今だから 改めて提言
オーバーホールの薦め



=XRの素性 広がる可能性=

私が学生の頃(1980年) 足として国産トレール車、オフ専用でモトクロッサーと2種類を使い分けていた。

その頃は(今でもそうだが)トレール車は本格的にモトクロスコースを走るには苦痛で思いっきり走れない、

同じオフ車でモトクロッサーはどうしてこんなに高性能でトレール車は手を抜いているのか と腹立たしかった。

そんな時 雲の上の存在(憧れのマシン)であった逆輸入XRとご縁があり 所有してから↑上記の国産トレール&

モトクロッサーを売り払い XR1台で何でも使ってきました、毎日の通学 ツーリング、

メインはやはりオフロード走行(林道は元よりモトクロスコースでの走行)ですが ドノーマルの状態で

いろんなバイクを対抗にしても(モトクロッサーを含む)決して引けをとる性能では無い事は実感していました。

実際メーカーのレースでモトクロスレースにXRで参加して上位入賞したと言う武勇伝を聞き及んだ時は

XRオーナーとしてテンションがあがったものです。

この仕事を始めてから 更にXRの可能性を広げるべく切磋琢磨した結果 エンデュ−ロ:オープンクラスで

2スト250モトクロッサーを抑え勝利を飾り 時代は変わり2ストモトクロッサーが4サイクルに移行した現在

スプリントMX:4サイクルMXにて国産同排気量クラスはもとより 外車600クラスを抑え優秀性を立証出来ました。

レーサーをも勝る性能を持ち 普段の足として普通に使える乗りやすい夢のようなバイク。

ひとクラス上を食えるマシン それがXRです。

そんな性能を持った公道走行可能なバイクを所有するということはまさに“理想のバイク”ではないでしょうか。

XRはそういう素性のマシンなのです。



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=本題=

最近 来店されたユーザーの話しや入庫した車両を見て気付いた事があるのでココに記したいと思います。

主力はMD30ですが結構な距離を走っている車両が増えてきています。

ユーザーさんに「今までにオーバーホールしましたか?」と聞くと 多くは

「いえいえ私はレースなどやっていませんし 酷使していませんから」と言う返事が返ってくる。

「 ・ ・ ・ 」(私)

これは今も昔も変わらない、おとなしく乗っていれば一生そのまま乗り続けられるとも思っているのだろうか?

セルスターターって便利な反面 つくづく罪な機能だなぁ と思う。

MD30が出る前は 言うまでも無くキックオンリーのオフ車が普通で

こちらが言わなくてもユーザーさんから「そろそろオーバーホールしたいと思うのですが」と

言ってくるのが普通だった。

それは「キックを踏むと最近非常に軽くなったから」とか「始動時に白煙が出る、オイルの減りが早い」など

自覚症状が体感出来たからです。

しかし今はセルでエンジンを掛けれるので圧縮の良し悪しは体感出来ない、

圧縮がかなり落ちていてもセルはキックよりもピストンスピードが早く 勢いがあるので掛かってしまう。

オプションのキックをつけている場合は オートデコンプ機能付き(圧縮上死点手前 オートで排気ロッカーを

押し圧縮を抜く機構)カムシャフト(純正カム)で従来の硬いところが無い、

“オイルは減るもの”と思っていないので小まめに見ないから分からない または正しい見かたを知らない。

マフラーから出る白いモノが白煙なのか 湯気なのか見分けが付かない など。

結局 すぐに目安のなるのは走行距離しかありません。

今までの経験上の目安です。

      排気量  O/H 距離の目安(早くて ⇔ 遅くとも)

250ベース

20,000〜25.000km前後

400 600クラス

25.000〜30.000km前後

XR650R

30.000〜35.000km前後

50〜230クラス

15,000〜20.000km前後
※↑上記の目安は圧縮が徐々に落ち始める距離です、走れなくなる訳ではありません。
XR系のエンジンはオイルを切らさない限りクランクやミッションに大きなダメージを与えることは稀ですが・・・
オフロードユースの場合はもっと早い ↑上記対象外です。

