‘81 XR200Rに関する諸情報(田口仕様)
注)ここで紹介しています手法やパーツは当時のものであり 必ずしも現在実現出来るものばかりでは無い事を頭に入れておいてください。なにせ41年も経っていますので普通に出来る事がある訳がないのはお分かりでしょう。
ココまで年数が経てばノーマルに近い方がより良い傾向に間違いありませんが
絶対何がなんでも という訳でもありません。
私の場合 ド・ノーマルでなければならない部分もあり 改善パーツもOKという部分もあります。
その区分は自分の“感覚”に任せています。
最新のパーツを使っても元付いていたパーツなどは温存して持っておくべきでしょう。
※ただ外観はノーマルが原則
♯3 純正オプション USコンペカムシャフト
コンペカムもさることながら 裏技で185のカムの流用もアリ、ホンダの設計傾向をご存知の方ならお分かりでしょう。同系列のエンジンで排気量が小さい方が高回転型になっています。リフトはほぼ同等でオーバーラップが広く設定されています。
ローラー式ロッカーアーム
♯4 FCCクラッチディスク
現在流用可能な外品GHA加工アルミクラッチ♯5もある。
♯1 クランクシャフト
♯3 純正オプション USコンペハイコンプピストン
OPT.)軽量ピストンピンあり
当店オリジナル加工
・コンプレッションスリット ⇒ 圧縮漏れ防止
・サイドスリット ⇒ 焼き付き防止&摺動抵抗軽減
このピストンによりレシオ11:1
昔から定番のボアアップとしてトライアル車のピストンを流用する手法があります。振動も増え長持ちしないようでお勧め出来ません。故にこのピストンが有り難い。
ノーマルは手動式オート?テンショナーでチェーンテンショナーをXLR200R系に変更
赤枠
内のパーツは削除
シリンダーもオートテンショナー用に入替えますが高さが異なる為採寸、
ボアも違うのでボーリングし精度を上げる事が出来ます。
オートテンショナー自体も薄型の強化タイプもあります。
ノーマルカムチェーンはローラー式なので延びが早く手動のテンショナーを調整してもすぐに“鈴”を鳴らしたような音が出ます、そこで新型のカムチェーンの移行も試みましたが造りが違って実現出来ませんでした。故に自動的に張れるテンショナーが必要な訳です。
♯8 アルミ鍛造ブレーキアーム
♯4 フォークスプリング系を‘82に変更
フォーク性能を初期はソフトで動きが速く ボトム付近でぐっと踏ん張るように出来ます。
♯16のインナーパイプのオリフィスを変更するやり方です。
♯7 サイレンサー排気口Ф23・28・30 3種あり
今所有のXR画像を見るとスーパートラップの3インチが意外と多いようです。
当時のやり方で懐かしいですが「爆音」です、それもカン高い音質。
今となってはノーマルが良いです、扱い易い特性に“あのXRらしい音”
♯1 強化オイルポンプ
♯8 アルミ鍛造ブレーキアーム
250・500はアルミ鍛造なのに200だけスチール
♯27 コンロッド変更
メーカー発のカタログは意図的に車高を上げて撮影されている。
実車はリアがやや下がり気味だったり 走っている姿は・・・
それを解消する為にリアリンク(コンロッド)を変更し“ケツ上げ”している。
そのリンクを組んだ仕様 ↑
今見ればリアショックは‘85を入れてたようだ、忘れていた。
フェンダーとタイヤのクリアランスが広いとより“戦闘的”な雰囲気が出る。
------------ ココからは保安パーツ系 -----------
‘83 XR200・250RのU仕様から純正設定されました。
やはりコレに準じて進めていくのが王道でしょう。
当時は6Vバッテリー付きの国内トレール(XL系)の移植が主流で
バッテリーの充電不測やライトの暗さなど 不安定でした。
またウィンカーもXL系の流用も多く見られ その大きさには違和感がありました。
補足)Uの基準は日本の保安基準とほぼ同じでした。
メインハーネス レギュレートレクチファイヤー など
ウィンカー
‘81・82はもともとヘッドとテールしか付いていないので保安部品を付ける為に
ハーネスから総入れ替えが必要になります、純正流用で12Vバッテリーレスが可能。
それに伴い♯4 フライホイルと♯5 ステーターコイルの変更が必要です。
ノーマルの巻き直しという仕様もありますが 下記↓のやり方と比較すると
大幅な容量差があり 安定性は劣ります。
点火のパルサーはそのまま使用して 下の発電の強化を行う場合
放射型セル形状のステータコイルとセットでフライホイルも入替え。
XR200Rの点火はカムの延長にパルサーが付いていて 圧縮上死点しか点火しません。
構造上の問題でガタが多く正確な点火タイミングなのか甚だ疑問が残ります。
そこで
このフライホイル側にパルサーがあるフライホイル&コイルに変更する事で精度を上げる事が出来ます。
ただしフライホイルカバー形状が異なりますが 電源の基なので私的には選択の余地は無いでしょう。
よってカムの延長上にあるこれらのパーツを削除出来ます。
(外観は変わらず)
もう一ランク保安性を安定させたい方には純正で容量アップ出来るコイルがあります。
ウィンカー系とヘッドライト(55W)が独立しているので ウィンカーを上げても
電圧降下によるヘッドライトの干渉は無くなります。
♯3 テールランプ
ナンバー付きなのでナンバー灯付きの同型が純正で設定がある。(テール&ストップランプ)
その分台座の部分の厚みがあります。
外観上このテールランプが相応しく選択の余地は無いと思います。
以上で安定した12Vバッテリーレス仕様の完成です。
