高橋国光、長谷見昌弘、黒沢元治各選手のコメントを聞いてもハコスカGT‐Rはフレーム剛性が高かった、と回想している。
その中で長谷見昌弘氏だけが 現在の現存する専門ショップのチューニング車やユーザーのご自慢のスカイラインに
試乗してフレームの劣化を指摘している。(長谷見昌弘の証言)
当時のレギュレーションではフレームの補強や剛性アップする加工は許されていなかった。ロールバーも当時の4DrGT‐Rを
黒沢選手が富士スピードウェイ6Kmの30度バンクを疾走する室内カメラで共振し ブルブル震えている映像から見ても
転倒時にドライバーを守ると言う役目だけで剛性に寄与していない事が分かる。またセミワークスの正谷選手のGT‐Rが
発見されたころ リヤピラー内側や室内のあちこちに大きな穴を開けて軽量化を施されていたのは記憶に新しい。
ワークスならもっとスマートで合理的な方法で軽量化されていただろう、それでも最期までレギュレーション規定の10%
までの軽量化までは出来なかったようだ。
しかし 発売から五十年以上になるハコスカ、製造当時のような車体状態からの剛性アップの仕方は通用しない
かも知れない。多くは「スポット増し」という方法があるが この手法は金属疲労もしくは劣化していない 比較的新しい
年式の車両に行うものであり 旧車にやる手法ではない。
レース仕様は除いて 一般公道使用車に相応しいやり方を選びたい。
良く見かけるのにロールバーを入れているユーザーも多いようだが 個人的には室内にロールゲージが見える事に
違和感があるので出来るならば付けたくは無い。(もし付けるのであれば3点式以外在り得ないが)
基本はノーマルフレームをしっかり吟味し 元通り治しておく事が前提で その上でがっつり固めるのではなく
“しなり”も視野に入れながら補強を行いたい。良く見るレストアの工程でフロアやパネルが腐っていてその部分を
切り取り 部分的にその部分を製作し溶接する工程を見るが これはもう残念ながら論外の車両、出来れば避けたい。
ただし モノコックフレームのメイン骨格・剛性を掌る以外の部分であればその限りでないが 選べるほどの余裕も
無いのも確か。それも承知の上であえて記させてもらう。
極 稀に上の映像のように複剛性のロールバーを装着している車両を見受けるが ナンバー付きの車両としては
如何かなモノかなと思うし 後部座席の削除 スペアホイル部のカットなどフレームに手を入れるのも抵抗がある。
ましてや牽引フックが付いているぐらい強度があり 深さを持った部分をカットするのはマイナスでは無かろうか、
ここまでやってDIY的なLアングルは・・・
サイドステップ内側やドライブシャフトトンネル部(黄色の部位)を補強する。
リヤトレイ部分にスピーカを取り付ける為 切り欠きをされていたので一面を補強を兼ねてジュラ材を貼り付ける。
そして裏のドライブシャフトトンネル部と兼ね合わせた室内補強のひとつ