パワーがあれば回さずに乗れるし パワーが少ない場合は回して走らなければならない 排気量の性です、

これに比例するのです。

↑上記表示は通常使用での話しで オフロード使用や競技のような使い方はそれ以前の話しです。

その距離に比例してヘタるのがバルブの当たり ピストン&シリンダーの消耗による圧縮の低下です。

いくらおとなしく走っていると言っても“例外”はあり得ません。

オイルのグレードなどで多少の差は出ますが純正推奨レベル(10W−40)だとコレに入ります。

このグレードをずっと使っていますと

MD30の場合 早くて7,000kmでカムシャフトの排気側に巣が出ていた事例がありますが

大体10,000kmが通例、XLR時代は20,000km前後で多く見られた症状です。

そこで決まって出てくる言葉が

「早め早めにオイル交換しているので」と言うユーザーが必ず居ますが 表示グレードはそれ以上の効果はありません、

10W−40は40(指数)以上の仕事をすることはあり得ないのです。

上記のいずれの事柄もユーザーの間違った認識 または認識不足から来る事です。

自分のは違う 自分は例外だ と言うのも心情的には分からなくは無いのですが・・・


いざオーバーホールとなっても最近は難しい時代に入ってきています。

主にオーバーサイズのピストンをメーカーが出さなくなったのが大きい事と

国内生産のパーツが少なくなり信頼性が落ちる事例がある事。

一般ユーザーの多くは 現在国内の市販車には(230系 MD22やMD30 XR400モタードなど)

オーバーサイズの設定が無い事を知りません。

他店でのオーバーホール例を聞くと数万キロ走ったバイクのオーバーホールでピストンリングのみ交換したと言う

例が多く 良くてノーマルと同サイズのピストン&リング交換、これでは耐って一万キロ前後でしょう。

このようなやり方のオーバーホールは問題外でやった意味がありません。

本来はSTDピストンと新品シリンダー(250:4万円前後)を入替えなくてはいけませんが結構な金額が掛かってきます。

そこでオーバーホールを兼ねたグレードアップはそこの販売店のノウハウに掛かってくるわけです。

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ただいま通販でのオーバーホール(エンジンのみの送付)を中止したことに至ったわけは

ここ数年機械イジリをした事の無い人たちが安易にエンジンを外し送って来るようになりました。

そしてこちらでオーバーホール済みのエンジンを返送後 エンジンが始動しない、調子が・・・

などと連絡が来る。その半数は車両を持って来られるのですが載せる時の不具合がほとんどです。

今まではやり方を教えて欲しいというのが大方でしたが 最近は当方がやった部分が悪いのではないかと

言われる始末。いろはの“い”も知らない輩に振り回される事にうんざりしたのです。

ちょっと前までこんなこと無かったのになぁ〜

通常車両持込のオーバーホールは最終走ってセッティングや調子を見ますので

これでOK状態を確認してユーザーに渡せるわけです。その後問い合わせがあっても

その用件について明確な回答が出来るわけです。


しかしそんな中 中止を告知したにも拘らず 当初はエンジン送付のオーバーホール依頼は数は減りましたが

送付後のトラブルには一切責任が持てませんから」とお断りしても 「それでも構わない」と言って

エンジンを送って来られるユーザーも相変わらず多いです。(滅多な事はありませんが)

↑上記の事を条件に行うことも増えてきました。

それは当店にとってハードルを設けたのです、それでもと言うユーザーさんは出来る方がほとんどで

初歩的な間違いなど起こす事はまず無いようです。

基本は車両持込が条件ですが↑上記の事柄を了承出来るユーザーさんを断る理由はありません。

XRは他社の設計コンセプトと大きく異なり 根本からエンジン寿命が永く耐つよう設計されています。

長い付き合いが出来る唯一のマシンです。

基本は車両持込みでのオーバーホールですが

O/Hでお困りの方↑上記が条件ですが お受けするよう致しましたので良ければどうぞ。


=本当のオーバーホールの意味とは=

新車から走ってオーバーホール時期が来る距離でO/H施工でリセット

その後同じ距離耐たなければ本当のO/Hとは言えません。

ショップによっては「O/Hしても言うほど耐たないよ 買い換えたら」と言うところがあるようですが

そう言うところは止めておいた方が良いでしょう。

またO/Hにそんなに費用が掛かるようなら買い換えます と言うユーザーは

ウチとはご縁はありませんし ウチではお役に立てません。

下克上大好きで “XRで何とか” と言う有志来たれ!

オーバーホールの内容につきましてはこちら

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勝手に同じ性能 仕上がりだと思っているモノ(実は個々に大きな差が・・・)

K社に使われているケイヒン製キャブ ⇔ H社に使われているケイヒン製キャブ・・・会社別に大きく性能は異なる

4メーカーに使われている「ニッシン製」ブレーキマスター

4メーカーに使われている「ショウワ」サスペンション&フォーク

4メーカーに使われている「KYB」サスペンション&フォーク

ボーリング屋の仕上がり

ひいては

バイク屋のオーバーホール



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