車体 BODY の剛性アップ (補強)


高橋国光、長谷見昌弘、黒沢元治各選手のコメントを聞いてもハコスカGT‐Rはフレーム剛性が高かった、と回想している。

当時のレギュレーションではフレームの補強や剛性アップする加工は許されていなかった。ロールバーも当時の4DrGT‐Rを

黒沢選手が富士スピードウェイ6Kmの30度バンクを疾走する室内カメラで共振し ブルブル震えている映像から見ても

転倒時にドライバーを守ると言う役目だけで剛性に寄与していない事が分かる。またセミワークスの正谷選手のGT‐Rが

発見されたころ リヤピラー内側や室内のあちこちに大きな穴を開けて軽量化を施されていたのは記憶に新しい。

ワークスならもっとスマートで合理的な方法で軽量化されていただろう、それでも最期までレギュレーション規定の10%

までの軽量化までは出来なかったようだ。

 しかし 発売からもうすぐ40年近くになるハコスカ、製造当時のような車体状態からの剛性アップの仕方は通用しない

かも知れない。多くはスポット増しという方法があるがここまで年数が経つと金属の板同士の合い面が錆びている可能

性が高い、スポットを剥がして仕上げる事も現実的な話ではない。となるとそのままスポット加工を施すと着きが甘くなる

か 付いていない状態になるのでお勧めではない。また経年変化による金属の疲労と言うことも考えられるので出来る

だけフレームに加工や手を入れる手法でなくボルトオンで行える手法を取りたい。

極 稀に上の映像のように複剛性のロールバーを装着している車両を見受けるがナンバー付きの車両としては如何かな

と思うし スペアホイル部のカットなどフレームに手を入れるのも抵抗がある。ましてや牽引フックが付いているぐらい

強度があり深さを持った部分をカットするのはマイナスでは無かろうか、ここまでやってDIY的なLアングルは・・・


今のところ 私が何者なのか一切述べていませんが

私の仕事はカテゴリーは違えど この二十猶予年オフロード耐久レースマシンをオーダー製作してきました。

エンジンチューンは基より吸排気系 サスペンション フレームなど1台をトータルで戦闘力を高め レースと言う

場に投入し自分の求めるものが何処まで実績を残せるか実践しています。特に心情はレーサーを食う市販車

小排気量で上のクラスを食う “下克上”が大好きです。しかしそれは勿論容易な事でなく それを実践する事で

技術の向上やノウハウが得られる一番の近道だと思うからです。気が付けばそのやり方は小さい頃から見ていた

ニッサンファクトリーのやり方と同じであると思いました。

その経験上 基本骨格はある程度構成を持たせ 稼動部分や応力が集中するところはガッチリ固めてしまうと

長丁場持ちません、必ず何処かにシワ寄せが来ます、コレはエンジンでもフレームでも同じです。

ボディ関連のコーナーでも述べましたように固める部分は固め 逃がす部分(サスペンション側)を必ず作って

おかないと無理が来る部分にクラックが入りイタチごっこになるのが怖いので配慮して実施したい。

ノーマルモノコックフレーム構造を利用しながらの補強を考える、レース仕様ではないので極力フレームに

加工することなく 補強、剛性アップを実施したい。

ここ最近は外品でも充分思考されたパーツも多く 使えそうなものを選び実施する。

KYOSHOのモデルを使って補強部分を補足してみよう。


サイドステップ内側やドライブシャフトトンネル部(黄色の部位)を補強する。

このようなパーツもあるが私のはステンレス素材のLアン
グルをフレームに隙間が出来ないように採寸しステンリベットでガッチリ固める。(通常スチールとステンの接地面に
電位差が生じ錆が着易くなるのだが電磁パルスを飛ばすシステムのおかげでそれは防止されている)

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室内部分:ロールバーも本位では無いのでそれに変わるパーツを使う、ルーフタワーバー。

リヤトレイ部分にスピーカを取り付ける為 切り欠きをされていたので一面を補強を兼ねてジュラ材を貼り付ける。


この形をコピーして補強板を作成

そして裏のドライブシャフトトンネル部と兼ね合わせた室内補強のひとつ

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ステッププレートを純正アルミからステンパーツに変更し強化を図る。

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エンジンルームはトライアングル形のタワーバーを採用

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リヤフレームの補強が難しい、ここばかりは穴開け加工が必要になるが可能な限りボルトオンで取り付け出来るよう

工夫してみる。

このようなタワーバーも最近有るが2点式より4点式を選択した。

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ボディ袋構造部に充填する2液性非連続発泡ウレタン

様々なラリーショップで購入したフレーム注入型の硬質発泡ウレタンはやはり柔らかく指が刺さるほどの硬さが多く

吸水性も有り 実際は使う気にならなかったが これは使えます。

強度は3〜6kg/cuでクルマで踏んでも潰れない強度を持ちます、また給水率も2%以下で防錆効果も期待できる。

ボディ袋構造内をしっかり防錆処理を行った後にこのウレタンを注入すれば水の浸入も防ぎ強度もアップする

優れものです。


To be continued.



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