またノーマルパルサー機構を廃止した場合 高進角型A.C C.D.Iキットがあり より一層吹き上がりが鋭くなります。
=今となってはもう時すでに遅し=
ですが XR系の12Vバッテリーレス電装は各排気量あれどほぼ同じ配線です。(‘83〜04まで)
発電系さえ押さえておけばこの回路が使え トラブルもほぼ皆無です。
私見ですが純正配線で組まれたXRでなければ 値打ちは半減、いやいや値打ち無いかな。
XL系の馬鹿でかいウィンカーやテール 6Vバッテリーツキ XL系のハーネスで組まれたもの・・・
確かに当時販売したショップでは↑上記のような仕様が主流でした。
しかし 安心して安定した装備でないと持っている意味がありません。
必要最低限の質素な配線 軽量小型の保器類にはメーカー側の意図があります。
また発売されて42年 今所有している方はよほど好きモノに違いありません。
まずは真っ先に目に付く外装が汚いもの 欠品があるものはお話にならない、二足一文
綺麗で完品でないとその価値は無い ちゃんと機能するものでないと持っている意味は無いでしょう。
------------ Separate case -----------
‘81モデルをお持ちのユーザーさんならお分かりでしょうが
チェーンラインのガイドが樹脂のローラー式です、それもブッシュ式。
緑枠
が‘81
赤枠
が‘82
当時 あまりにも“ガラガラ”と煩いので 私も‘82のスライダーに入替えました。
しかしココまで来ればベースが‘81なので見た目にも‘81に戻したいのも人情、
そこでブッシュローラーを外し ベアリング入りのゴムローラーに入替えると音が出ない。
------------ Separate case -----------
学生の間 互換性が分からなくてリアスプロケットがノーマル50Tで乗っていました。
純正アルミは材質が柔らかくて減りが早かった。
定番アイテムで街乗りにはXL200Rの43Tスチール製が合う事を社会人になって知った。
純正50Tと同じようにスプロケット側にチェーンガイドが付いているタイプです。
------------ Related to the previous -----------
↑上記のスプロケットもすでに生廃ですが街乗りがし易い丁数が欲しいものです。
アファムでオーダー出来るようですがもうひとつの手法をご紹介。
XLR200Rのリアホイルを流用
ブレーキパネルごと使いますがボルトオンでは使えません。
ブレーキパネルの空回り止めのオフセットが異なるので加工、
左右のカラーも作製。
スプロケットのセンターもドンピシャ これでスプロケット(42T)の心配無用。
ホイル完成
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=回顧録=
私が学生の頃 200を乗り回していた頃 同じクラスの友人が
感化されて どうしても200が欲しいと探していた。
数ヵ月後 ‘82XR200Rに乗ってきた。
どうしたのかと聞くと ホンダショップのオーナーが持っていて
売って欲しいと言うと「売らない」とあっさり断られたらしい。
それにめげず 足しげく口説きに行ったところ根負けして売ってくれたという。
スプロケットなど同じ条件だったので加速競争をした。
なんどやってもじわじわと差を広げられる・・・
「絶対イジってるやろ」と聞くと
前の大将が“バランス取り”しただけでノーマルだ と言う。
乗せてもらうと私のと比べ エンジンの回りが実にスムーズ、
「こんなに変わるのか」と半信半疑だった。
今になってみれば「ソレは当たり前」の事
“チューニングの妙”
この車輌はユーザーさんの依頼により
1.)フロントフォーク ⇒ CRフォーク
2.)フロントドラム ⇒ ディスク(ホイルASSY)
3.)アルミスィングアーム化
4.)リアショック入替え ⇒ ‘85XR250R
5.)エキゾースト系入替え
⇒ ワンオフステンレスエキパイ&ステンチューンマフラー
の 改造でした。
------------ Subsequently -----------
‘81 XR500Rb レストア車
保安パーツもXR純正に変更し 12Vバッテリーレスへ(フライホイル&コイル入替え)
正式に登録されたXR500Rは日本国内では超レア車
フルノーマルで それもこの程度。
発売当時は陸運局では通してもらえなかった。
雑誌の取材インプレでも仮ナンバーでの走行だった。
------------ Talk on behalf -----------
私も若かりし頃 勢いで外装を‘83仕様にした事があります。(ライトカウルは‘85)
=回顧録=
今ではトンと見なくなりましたが街中でウィリーしていく奴 (やっちゃダメですよ〜 道路交通法第70条)
しかし 当時ウィリーとは言えず フロントアップしてすぐに落ちるものばかり・・・
私が思うウィリーとは見ている人の視界から見えなくなるまで続くもの です。
それもスタンディングは意図的なのがバレバレなので シッティングでの事に限る。
この200でしか出来なかったですが実に扱い易かった。
Willie
ちょくちょく200Rのチューンやらレストアを依頼を受けてやっていました。そんな中 永く乗れるように“田口コレクション”パーツを提供して組んできました。良かれと思い組んだパーツに文句を言われたり 「一生乗ります」と言うので気合を入れて携わってきた200がオークションに出ていたりで まったくヤル気が失せてしまいました。出来ないのではなくやりません。
------------ That's all -----------