ここ最近 FTR250の問い合わせが多くオーバーホールなどの依頼も増えています。
ご存知の通り XLR250R,XR250R(ME06)と同形式のRFVCエンジンですので
同様のオーバーホール,チューニングが可能です。
当店に立ち寄りのFTR250の多くは エンジンノイズが大きいモノが多く おそらく
ロッカーアーム&カムシャフトが削れていて その削れた金属粉がエンジン内に回り
オイルポンプ,ベアリングなどにも悪影響が及んでいるものが大半です。
ここまでの年式のものを大事に乗っている方は 今後も末永く乗っていこうと言う方だと
思いますので 様々な手法を紹介してみましょう。
このエンジンのウィークポイント
・今のRFVCエンジンに比べ 各パーツユニットの釜圧が低いので何度も分解整備していると
雌メジがナメやすい。6mmボルトクラスは0.7kgf・m,8mm→1.6kgf・m,10mm→4.5kgf・mまでの
トルクに留めておく。
それでも 雌ネジがボケた場合はヘリサート加工で修復が出来ます。
・また 初めてエンジンを開ける場合はヘッドカバーボルト ヘッド&シリンダースタッドが固着している
モノが多いので 緩める前にボルトのアタマにショックを与えておくとそのトラブルも多少は回避できる。
特にヘッドカバーボルトはノーマル(ヘキサフランジ型)から 8mmフランジ型に変更しておくと後々そう言う
トラブルを回避できる。→対策パーツ有
ヘッド&シリンダースタッドが固着し折れた場合が一番厄介である、何とか取れれば良いのですが
最悪の場合 シリンダー交換を覚悟しておいた方が良いでしょう。
それとノーマルスタッドは基本的に新品交換が基本です。対策パーツ有
もしシリンダー交換の時はボケにくい釜圧のシリンダーがありますが色がシルバーになります、
これも純正耐熱スプレーがありますので同色に出来ます。(ちなみにこのシリンダーはFTRノーマルよりも
安価です)
また 画面左上の6mmスタッド雌ネジが定番ボケやすい、シリンダーにニジミがあればまず間違いなく
ボケているといって良いでしょう。→対策パーツ,加工有
・またがって左エキゾースト側のロッカーアーム,カムシャフトが熱が溜まりやすく削れが出やすい。
これに対しても対策パーツ,加工があります。
・この当時のカムベアリングにはメタル式のシールベアリングが採用されています、これは現在使用されています
シールベアリングよりも 密閉性が落ちるので右側だけでも新型に変えておきたい。
・ドレンですが アタマ17mmが使われていて締める時にナメたり ケースにクラックが入ったりと
トラブルが多発!アタマ12mmのドレンに交換しておきたい。
・新車よりクラッチ交換していない方に。この年式のクラッチはジャダー防止の為に↓映像のような
ピッチが細かいパターンのクラッチが入っています。圧着が甘く タッチもグニャーとしていますので
耐熱、耐摩耗性が高いFCC素材のクラッチディスクがありますのでお勧めです。
・キック仕様の場合 キック1ストローク当たりピストンの動きが遅いので良くケッチンや掛かりにくい。
XLR250Rの最終型などのパーツを使えば始動性が格段にアップする。
また ME06のデコンプカムに入れ替え マニュアルデコンプを装備すればどんな状況でも楽々始動。
(同時にオートデコンプは外します)
・よくブン回す方 暖機をしない方に多く見られるヘッドのプラグからエキゾーストポートへのクラック。
対策ヘッド⇒生廃 もしくはME08換装も可能。
↑上記の対策ヘッドが無くなった以上下記↓のヘッドに入替えしか対策は有りません。
・ME08ヘッド換装可能 →ME08のヘッドを加工することでボルトオンが可能
ME08ヘッド単品加工済み・ME08ヘッド⇒ME06化(29mm)・ヘッドASSY (ME08・MD30共用) ・バルブステムシール ・インレットバルブ ・エキゾーストバルブ ・バルブアウタースプリング ・↑ 〃 インナースプリング ・リテーナー ・スプリングシート ・コッター ・エキゾーストスタッド =加工= ・スタッド採寸加工ME06用(ヘッド側) ・バルブ擦り合せ
