカー ⇒ フロント:CRM80Rはカウルに付いている為それを採用、リア:勿論XR用を取り付け加工

・リアフェンダー ⇒ XR100のを加工

・シート ⇒ “80R”印字の新品を発見(パーツとしてノーマル ブル−シートレザー有り:印字無し)

・サイドカバー ⇒ このタイプ(XLR80R)はどのモデルも絶版の為 ノーマルを磨き復活


‘88年以降のデザインはXR600Rをデフォルメしたようなタンク&サイドカバーが繋がったタイプになった

・ヒューエルタンク ⇒ 剥離しR-119で塗装 ‘87XRロゴを貼付

テールランプに関しては昔より定番の小型のものを付けてサブフレームを排除 ナンバーステーを介してリアフェンダーに
取り付けていたがテール&ナンバーの重みでリアフェンダー自体が“ベラベラ”する(ダートなど走れるものではない)。
過去の教訓でそれを避け ノーマルサブフレーム&テールをそのまま採用。

=小物=
・キーレスヒューエルキャップ
・ハーフワッフルグリップ
・ハイスロ
・リアブレーキ調整蝶ネジ

永く乗る為に 消耗品&保守パーツチェック
エアクリーナー  ○
ブレーキシュ−  ○
チェーンスライダー類  ○
ワイヤー:スピードメータ−  Χ⇒ なんとかなる
↑ 〃 :クラッチ  ○
↑ 〃 :アクセル  Χ⇒ なんとかなる
フロント スプロケット  ○
リア ↑ 〃   Χ⇒ なんとかなる
エンジンパーツ  ○
電装パーツ  Χ 全滅(過去の事例で電装トラブルは皆無なので一応安心している)
外装  サイドカバー以外なんとかなる
マフラー  ○
「なんとかなる」は純正流用か他機種パーツを加工して使用出来る事例
また年式が年式なのである程度のパーツはストックする心構えも必要。

=走行&セッティング=
マフラーのみXR80Rを取り付けた為 中速より“ギクシャク”感
(トルクの谷)が出 それ以上の回転上昇パンチが無い、
どうやら薄いようだ。XRとはカム、レシオが異なるがせめて吸排気はXRのものを入替えた。吸入ダクトの面積は
倍ほど違う。ジェット類も移植するが余計その“ギクシャク”感が顕著になる、ニードルで調整するが下が良ければ
上がダメ 上が良ければ下がダメ。以前私の持ち物でCT110がありノーマルは85kmしか出ず ポートとマフラー
そしてセッティングのみで100kmまで出せるように挑戦した事がある。
このXLR80Rも同じ挑戦をしてみよう(ポート研磨は無)。
特にハイスロを組み合わせている為アクセル開度30度ほどだ、ノーマルキャブはボケたPDキャブなのとインマニが
長いせいで「ガバ開け」してもボコ付は出難い。しかしこの「ガバ開け」に対応するジェティングはかなりの濃い目に
しなくてはならない。
目測通りのジェティングで力強くスムーズに回ってくれるようになった。(いつものチューニングをすればもっと楽しい
バイクになるのになぁと思いながら それはまたいずれ・・・) 面白い街乗り下駄が出来て嬉しい。


↑XLR80Rマフラーエンド              ↑XR80Rマフラーエンド

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= 完 成 =

リムは少々サビが出てきているが磨けば綺麗になる程度だが 最後の美観を上げるには

スポークが決め手となる、パーツが有るのでそれをストックし老後の楽しみに取っておく事にした。

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本来は次のような定番チューニングを行う

パワーユニット
・クランクセンター出し
・強化オイルポンプ&オリフィス加工
・FCCクラッチディスク
・フライホイル超軽量加工
・パルス進角加工
・80改 96ccハイコンプピストン(サイド&コンプスリット加工)&軽量ピストンピン
・ヘッドポーティング
・ハイカム&強化バルブスプリング
・バルタイ調整
・ヘッドカバー オイル飛散防止加工
・2mmアップPDキャブまたはフラットФ24

サス(見栄えを良くする目的で車高上げを行う)
・フロントインナーチューブ⇒XR100に変更
・リアスィングアームリンク加工(詳細はミニの項を参照)

XLR80RやXR80、100R系のサスはスピードを出せば出すほど安定しないようなモノで
モトクロッサーのサスペンションなどを移植するとリアがうまくコピー出来ないので ファインチューンに
留めるのが得策だ、モトクロッサー並みのサスを求めるのであればモトクロッサーフレームにエンジンを
載せた方が完成度が高いものが出来るのでノーマルベースであればソコソコ仕様に留めておくのです。
勿論 モトクロッサーフレームに載せたような車両は公道走行出来ません。