小計)¥90.180‐(税別) H25 10月現在 メリット:
旧タイプと比べ ポート形状が改良され吸入効率アップ 材質アップで雌ネジがボケにくい。
フィン並びに表面積が大きいのと 未塗装で冷却効果大。
バルブが軽量でそれに付随するバルブスプリング リテーナーも軽量(アクセルレスポンスアップ)
プラグサイズ(D→C)及び位置を変更する事により エキゾーストポートとプラグ間の肉厚を確保しクラック防止。
=パワーユニット=
オーバーホール時に支障が出ている場合 どうせならME06パーツがパワーが上がりますので
お勧めです。(例:ME06カムシャフト,ピストン9.3→10.3レシオ)
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番外編
ユーザーの感想 〜 しのっちさんから
FTR250を購入時に既にヴァイタルさんによるエンジンオーバーホールを兼ねた
ハイカム仕様だったので20年前のバイクでしたが安心して購入しました。
その後、主にPJキャブレター、軽量フライホイール、点火進角加工等をしました。
これでエンジン全体がバランス良く仕上がりました。
「PJキャブレター」
PJを購入する前は、以前乗っていた車両のFCR33Φがあったのでロードレース用(高回転のみ)と分かって
いましたが駄目元で取り付けてセッティングをしましたが低中速の繋がりが加速ポンプに邪魔されて
「ガソリンに灯油が混じってる?」と言う具合です。(ギクシャク、ギクシャク、ボボボ〜。 プスッ!)
普通程度なら走れるのですがベストは出ません。ニードルを15セット試しましたが、まるで駄目。
PJ到着後、早速取り付けて各油脂類が落ち着いたので早速、田んぼストレートへ。
「空気の流れる音がFCRと全然違う」
「低〜中〜高の繋がりにギクシャクが全くない」
「鈍感な人でも全域でパワー、トルクが確実に上がっているのが分かるくらい向上している」
「オーバーホールやメンテナンスが楽そうだし、ヴァイタルさんのアフターも良さそう」 です。
今回はFCRとの比較が出来ましたがFCRは高速型でセッティングパーツ(ニードル、ジェット)を
大量に抱えていないとベストは出ません。2本引きワイヤーも感覚的にレスポンス不足に感じる要因です。
「軽量フライホイール、点火進角加工」
こちらは同時に装着したので双方合わせたインプレになりますが、感覚として「軽量フライホイール、
点火進角加工」する前って後ろに誰か乗ってた?というほど軽いんです。アクセルをラフに開けても、
ツキが良くて車輌の重さを感じないんです。
「あ、これがXRを常勝させている秘密なんだ! この仕様はどのフィールドでも面白い!
もう笑うしかないです。 これを求めてたんですよ!楽しくて、楽しくて、しょうがない!
ヴァイタルさんの知識と熱意があるので、20年前のバイクでも安心して楽しめます。」
しのっち
○FTR250用PJ36キャブキット:パワーフィルター用ジョイント口径Ф54(受注生産)
○またノーマルエアクリーナーBOX(コネクティングチューブ)にボルトオンのアタッチメント
付きPJ36キャブキットの場合は(受注生産)
※ PJキャブにフライホイル超軽量を同時に行うと より一層素晴らしい加速を体感出来ます。 フライホイルを外し送ってください。
・フライホイル軽量(約2割軽量)・・・商品価格¥9.000‐ 税込価格¥9.450‐ ・フライホイル超軽量(約4割軽量)・・・商品価格¥18.000‐ 税込価格¥18.900‐
納期は当店にフライホイルが届いて平日ですと2〜3日見てください。
フライホイルを外す工具プーラーが必要な方に・・・商品価格¥1.500‐ 税込価格¥1.575‐