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=CRF80F=

CRF100Fがすでにある最中 なんで今更80を出すのだろう と思いながら内容を見るとエンジン関係は昔の

XR80R系となんら変更は無いようだ。私にとってはパーツに不自由しなくて済みそうなので歓迎であった。

そのモデルも‘08〜09の2年という短命で終わったようだ。

メーカーホームページより

2007年6月21日

オフロード走行専用車CRFシリーズに
「CRF80F」を追加して新発売

 Hondaは、オフロード走行専用車CRFシリーズ(CRF50F/70F/100F)に、新たに「CRF80F」をラインアップに追加し、
 ‘07 6月27日(水)に発売する。
 このCRFシリーズ(CRF50F/70F/100F)は、コンパクトで取り回しの良い車体サイズや、クッション性に優れた
サスペンションなど、オフロード走行が気軽に楽しめる入門バイクとして好評を得ている。
 CRF80Fは、ステップアップを目指すユーザーのために、CRF70FとCRF100Fの中間サイズとして、
すでに2004年より米国で発売され好評を得ているモデルで、このたび、日本国内での販売を開始する。
車体まわりはCRF100Fと共通設計としながらも、ホイールサイズをCRF100Fよりも小径とすることで
(CRF100F:前輪19インチ、後輪16インチ/CRF80F:前輪16インチ、後輪14インチ)足つき性が良く、
乾燥重量でもCRF100Fより3.7kg軽く、取り回しの良いサイズとしている。エンジンはCRF100Fで定評のある、
粘り強く扱いやすい空冷・4ストローク・単気筒エンジンの排気量を80ccとすることで、ステップアップユーザーのみならず、
はじめてオフロードを走るライダーにも扱いやすいマシン特性としている。

車体色:エクストリームレッド

CRF80F

●販売計画台数(国内・年間) 100台
●メーカー希望小売価格 239,400円(消費税抜き本体価格 228,000円)
※ 価格には、リサイクル費用を含みます。
* このCRFシリーズは、公道及び一般交通の用に供する場所では一切走行できません。
また、登録してナンバープレートを取得することもできません。
* 上記CRFシリーズには、ブローバイガス還元システムを採用し環境保全に対応しています。

=CRF80Fの主な特徴=
・ CRFシリーズの流れを汲むシャープで精悍なスタイリング。
・ 粘り強く、スムーズな出力特性の空冷4ストローク単気筒79.7cm3エンジン。
・ スポーティーな走りが楽しめる5速マニュアルミッション。
・ 路面追従性を向上させるため、フロントサスペンションはクッションストローク140mmのテレスコピック式、
 リアサスペンションはアクスルトラベル110mmのプロリンク式。
・ 軽量かつ高剛性のダイヤモンドフレームやスイングアーム。
・ 足つき性に優れた、734mmのシート高。
・ オフロード走行に適した、前輪16インチ/後輪14インチのオフロードタイヤ。
・ 地球環境に配慮した、タンク表面から燃料の揮発を抑える効果がある多層ブロー成型式燃料タンク。


主要諸元

通称名 CRF80F
車名・型式 ホンダ・HE01
全長×全幅×全高(m) 1.749×0.725×0.995
軸距(m) 1.209
最低地上高(m) 0.218
シート高(m) 0.734
乾燥重量(kg) 70.3
エンジン種類 空冷4ストロークOHC単気筒
総排気量(cm3) 79.7
内径×行程(mm) 47.5×45.0
圧縮比 9.7
最高出力(PS/rpm) 8.8/10,000
最大トルク(kg・m/rpm) 0.66/9,000
キャブレター型式 PC20(メインボア20mm)
始動方式 プライマリーキック式
点火装置形式 CDI式マグネット点火
潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 5.0
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング式
変速機形式 常時噛合式5段リターン
変速比 1 速 2.692
2 速 1.823
3 速 1.400
4 速 1.130
5 速 0.960
減速比(1次/2次) 4.437/3.285
キャスター角(度) 28°00´
トレール量(mm) 74.0
タイヤサイズ 前 2.50-16 4PR
後 3.60-14 4PR
ブレーキ形式 前 機械式リーディング・トレーリング
後 機械式リーディング・トレーリング
懸架方式 前 テレスコピック式
クッションストローク140mm
後 スイングアーム式(プロリンク)
アクスルトラベル110mm
フレーム形式 ダイヤモンド


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